消費税増税法は成立した。では、民主党政権の次の政策課題は何なのか-。野田佳彦首相からの発信はないままだ。 民主党は、政権交代を訴え、国民の期待とともに先の衆院選に大勝した。しかし、マニフェスト(政権公約)は早々に破綻し、離党者が相次ぎ四苦八苦している。しかしながら、ただ漫然と政権を維持していることが許されるはずはない。 外交では、今まさに主権護持と領土堅持、つまり独立国家としての政府の毅然(きぜん)たる存在を示すときなのに、曖昧模糊(もこ)となっている。韓国大統領の竹島上陸や天皇陛下をめぐる発言への野田政権の対応はもっと厳然とやるべきであり、尖閣諸島の購入も、世論や石原慎太郎東京都知事の発言に触発されて決めた印象を受けざるを得ない。事が起こってから必死に対応しようとする受け身の姿勢ばかりが目立つ。 内政でも、場当たり的な問題処理に追われるばかりで、積極的な改革論が影を潜めている。中長期の観