「危機」乗り越える統治能力を ポピュリズムと決別せよ(1月1日付・読売社説) 世界的に「危機」が常態化しつつある。 欧州では、財政危機が金融危機に拡大し、世界経済を揺るがしている。米国も巨大な財政赤字に苦しんでいる。その影響で中国やインドでも景気が減速し始めた。 財政再建に努めないと国債が暴落しかねないと指摘されても、政治は負担増を嫌う国民を説得できていない。混迷を深める市場と、民意に翻弄される政治が、相互に危機を増幅している。 危機の根源にある欧州債務問題を鎮めることが、喫緊の課題だ。欧州は、財政赤字を削減し、国債の下落を抑えるよう、万策を講じなければならない。 経済活性化は復興から 日本は、東日本大震災から初めての正月を迎えた。 未曽有の震災は人々の心と社会に深い傷痕を残している。がれきの処理が進まず、新しいまちづくりはこれからだ。東京電力福島第一原子力発電所は、いまだに事故を完全に収