世界遺産登録へ 海越えて広がる富士山の裾野(5月2日付・読売社説) 古くから日本文化の象徴として親しまれてきた霊峰「富士山」が、世界文化遺産に登録される見通しとなった。 来月、開催される国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、正式決定される。 富士山が世界の宝となるのは、喜ばしい。国内では、2年前に登録された「平泉」に続いて13件目の世界文化遺産となる。 政府は世界遺産の構成資産として、富士山頂の信仰遺跡群や富士五湖、冨士浅間神社など25件を申請していた。 ユネスコの諮問機関は勧告の中で、「三保松原(みほのまつばら)」以外の構成資産について、顕著な普遍的価値を持つことを認めた。その意義は「日本をはるかに越えて(世界に)及んでいる」との見解も示した。 日本人は、美しくそびえ立つ富士山を、神秘的な山として信仰の対象としてきた。富士講と呼ばれる富士登山に、江戸時代の庶民はこぞって