財務省が1日発表した法人企業統計によると、企業の利益の蓄積である2015年度末の「内部留保」は前年度末より23兆円あまり増えて377兆8689億円となり、4年連続で過去最高を更新した。 国内企業はアベノミクスの恩恵で15年度に過去最高水準の好業績を上げており、内部留保の大幅な増加につながった。 内部留保は、第2次安倍内閣が12年12月に発足する前の11年度末に比べ、100兆円近く増えた。10年前との比較では、175兆円も増えている。 内部留保は売上高から人件費などの費用を差し引き、さらに法人税や配当を払った後に残った利益を積み上げたものだ。内部留保の拡大は、企業が稼いだお金を賃上げや設備投資に回すのを控えている状況も示している。政府・与党は景気回復に向けて、企業に利益を賃上げや設備投資に回すよう求めており、そうした声がさらに強まりそうだ。