高級魚として知られる天然のトラフグの減少に歯止めがかからない。 独立行政法人・水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県廿日市市)によると、主要な漁場である日本海、瀬戸内海などでは昨年までの11年間で、漁獲量が3割以上も減少。1歳未満の稚魚の推定資源量は6割も落ち込んでおり、さらに漁獲量が減る恐れもある。消費が増える冬を控えて漁が本格化するなか、水産庁や関係自治体などは今月20日に会議を開き、資源管理について協議する。 同研究所によると、トラフグ漁が盛んな日本海、有明海、東シナ海、瀬戸内海での漁獲量は、統計を取り始めた2002年の383トンから、13年は250トンに減少。1歳未満の稚魚の推定資源量はこの間、約64万匹から約26万匹に低下しており、乱獲の可能性が指摘されている。