薬のネット販売 安全性と利便性両立が必要だ(6月13日付・読売社説) 移動手段が限られる障害者や高齢者、薬局のない離島・山間部の住民にとって朗報だろう。 政府は14日に閣議決定する成長戦略に、市販薬のインターネット販売の原則解禁を明記する方針だ。 一部の薬だけだったネット販売の規制が大幅に緩和される。市販薬約1万1400品目のほとんどがネットで買えるようになる。 ネット解禁による経済波及効果は未知数だが、規制改革の象徴的な意味合いがある。 今回の規制緩和の契機になったのが、今年1月の最高裁判決だ。副作用の恐れが低いとされる一部の薬を除き、ネット販売を禁止してきた厚生労働省の省令について「違法で無効」と判断した。 薬事法からは、薬剤師らによる対面販売を義務付けることは読み取れないとの理由だった。 成長戦略が、薬の安全性は「ネット販売か対面販売かを問わず合理的、客観的に検討すべきだ」と指摘する