TPP交渉 米国のペースに惑わされるな(8月23日付・読売社説) 日本にとっては初めての本格交渉だ。いかに存在感を発揮し、交渉を有利に進めるか。攻めの姿勢が問われよう。 日米、豪州、カナダなど12か国による環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が、ブルネイで始まった。23日に閣僚声明を出し、年内妥結を目標に交渉の加速を確認する予定だ。 これをもとに、月末まで事務レベルで交渉が行われる。 閣僚会合の議長を務めるフロマン米通商代表は、「年内妥結はオバマ大統領の最優先事項だ」と強調する。大統領はTPPをテコに輸出を拡大し、雇用を増やすことを目標に掲げている。 米国は、ブルネイで年内妥結の方針を他国と再確認し、10月の大筋合意へ交渉に弾みをつけたい考えだろう。 それでは、7月の前回交渉の後半部分からようやく協議に参加した日本は、十分な交渉時間を確保できなくなる恐れもある。 米国ペースで早期に