福島第一原子力発電所から汚染水が海に流出している問題で、東京電力は21日、事故直後に原子炉建屋で発生した極めて濃度の高い汚染水が、海に向かう配管・ケーブル用のトンネルを通じて、直接、流出している可能性が高いと発表した。 これまでに流出した放射性物質の総量が最大30兆ベクレルと推計されたためだ。東電が事故前に平常時の基準として定めていた放出限度(年間2200億ベクレル)を大幅に超える量という。 東電は22日から、流出経路として疑う2、3号機のトンネルから汚染水を抜き取る作業に着手する。しかし、汚染水の抜き取り可能なトンネルは一部にとどまり、流出が止まるかどうかは不明だ。東電は「流出に伴う汚染の影響は、防波堤や水中カーテンで仕切られた福島第一原発の港湾内にとどまっている」と説明する。