共同研究などのため海外に長期(31日以上)にわたって派遣される国内の研究者が、ピーク時の半分以下に減少していることが7日、文部科学省の調査でわかった。 今年のノーベル化学賞受賞が決まった日本人2博士は、海外での切磋琢磨が業績の原動力になったとされる。現在の日本人研究者の内向き志向が改めて浮き彫りになった。 調査結果によると、国公私立大などの研究機関から昨年度、教員など所属機関との雇用関係を維持したまま海外に派遣された研究者は3739人。ピーク時の2000年度は7674人だった。 文科省は派遣研究者の増加を目指して支援策を拡充しているが、減少傾向が続いている。担当者は「日本の研究環境が整い、あえて海外に挑戦する研究者が少なくなっている面もあるのではないか」と話す。