大学の役割 「知」集め被災地復興に貢献を(5月13日付・読売社説) 東日本大震災の影響で始業を延期していた東北地方の大学が、今月から授業を再開した。 キャンパスに学生たちが帰ってきた。震災で直面した様々な困難を乗り越えて、大学は一刻も早く、活力を取り戻してもらいたい。 東北や茨城の大学は、地震で建物が損傷したところも多かった。特に理工系の研究設備の被害は深刻だった。大型実験装置が壊れたほか、保存していた遺伝子サンプルなど貴重な資料が使えなくなった研究室もある。 設備の修繕を急ぎ、研究機能を回復する必要がある。復旧が遅れると、世界の研究開発競争から取り残されるばかりか、優秀な人材の海外流出を招きかねない。 政府も大学の研究レベルの低下を食い止めるために、必要な予算措置を講じるべきである。 震災後には、外国人留学生が帰国したり、入学を取りやめたりする動きが目立った。度重なる余震に加え、東京電力