これまで公教育に関する「国民の憲法」要綱の条文を紹介してきたが、教育には学校教育と家庭教育という柱がある。 ところが現行憲法には家族の価値について明記した条文がない。個人の尊厳を述べた条項はあるが国民それぞれがバラバラの個人として捉えられている。「個人」はあるが「国家」がないのと同様、「個人あっても家族なし」と揶揄(やゆ)される所以(ゆえん)だ。 《第二三条(家族の尊重および保護、婚姻の自由) 家族は、社会の自然的かつ基礎的単位として尊重され、国および社会の保護を受ける。 2 家族は、互いに扶助し、健全な家庭を築くよう努めなければならない。 3 婚姻は、両性の合意に基づく。夫婦は、同等の権利を有し、相互に協力しなければならない》 家族があって共同体の絆があり私たちは生きている。家族とは教育の土台だ。バラバラの個人を至上と捉える価値観は家族を蔑(ないがし)ろにする風潮を生む。私たちは「国民の