文部科学省の調査で把握された小・中・高校などのいじめが、平成24年度は約19万8千件にのぼった。前年度の3倍近くになり、過去最多の件数となった。 大津市の中2男子の自殺事件をきっかけに学校や教育委員会が細かく調べたためだ。実際にいじめが増えたというより、これまで見過ごされていたケースがいかに多かったか分かる。教師は日々の授業で子供たちに「正義」を教え込んでほしい。 調査によれば、「いじめ発見のきっかけ」は児童生徒へのアンケートなどが過半数で、学級担任が発見したのは約1割にすぎなかった。ネット上での陰湿な悪口や無視など、教師からは見えにくいいじめも増えている。 子供が相談しやすくする環境づくりも大切だが、教師には日頃からの指導を改めて見直してもらいたい。ほめるときはほめ、しかるときは毅然(きぜん)としかる。冷やかしや無視といった「不正義」を、教師が見て見ぬふりをすることがあってはならない。