最近、飲食店経営者に聞くと、お客が求める領収書の切り方が変わったという。3月までは1人当たりの飲食代が5000円以下に収まるように気を使っていたお客が、4月以降、上限にこだわらなくなったというのだ。アベノミクスによって業績に明るさが見え始め、企業が経費を緩め始めたためかと思いきや、理由はそれだけではないらしい。(フジサンケイビジネスアイ) 4月1日から、中小企業の交際費の税務上の扱いが変わったのである。3月までは企業が損金扱いできた交際費の上限は600万円で、しかも10%は損金不算入、つまり経費として認められなかった。それが新年度からは税制改正で800万円までが全額損金になったのだ。200万円も増えたうえに、全額損金となったインパクトは予想以上に大きい。 改正前から、1人当たり5000円以下の会食ならば「交際費」ではなく「会議費」という名目で全額経費になった。このため、企業は交際費ではなく