カタールで開催中のワシントン条約締約国会議で、大西洋クロマグロをめぐる日本の主張が認められた。当初、優勢だったモナコの提案を大差で覆しての否決である。 大西洋クロマグロが絶滅危惧(きぐ)種に指定され、国際的な商業取引が禁止される懸念は、ひとまず遠のいた。だが、これでマグロを食べ続けられる、と胸をなで下ろしていてはいけない。 日本は世界のクロマグロの8割を消費している。大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)などの場で、より適正で厳格な資源管理をリードしていく責務が一段と重くなるだろう。 これまでも日本は、同委員会で漁獲量削減を関係国に働きかけてきた。しかし、それを無視した乱獲が収まらない。今回のモナコ提案には、そうした現実にしびれを切らせた面もある。 漁業先進国として日本が行うべきことは多い。ICCATの決定事項順守を各国に徹底させることも、その一つだ。今のままでは再び、絶滅危惧種指定と