共産党や社民党が「TPP反対」とか言っているのをみると、左翼も落ちたものだと思う。今週のメルマガでも書いたが、マルクスからトロツキーに至る左翼は「労働者に祖国はない」というインターナショナリズムを理想とし、国境を踏み超えて世界を統合する「資本の文明化作用」を賞賛したのだ。 ロシア革命を指導したレーニンもトロツキーも、それがロシアだけで成功するとは考えていなかった。各国の労働者が国境を超えて団結することが帝国主義戦争をなくす道で、特にドイツ革命の成功が重要だと考えていた。しかしドイツ革命は失敗し、ソ連もスターリンの「一国社会主義」になってしまった。 本書はこの世界革命の時代の主人公、トロツキーの伝記である。彼が類まれな天才であることは誰しも認め、その生涯は20世紀最大の理想が挫折する壮大なドラマである。彼の『わが生涯』は、その波瀾万丈の生涯を語った、政治家の自伝の最高傑作であり、誰もが「もし
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