大阪市立大の神谷信夫教授らの研究グループは21日、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を原料に、人工光合成でアルコール系燃料のメタノールを製造する構想を発表した。平成32年までの実用化を目指す。実現できれば世界初。石油などの輸入化石燃料や原子力発電に依存しない循環型の国産クリーンエネルギーが確保できることになり、注目を集めそうだ。 植物の光合成では、二酸化炭素と水から炭水化物と酸素が作られるが、神谷教授らのグループは、その際に水を分解する「タンパク質複合体」の詳しい構造を解明し、18日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。 このタンパク質複合体と同じ化学構造の触媒を人工的につくり出し、太陽光エネルギーを利用することで、二酸化炭素と水から、炭水化物の代わりとなるメタノール燃料の製造が可能になるという。 この日、大阪市役所で会見した神谷教授と同大複合先端研究機構プロジェクトリーダーの橋本秀樹教