6月24日、エジプト大統領選の結果が発表され、ムハンマド・ムルスィー自由公正党党首が勝利した。とりあえず、ほっと一安心である。 いや、筆者が自由公正党シンパだというわけではない(むしろ、「う~ん」)。大統領決選投票の前後からかなりきな臭い動きがあったので、それが大きな衝突や改革の後退につながらないかと懸念していたからだ。 何よりもまず、6月14日、決選投票開始の2日前に、現在政権を担う軍最高評議会が突然、昨年末に実施された人民議会選挙の無効を発表した。これにより、自由公正党が約半数、第二党でイスラーム主義政党の御光(ヌール)党が約四分の一の議席を占める人民議会は、解散。自由公正党は、せっかく得た与党の地位を失うこととなったのである。大統領決戦投票を前に、守旧派の軍が新興勢力たるイスラーム主義政党を潰しにかかった、と見える判断だった。 緊張が高まるなか、決選投票が終わるとすぐ一日後に、ムルス