季報 エネルギー総合工学 Vol.24 No.2｜調査研究報告〔調査研究報告〕 新燃料オリマルジョン® ―特徴と利用技術― 小林 芳照 （(財)エネルギー総合工学研究所 プロジェクト試験研究部 主管研究員） １．はじめに 電力エネルギーは、世界的に見ても、各国の経済的、社会的活動ならびにその国民生活においてエネルギーの根幹をなすものであり、必要不可欠のものである。 わが国においては、昨今の景気停滞の影響を受けて、電力需要の伸び率は一時的に低下しているが、長期的に見れば、経済社会の成熟化および国民生活の高度化に伴って、電力需要の増加が予想されている。 しかし一方で、これまで発電電力量で順調に伸びてきた原子力も、その立地は必ずしも容易ではない。さらに、火力についても昨年来の大幅な原油高によるコスト負担やアラビヤ石油の権利更新の破談等で、火力燃料の見直しも考慮せざるを得ない状況にある。こうした現状を背景にして、安価に且つ安定的に燃料の供給を受
