米から国の基準を上回る放射性物質が検出された福島県伊達市で、土壌汚染や被ばくへの懸念から耕作できなかった農家に対し、市農業委員会が田畑を耕作放棄地と扱う通知を出した。「農地として適切に利用されていない」として耕すよう指導。一月中旬に通知を受けた同市の小野寛さん(51)は「耕すと放射性物質が土に混ざる」と困惑している。 (中崎裕) 各自治体の農業委員会は農地法に基づき、年に一度、耕作放棄地を調査。最初の指導通知が届いた時点で耕作放棄地扱いとなり、所有者は原則的に新たな農地取得ができなくなる。同市農業委は今回、二百件ほどの指導通知を出した。