原子力の専門家ら約7500人でつくる日本原子力学会(会長=田中知・東京大教授)の大会が19日、北九州市で始まり、東京電力福島第一原子力発電所の事故を検証する特別シンポジウムを初めて開催、学会や研究者の姿勢を反省する発言が相次いだ。 今後は「原子力ムラ」に閉じこもらず、社会との接点を重視していくことで意見が一致した。 特別シンポでは、東京工業大の二ノ方寿教授(原子力工学)は「専門家に自己満足や過信があり、絶対安全の神話が独り歩きしてしまった。学会は事故原因を徹底的に追究し、自己批判をしなければならない」と述べた。法政大の宮野広客員教授(システム設計)は「軽微な事故やトラブルにこだわり、最も大事な原子力安全の大局を見失っていた」と語った。