本日、名古屋高等裁判所刑事第1部(志田洋裁判長)は、前川彰司氏に係るいわゆる「福井女子中学生殺人事件」再審請求事件の異議審において、検察官の異議を容れ、2011年(平成23年)11月30日に原審(請求審)である名古屋高等裁判所金沢支部が下した再審開始決定を取り消し、本件再審請求を棄却する決定を下した。 本件において、前川氏は一貫して無実を主張し、前川氏を有罪とする客観的証拠も皆無であった。わずかに、「犯行後に血を付けた前川氏を見た。」などとする暴力団員とその関係者の供述があったものの、これらの供述は捜査段階で著しい変遷を繰り返す等、捜査機関による誘導が歴然としていた。 本件の第一審である福井地方裁判所は、1990年(平成2年)9月26日、関係者供述について信用性を否定し、無罪判決を言い渡した。 ところが、名古屋高等裁判所金沢支部は、さしたる有力な証拠がないにもかかわらず、1995年(平成7