イラク政府が最近、大量の死刑を執行していることに国連が懸念を示している。 1月19日に34人の死刑が執行された際、国連のピレイ人権高等弁務官は「非常に恐ろしいことだ」と表現したうえで「訴訟手続きの公正さに重大な懸念がある」と批判した。しかしイラク政府は1月31日、さらに17人の死刑を執行した。 イラクでは04年以降1200人以上が死刑判決を受けている。英BBC(電子版)によると、この2カ月で少なくとも63人の死刑が執行されたとみられる。イラク法務省は「法律に従った処分」とだけコメントしている。 イラクはフセイン政権が崩壊した03年に死刑執行を停止したが、翌04年に「治安維持」を名目に復活させた。国連総会は07年以降、死刑執行の一時停止を加盟国に求める決議案を採択している。【岩佐淳士】 【関連記事】 米国防予算計画:地上戦力10万人削減 在日韓は維持 米国:米軍、地上戦力10万人