国際交流基金賞は1973年に創設され、これまで、映画監督の黒澤明をはじめ、海外からもジェラルド・カーティス米コロンビア大学教授などが受賞している。シロニーさんは今回、日本研究・知的交流部門での受賞。「世界各国において、日本文化の理解促進と学術交流、そして日本研究の推進に大きく貢献した」(国際交流基金)と評価された。 シロニーさんは、エルサレムのヘブライ大学で約38年間、日本文化史の教鞭を取ってきた。既に約1万人以上が同教授の門下を巣立っており、同大学の日本文化学科の学生からは、「穏やかな日本の和尚さんのような先生」と慕われているという。 シロニーさんは、ポーランド生まれ。第二次世界大戦でソ連に一時疎開した後、1948年に、建国間もないイスラエルへ家族と共に移住した。東欧ユダヤ人の言語の一つであるイディッシュ語をはじめ、ポーランド語、ヘブライ語を話す少年時代を送る。初めて日本にかかわるきっか