重い副作用の危険性があるてんかんの治療薬について、患者の体質を調べて、薬を選択する大規模な臨床研究を理化学研究所が始める。 全国で30以上の病院が参加、1000人の患者を対象に、副作用を防げるかを検証する。一人ひとりの体質に合わせた「オーダーメード医療」につながることが期待される。 カルバマゼピン(商品名・テグレトール)は、脳の特定の部分からてんかんの発作が始まる「部分発作」の治療薬として、広く使われている。しかし、患者の3%に皮膚や粘膜の発疹である「薬疹」が現れ、薬の服用をやめても症状は改善されず、重症の場合、失明や死亡につながることがあった。 理研が、カルバマゼピンで薬疹を発症した患者61人の遺伝子を調べたところ、免疫に関係するたんぱく質「ヒト白血球型抗原(HLA)」について、37人がある特定の型を持っていた。この型のHLAを持っていると、薬疹を発症する危険性が9・5倍高まることがわか