【メキシコ市=松島良尚】南米パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領が22日夕、上院の弾劾決議によって罷免されました。大統領の反論を事実上封じた即決ともいえる決議に対し、国民の抗議活動が高まっています。 現地からの報道によると、弾劾審理でおもに問われたのは、土地を不法占拠していたとされる農民と警官が衝突し、17人の死者が出た15日の事件に関する責任です。大統領が占拠問題に適切に対応せず、農民をあおったとされました。 審理は大統領を一方的に中傷する文書にもとづいて行われ、大統領の弁護側に与えられた反論時間は2時間だけでした。事実関係の調査は一切ありませんでした。出席した上院議員43人(定数45)のうち39人が弾劾に賛成しました。 ルゴ大統領は弾劾決議を受け、「議会の決議には従うが、パラグアイの民主主義は深く傷つけられた」と述べました。 国会周辺には、弾劾決議に抗議する市民が集結しています。警官隊