(2) 民主化の推進 クーデターを指導したアンドレス・ロドリゲス将軍は、軍とコロラド党の支持を固め、選挙を実施して当選し、1989年5月大統領に就任した。自らの任期を「民主体制への移行期」と位置づけ(任期4年)、経済の自由化とともに、政治犯の釈放、言論・表現の自由など人権尊重、政党の公認、労組の団結権の容認など政治的自由化、国際社会への復帰など諸改革を進め、制憲議会を招集して92年には新憲法を公布した。 1992年新憲法は、67年憲法を全面的に改正したもので、民主化の成果を採り込み、パラグアイ共和国史上初の近代的民主憲法となった。大統領の再選禁止、行政権による議会解散権の廃止など大統領権限を大幅に弱めて立法府に権限を委譲し、司法権の独立性を確保するなど、三権分立の確立を目指している。副大統領職を創設した他、県知事、県議会の直接投票による地方政府創設が盛り込まれた。 1993年には新憲法に沿