理事長挨拶 現下の世界における原子力の利用について俯瞰してみますと、福島第一事故の発生後、原発の速やかな廃止や再生可能エネルギーへの転換といった脱原子力圧力が高まったものの、結果としては、フランスでは原発廃止計画の不可避的延期、韓国においては原子力計画の国内外での食い違い等、原子力政策の矛盾が次第に明らかになりつつあります。 また、中国、インド等の新興国では、将来の経済発展、人口増加、地球環境保全の観点から、エネルギー供給確保の根本的・現実的対応として、新規導入を含む原子力利用の増加が見込まれております。 他方、我が国の原子力事業においては、少数ながら再稼働原発の着実な増加が見られつつあります。こうした傾向は、これからも一層の進展が期待されるとともに、その期待を実現する基盤となる安全・安定運転定常化への要求もより高まることが予想されます。 このような状況のもと、今後の我が国原子力事業には、