<概要> 最近では、輸血する血液を放射線照射することが多い。これは、輸血する血液(graft) 製剤に含まれる供血者の白血球のひとつであるリンパ球が、患者組織中で生着、増殖し、患者組織(host)を攻撃、破壊するのを防止するためである。この病気を輸血後移植片対宿主病(PT-GVHD)と呼ぶが、有効な治療法はなく、一度発症するとほぼ95%以上死亡する。この病気に対する予防対策として輸血血液製剤への事前の放射線照射が有用な予防法として知られており、1996年日本輸血学会より放射線照射のガイドラインが示され、日本赤十字社や各医療機関において照射血供給体制が整っている。 1993年−1999年の間に発生した輸血後GVHD症例として61件が確定されているが、1981年−1986年当時にくらべ減少している。 <更新年月> 2005年02月 <本文> 1. 輸血後GVHDとは 輸血後1−2週間後に発熱と