【ゆうゆうLife】 口から食べられなくなったとき、胃に直接、管で栄養を入れる「胃ろう(PEG)」。栄養摂取が容易になる一方で、高齢で意思確認ができず、予後が期待できない患者にも胃ろうが作られるケースもある。終末期に向かう治療として、胃ろうは適切なのか−。家族や特別養護老人ホーム(特養)の関係者らから疑問の声が上がっている。(佐藤好美) 【表で見る】介護保険、需要増へ財源どう賄う…増える高齢者と介護費用 群馬県太田市に住む原田貴子さん(63)=仮名=の義母(95)は特養に入所している。7年前に脳梗塞(こうそく)で倒れて以来、右半身まひで要介護5。病院や施設を経て、今の特養に入って6年以上になる。 飲み込みができなくなり、鼻から栄養を入れる「鼻腔(びくう)栄養」にしたが、義母は管をしばしば自分で抜いてしまう。ある日、見舞いに行くと、看護師から「忙しいときに手がかかる。胃ろうにしていた