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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/kananaka (4)

  • 再発――Répétition de maladie, "FEMME" - kananaka日和

    予兆はあった。下肢へと続くなだらかな起伏、その内で穏やかに蠕動し息づく彼女が、ある日を境に静かな変質を始める。柔軟性を失い年季の入った漬物石のように重たく冷やかに縮かむと、それは少しずつ裂けては痙攣し、やがて雲母(マイカ)のように剥がれ、落ちてゆく。 油断していた。二週間ほど続いていた体調不良、抑に倦怠感、不眠、皮下を線虫が這いずる感覚、レストレスレッグズ*1、その他下半身のみならず全身を襲う各種不快な症状に、心当りはあった*2。にもかかわらず「いやいやまだまだ」の思いが抜けなかったのは何故だろう。 ほんのり汗ばむまぁるいヒカル*3の頭をワシワシしつつ、それらがすべて杞憂であれ、と呪文をかけていたのかもしれない。これまでなんとか完母*4でやり繰りしてきた。確かに手元の育児を開くと、「母乳育児のママにもそろそろ…」の記述が見いだせる。それでも出産から一年や一年半、未だ女の痛みが再開してい

    再発――Répétition de maladie, "FEMME" - kananaka日和
    aozora21
    aozora21 2011/12/02
    始まって以来不規則に泣かされ続けたがこの数年悪あがきのように定期的にやってくる。更年期は不規則になるのが通説だというのに女の体は摩訶不思議。やあまた来たねようこそ、そんな気分。
  • 食べていい? 食べちゃだめ? - kananaka日和

    一年で最も寒の厳しい季節のお愉しみに、ジビエがある。しかし、ここでうっかり友人知己に昨日の晩ご飯メニューなんぞを公開すると、「かわいそう」との非難を頂くことがある。曰く、シカやイノシシを殺すの、可哀相、と。 そういえば、東京在住の折に勤めた仏料理店でも、顧客にジビエを供する際は事前の料理説明が欠かせなかった。「こちら、野生動物の肉を使用したお料理になります」と伝えると、強い関心を示すタイプと明確な拒否反応を返すタイプに見事に分かれるためだ。同じテーブルについたカップルまたはグループの一人がジビエを注文する際も、さりげなく他のメンバーの反応を窺う。怪訝な顔をされることも多かった*1が、「野生鳥獣のお料理に抵抗のあるお客様もいらっしゃるものですから」と続けると、大抵は理解して頂けた。 昨今の日において野生動物をす習慣は、筆者のように彼らと居住区を共にする地元民と、一部の通を除けば、馴染み

    食べていい? 食べちゃだめ? - kananaka日和
    aozora21
    aozora21 2011/02/09
    シカ肉は食べたことがないです…市内の山でシカが繁殖し過ぎて上限なく捕獲されるそうですが…。猪は大好き、意外にあっさりして野趣に富んだ味わい。
  • 回転考。 - kananaka日和

    悪夢にうなされ、しとどの汗と共に目覚める。まだ未明。このまま再び布団にもぐっても、眠れないことはわかっている。ここは微睡みの未練を断ち切り、クローゼットへ。メットにサイクルウェア、グローブ、プロテクタ、シューズ。装備に十五分、外はまだ闇。愛車はプジョー、―――ただし、ここで言う愛車とは、年代物のマウンテン・バイクのこと。こんなご老体自転車を引きずりまわしているのは自分だけかと思いきや、年代物の自転車愛好家は巷に結構いらっしゃるらしい^^ たしか、車輪が発明されたのはメソポタミアのはずだから、回転する道具のもとは、未だ混乱渦中の中東になるはずだ。もし現代社会から回転するものをなくしたら、どうなるだろう。少なくとも交通機関は全滅だ。自動車も自転車も列車も乳母車も手押し車も車いすも。残るは徒歩か、裸馬*2に跨るくらいか。いずれにせよ、そんな時代になれば原始的な諍いはあっても、いま展開しているよう

    回転考。 - kananaka日和
    aozora21
    aozora21 2010/05/05
    平野部の半径2㎞以内で生活の総ての用事が済む地域に住みながらもっぱら自家用車愛好のヘタレですorz最近は夫のバイクの荷台に乗っかって出かけることも。見過ごしていた風景や匂いに気づきます…。
  • 春になれば苺を摘みに。 - kananaka日和

    イチゴの旬は十二月だと思い込んでいたのは、今は遠い昔の話。それがクリスマス商戦に向けて、最もイチゴが高値をつけるシーズンだったとも知らずに。実際は春に花が咲き、五月頃収穫というのが春イチゴの来の姿。それが近年は管理されたハウス(促成)栽培により、初春の二月頃から安価に入手できるようになった。 イチゴは品種がとても多い「果物*1」で、佐賀の「さちのか」「さがほのか」、福岡の「あまおう」「とよのか*2」、栃木の「女峰」、この改良新品種として登場した甘味がさらに強く大粒の「とちおとめ*3」、静岡の「章姫(あきひめ)」「紅ほっぺ*4」、奈良の「あすかルビー」、熊の「ひのしずく」、徳島の「あかねっ娘(ももいちご)*5」、普通のイチゴの2〜3倍の大きさの特大粒が特徴の愛知の「アイベリー」、新潟県民に馴染みのある「越後姫*6」など、ネーミング一つとってもローカル色が窺える*7。それだけ消費者の人気の

    春になれば苺を摘みに。 - kananaka日和
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