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衆院選
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Scrivenerというアプリケーションで小説を書いていることは、幾度か対談やインタビュー、そしてセミナーなどでも紹介してきた。このブログにも二つほどエントリーを立てているが、すでに使い始めた頃のことを忘れてしまった私のブログ記事では、はじめて体験版を起動した時の不安を払拭できるわけもない。そんなわけで、この4年の間、いくつかエントリーを立てては消していた。どうすればこのツールが必要な人の手に渡るだろう。そんな悩みが解消する日がやってきた。Scrivenerを網羅的に紹介する書籍がBNN新社から発売されたからだ。 考えながら書く人のためのScrivener入門 「考えながら書く人のためのScrivener入門」は、ふんだんに画面イメージを用いた導入ガイドブックだ。インストールから初めてのプロジェクト作成、そしてコンパイルまで過不足なく説明してくれる。大型のタブレットで電子書籍を読む習慣があ
2014年2月に早川書房から刊行された二つめの長篇小説『オービタル・クラウド』が、35回目となる日本SF大賞を受賞しました。同時受賞作品は長谷敏司さんの『My Humanity』、そして功績賞は平井和正さんに贈られることになります。 第35回日本SF大賞・受賞作決定! 第34回からSF作家クラブの独立運営に変わったSF大賞は、一般エントリーされた作品にSF作家クラブ会員が投票し、ノミネート作品を選び、選考を行う形式となりました。一般エントリー作品総数は198作品、ノミネート作品は当ブログでも報告したように5作品が選出されました。いずれも2014年の日本SFを象徴するような大きな成果の中から私の作品が選ばれたことを光栄に思います。 私事のためにブログを更新できなかったのですが、『オービタル・クラウド』は早川書房の『SFが読みたい! 2015』に掲載された「ベストSF 2014」でも一位となり
今日の朝日新聞、文化面に「プロも愛用、小説執筆支援ソフト 質問も繰り出し発想促す」という記事で、パソコンソフト「Scrivener」を使っての執筆活動について取り上げていただきました。 朝日新聞デジタル: プロも愛用、小説執筆支援ソフト 質問も繰り出し発想促す この中で私が言及している「Scrivener」ですが、記事には一点だけ間違いがあります。「あらすじを書き換えると、本文の順番が自動的に入れ替わる……」のではなく、あらすじを表示しているストーリーボードで順番を入れ替えると、本文の順番も入れ替わる、というのが正しい動作となります。実際のところ、文章を書き換えて順番が入れ替わるようでは怖くて使えないわけで、愚直に文章のブロックを入れ替える方がいい気もします。 そして、このScrivener、これは本当に優れた執筆ツールです。 Literature and Latte – Scrivene
とある文書を配布する方法を検討していて、EPUBが一番いいだろうという結論に至った。数ヶ月ほど使うならば適切なスタイルシートなども組み込める自作のRubyスクリプトがいいのだけど、数回試行錯誤する程度でスクリプトを調整するのは面倒。こんなこきこそ電書ちゃんの「でんでんコンバーター」だ、というわけで初めて本格的に使ってみたのだけど、やっぱりいいね。 でんでんコンバーター Just another ‘Markdown to EPUB 3’ converter でんでんコンバーターは、EPUBを作成するWebサービスだ。でんでんマークダウンという簡単な書式で構造化したテキストファイルから表紙や目次、ルビや傍点、画像などを持ったクリーンなEPUBを作ることができる。マークダウンされたテキストファイルと画像をまとめてアップロードするだけなので、特に難しいことはなにもない。新たな記法を使うのは難しいと
先週の金曜日に告知された「Kindle連載」というサービスは、もう試していただけているだろうか。 Amazon.co.jp:Kindle連載 Kindleストア 連載作品を、終了時点までの先払いで楽しむことのできるAmazonのサービスだ。18作品にはエッセイ、小説、コミック、そしてノンフィクションまでがラインアップされている。価格も200円から1,300円までとまちまちだ。サービスの紹介については、いくつもの記事が既に紹介しているので、ここでは繰り返さない。 Amazon.co.jp、連載形式で電子書籍を自動配信する「Kindle連載」開始 「Kindle連載」は本国でKindle Serialsとされているサービスの日本マーケット向けサービスとして始まった、とされている。しかし、その実情は大きく異なる。 現在、本国のAmazon.comでは14作品が連載している。作品はSi-Fi、Fa
前々回のストーリー:iPhoneで小説を書く(1) 前回のストーリー:iPhoneで小説を書く(2) 「Gene Mapper」はそのほとんどをiPhoneで書いているが、もちろんiPhoneだけで出版しているEPUBやKindle用のデータが作れたわけではない。iPhoneやiPadにもEPUBを出力できるソフトがないわけではないが、かっちりとした小説を組めるアプリは2012年の8月現在でも存在していない。やってやれないことはないのだろうが、執筆はともかくとして、やはりiOSで「開発」はまだ難しい。 第一稿が終わりを見せ始めた頃、手間はかかるが自分でコンバートする方法を考えるためにOS XのEPUBソリューションを探した。 EPUBを作るならば現在必須のソフトウェアはSigilだ。でき上がったEPUBを編集することができるソフトは、それほど多くない。 Sigil -A WYSIWYG e
先週発売したSF小説「Gene Mapper」は可能な限り多くの環境で読んでもらうために、EPUB 3版に縦書きと横書き、両方のフォーマットを用意している。現在のところ、縦書きのEPUB 3をまともに読めるEPUBリーダーは、ChromeだとReadium、OS XだとMurasaki、iOSやAndroidだと今は日本で購入できないKobo.appやKinoppy、というところだろうか。AndroidにはHimawariがあるのだが、私が用意できるAndroid端末では縦書きに対応していなかった。 いくつもあるように見えるが、EPUBリーダーはただ電子書籍を読むためのアプリケーションではなく「リファレンス・リーダー」というエントリーでも書いたように、本棚を兼ねる統合環境だ。MurasakiやReadiumは開発者用のツールという側面が強いから除外するが、そのような視点で見たときに、現時点
「Gene Mapperジーン・マッパー」の決済でお世話になっているGumroadに新機能、Platform APIが実装された。 Gumroad Platform API これはGumroadの立ち位置を大きく変更するAPIだ。「売買はリンクぐらい簡単になるべき」というキャッチフレーズで登場したGumroadには、今までGumroadと販売者、そして購買者の三者しか関わることができなかった。Gene Mapperの販売で例えると、購買者の読者の皆さん、そして売っている私と課金プラットフォームを提供するGumroadだ。 購入者 ⇄ 販売者(アイテム提供) Platform APIでは、ここにもう一つ「プラットフォーム」が登場する。 購入者 ⇄ 販売者(アイテム提供) ⇄ プラットフォーム(ロイ/マージン徴収) 例えば、Gene MapperのファンジンがGene Mapper関連のコンテ
Twitterの様々な機能はユーザーと、それにも増して熱狂的なサードパーティクライアントを開発してきた開発者によって創り出され、そして、Twitterはそれらを取り込んできた。 「@」や「>」で返信をする行動が流行ったのは2007年ごろだったか、TwitterはユーザーがSMSからの短い投稿を「さえずる」だけではなく対話を求めていることを知り、@+アカウント名にリンクをつけるようになり、replyとして扱い始めた。私の知る限りだが、最も旧く、そして重要なユーザー/クライアント発のシステムの仕様への昇格だ。 この振る舞いを強化したのがサードパーティのクライアントアプリケーションだったことを忘れてはならない。@にfriendsへのリンクをつけたのも、タイムラインからreplyに相当するtweetを分離してタブにしたのも、Twitterより先にクライアントアプリケーションが行っていたことだ。 画
前のエントリー:iPhoneで小説を書く 前のエントリーでは、小説の体裁になるまでiText Padを用いて10,000文字程度まで書き進めたことを紹介した。文章表現の巧さで一気に読ませる短編ならば、恐らくこのまま書き終わるところだったのだろうが、あいにく「Gene Mapper」は短編の域を超えてしまうことが明白だった。そこで、章立てのできるAppを探し始めたのだが……困ってしまった。 日本語版、いや日本人開発者の手による章立て可能なエディタが……ないわけではないのだが、使えそうなものが見当たらない。英語圏ならば星の数ほどとは言わないが「小説を書く」となれば横にバナーの出ているManuscriptをはじめ、Storyist、A Novel Ideaのような章ごとにファイルを分割して編集できるエディタが普通だ。脚本ソフトの決定版Final Draftのようなコンテクスト管理を目指しているの
今日、Twitter API 1.1が公開された。 Changes coming in Version 1.1 of the Twitter API 内容はもうご存知の方も多いだろうが、全てのAPI利用に認証を求めるようになること、APIの利用制限がエンドポイントごとになること、プレインストールクライアントを開発する際は届け出ること、10万人以上のユーザートークンを使うならば届け出ること。そして Display Guidelines へ従うことが求められている。タイムラインを表示するようなTwitterクライアントはTwitter公式と同じユーザー体験を提供せよ、ということで、クライアントの開発はビジネスになりにくくなっていくわけだ。 同時に、マイクロフォーマットを彷彿とさせるようなサービス、Twitter Cardsに期待して欲しいとアナウンスされていたので、このブログをTwitter
「Gene Mapper」を発行して一週間。Amazon.com、Kobo bookstoreそしてGene Mapper公式サイトの3つの販売チャネルで○○部を読者の皆様へ届けることができた(何冊かって?今はまだ内緒っていうか言わせんな恥ずかしい)。購入していただいた皆様、ありがとうございます。次回作もiPhoneで書いてます。楽しみにしてください。 ソーシャルグラフで販促しているといえば聞こえはいいが、要するに知人に声をかけて「本を書いたんだ。買ってよ」と言っているのと変わらない。さて、ここからどうやって販路を増やそうか、どこの広告から誘導しようか……という段階だ。そんな中、電子書籍で読むフィクションとして最適だと個人的に思うSF小説出版社の老舗、早川書房が重い腰を上げたというニュースが飛び込んできた。 早川書房、「ハヤカワSF・ミステリebookセレクション」配信へ まず感謝。Ama
リリースでも書いているように、Gene Mapperのほとんどの部分はiPhoneで執筆されている。専業の物書きでない私にとって最も有効に使える時間は通勤時間だからだ。片手で、ろくに画面を見なくても入力できるiPhoneは、テキストの原稿で10万文字を超える最終段階まで素晴らしい執筆ツールであり続けた。 「小説を書くため」と称しているiPhone用のアプリは多数あるが、実際に使ってみると自分の用途に向いたものはほとんどなかった。かれこれ50種類ぐらいは試しただろうか。まだまだアプリ購入に要したコストは回収できていないが、それはともかくとして、それぞれの執筆段階で使ったアプリを、順を追って紹介してみようと思う。 書き始めるときに拘こだわっていたのは、ルビの表示ができる縦書きプレビュー付きのエディターだった。このようなアプリは国産のものしかないが、エディタとして実用の土俵に載せられたのは今日紹
楽天のkoboサービスのオープニングは昨日書いたようなことも含め、散々な出足だったようだが、これからが本番だろう。今日はkoboの専用リーダー、kobo touchについて書いてみたい。 [retina normal=”http://blog.taiyolab.com/wp-content/uploads/2012/07/kobo_review.png” retina=”http://blog.taiyolab.com/wp-content/uploads/2012/07/kobo_review.png” width=”600″ height=”auto”] EPUB3で期待される日本語の縦書き組版の再現度は、トップクラスだろう。縦中横やルビ、圏点のようなインラインで動作する修飾はほぼ完璧に動作している。また、固定レイアウトでなくても、部分的な横組みを挟み込むこともできるのが素晴らしい。章
今日、楽天Koboがスタートした。15:00には今まで並んでいなかった日本の書籍が並んでいたのを確認できた。 おめでとうございます。 欲しい本があるかといえばほとんどない状態ではあるけれど、買収が昨年の11月だからたったの8ヶ月。この短い期間に日本では殆ど流通していなかったEPUBの書籍を集め、日本語版リーダーの出荷にこぎ着けたことには感謝したい。 これからKindleも追ってくるが、楽天IDという「プロには見えない顧客層」はAmazonとマーケットを二分することだろう。大手の一方がEPUBを担いでいるのもいいバランスだと感じる。 象徴となるリーダー、Kobo touchも自宅に届いたらしい。個人的にはKindle系のサービスをiPadで使うつもりなので、このリーダーは「Gene Mapper」の動作確認が終わったら、私が書いた初めての物語を入れたまま実家の母親に贈るつもりだ。 しかし、や
Kindleが縦書きに対応する。なければKoboと喧嘩にすらならないと思っていたところだったのだが、KindleGen 2.5でコンバートしたEPUB3がKindle Previewer 2.5に新たに追加されたデバイスKindle touchで縦書き表示したことを確認できた。 下は「Gene Mapper」のプロローグを表示したところだ。 原寸のスクリーンショットだけど、ルビ、禁則そして指定したCSSの多くが機能している。またリンクその他……動いている。そして、美しい。 Koboで浮かれていたが、諦めかけていたKindleが日本語の縦書きに対応してきたことは本当に嬉しい。KDPに登録してあるGene Mapperも縦書きの方に置き換えておこう。
結構知られているTipsだけど、紹介したい。iBooksではEPUBでCSSにfont-familyを指定しただけではフォントが有効にならないので、iBooks専用の指定が必要になる。これは埋め込みフォントや固定レイアウトの中で紹介されている方法なので、文章が主体となるEPUBを前提としていると見つかりにくいかもしれない。 指定の方法は極めて簡単。META-INFの中に com.apple.ibooks.display-options.xml という名前のファイルを作り、以下のコードを書くだけだ。 specified-fonts はiBooksのパラメーターなので名前を変更してはならない。 <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <display_options> <platform name="*"> <option name="specified-
先日公開したRetinaサポートWebへの第一歩はMacお宝鑑定団Blogでも採り上げていただいたため、開設したばかりの Blog にはもったいないほどの閲覧数となった。感謝! 前回のエントリーでは<img>要素の画像を置き換える方法を説明した。投稿エントリーの画像を置き換えていくにはあの方法が適していると思うが、今回はバックグラウンド画像や Web サイトで何度も登場する固定画像を、スタイルシートを用いて変更する方法を説明する。 今日からこのブログのメニューは Retina 対応のテクスチャーを背景画像として登録している。Retina 対応でない環境で見るとただのグラデーションが表示されるが、 Retina ディスプレイで見ると細かなメッシュパターンがメニューの背景画像として現れる。しかし、こうやって並べると愕然とするね。 [retina normal=”http://blog.taiy
先日も紹介した Gumroad、衝撃的なデビューからしばらく経って口の端はにも上らなくなってきたけれど、この四ヶ月の間に着々と進化している。先日はこのブログでも画面内決済を可能にするウィジェット「Gumroad modal」を紹介したけれど、他にも重要な機能が追加されていて、Paypal の Digital Goods フローをそろそろ超えてくるのではないか、いや、後述する webhooks を使った WordPress 用のプラグインなんかが出てきたりすると単体ファイル販売のスタンダードすら狙えるのではないか、なんて思ってしまうほどのサービスになっている。機能が増えているのにサービスの設計はシンプルなままだ。センスがいいんだな。 注目したいのは「クレジットカード情報の保持」と「webhooks」対応だろう。 5月2日にアナウンスされたクレジットカード情報の保持は 、Web アプリケーショ
iPhone 4、iPad 3でスクリーンを改革したAppleが平然とデスクトップにも切り込んできた。 MacBook Pro Retina のことだが、一度触るともう戻りたくなくなるほど美しい(個人的には MacBook Air を買ってしまったんだけど)。そんな美しいスクリーンの価値を落とすのがWebサイトだ。画像の解像度を間違ってしまったかのような見栄えになってしまう。 まず、一番簡単なあたりから。WordPressを使っているなら、Retina for WPを使えばエントリーにアップロードするメディアに限っては簡単に Retina 対応できる。昨日アップロードしたエントリーで使っているが、 window.devicePixelRatio をJavascriptで判定して cookie を喰わせ、読み込む画像を判定している。 [retina normal=”http://blog.t
この秋、 iOS 6 と Mountain Lion が Facebook との連携機能を携えてやってくる。 [retina normal=”http://blog.taiyolab.com/wp-content/uploads/2012/06/photo-e1339660537109.jpg” retina=”http://blog.taiyolab.com/wp-content/uploads/2012/06/photo-e1339660537109.jpg” width=”650″ height=”auto”/] Facebook の基本/連絡先情報の公開範囲と「友達」を受け入れる基準が合致していない人は、iOS 6 の登場で痛い目を見ることになるだろう。iOS 6 で Facebook を有効にすると、連絡先アプリに、 Facebook のプロフィール写真と住所、登録している電話番
「売買はリンク共有ぐらい簡単になるべき(Sell like you share)」というキャッチフレーズで一時期話題になったGumroadに、サイト内決済用のウィジェット「Gumroad modal」が追加されていた。 ECを少しでも齧かじっているなら一つのページ遷移せんいがどれだけ売り上げを落とすことか身に染みて感じているはずだ。Google Analyticsのユーザーナビゲーションを解析すると、30%脱落、ユーザー情報入力で更に半分が脱落、配送先の入力で更に半分が脱落……と減っていき、カートに入れようと一度は決心したお客様の30%しか最後までたどり着けないなんてことは珍しくない。 数万円の商品なら、またはAmazonなどの他のチャネルでも販売しているならば、価格を比較して他で買っているかもしれないし、送料が高かったかな、なんて推測も可能なんだろうが、電子書籍やレポートのようなデジタル
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