浅野内匠頭の「松の廊下事件」の17年前 同じ江戸城内で大老・堀田正俊が若年寄の稲葉石見守に刺殺される事件が起きていた 当時、殿中で帯刀が許されていた「小さ刀」は礼装用の短い刀であり、人を殺めるには「斬る」のではなく「突く」のが鉄則 稲葉はこの鉄則通りに大老を一突きで仕留めたが、浅野は吉良に向かって刀を振りかざし、失敗している 江戸庶民はこの2つの事件を比べ、浅野の未熟な腕前を嘲笑する落首を詠んだ 初手はつき二度目はなどか切らざらん 石見がえぐる穴を見ながら 【意味】 稲葉石見守が一突きで相手の体に「穴(傷口)」を開けて仕留めた完璧な前例(お手本)があるというのに、なぜ浅野はそれを無視して斬りつけ、仕損じてしまったのか