今期の王将戦、藤井聡太王将(23歳)が永瀬拓矢九段(33歳)の挑戦を受けている中で、1勝3敗と追い込まれている。藤井王将は増田康宏八段(28歳)相手に1勝2敗となっている棋王戦を含めて“四冠陥落”の危機を迎えているが……トップ棋士の観点で、対局内容はどのように見えているのか。王将戦第4局の立会人を務め、順位戦A級8期の実績を持つ稲葉陽八段に話を聞いた。〈全2回〉 開幕局、永瀬が勝てたのが大きかった理由 ――藤井聡太王将に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯王将戦七番勝負の第4局の立会人を務められた稲葉陽八段に解説をお願いします。まず第3局までの感想を教えてください。 「開幕戦を永瀬九段が制したことが非常に大きかったと思います。まず開幕戦は振り駒で、永瀬九段が先手番を得ました。以前から永瀬九段は『開幕戦では後手番が欲しい』と話していましたよね」