忘れ物をしても取りに戻れない絶海の大陸 命の危険と隣り合わせの観測、地吹雪の中で過酷な力仕事をこなす設営、毎日が予定通りにいかない南極での仕事を支えるのは日々の生活です。観測隊のそれぞれの目的を達成するためには生活の基盤をつくることが大切です。 昭和基地への燃料や食材、観測や建築資材、部品などあらゆる物資の補給は年に一度、南極観測船「しらせ」で観測隊が到着する機会のみです。従って、この時までは限られた物資と装備で1年間、やりくりすることになります。忘れても取りに戻ることはできませんし、壊れても新たに調達はできないため、現場で工夫しながらなんとかするしかありません。 忘れ物といえば、私の場合は、第60次隊の観測に参加した際、大事な日用品の忘れ物をしてしまいました。あらかじめ出港前に「しらせ」に搭載していた衣類コンテナにも、成田空港からオーストラリア・パースへの飛行機移動の際、スーツケースで持