北海道大理学研究院の化学部門で複数の准教授が「教授会によって組織的に孤立させられている」と訴えている問題で、同部門がこれまで教授のみに限ると説明してきた大学院生の研究指導を准教授や講師にも容認したことが、北大関係者への取材で判明した。従来の説明に根拠がなかったことが分かり、理学研究院が是正を指示したという。 化学部門では、教授が退職や異動で不在となった研究室に残った准教授らは「旧スタッフ」などと呼ばれて区別され、研究を共にする学部生や大学院生が配属されない。 その根拠として、部門の教授会に当たる講座委員会は、2007年に作られた内部文書を基に「博士課程の学生の主任指導資格(研究指導する資格)が認められているのは教授のみ」と教員会議で説明していた。 しかし、北大関係者によると、10年に大学院の組織改編に伴い内規が新たに定められ、主任指導資格は教授以外に准教授と講師にも認められるようになった。