山形浩生『翻訳者の全技術』を読んだので感想。 ピケティ『21世紀の資本』はじめ、多数の著作を訳してきた翻訳者であり、開発援助系のコンサルでもある著者が、翻訳の技術や読書術、勉強法などなどについて語ったものをまとめたのが本書。 わたくし山形浩生のファンなので、ブログやウェブサイトはだいたい目を通していて(「新・山形月報」の更新待ってますよ!)、本書はその再放送的な感じも多いが、こうして書籍のかたちにまとまるとなんとなく新鮮で、おもしろく読めた。 橋本治論の構想のはなしとかは、下記の対談のあとそんなにも深く落胆していたのか、と改めて驚いたし、昨今再評価の兆しのある山野浩一については、その批評眼には一定の評価をしつつも、小説については高く評価しないと語っていて、なるほどなという感じであった。翻訳がらみでは、高く評価する同業者への賛辞も(ほかのところで語っているところでもあるけれど)直截でおもしろ