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トヨタが水素カーを推進する姿勢を欧米メディアは批判し続けてきたが、その姿勢に変化が見られはじめた。トヨタは2024年11月に「水素エンジン」と「電気モーター」を組み合わせたハイブリッド・バンの試作車を発表。世界的に電気自動車の販売が伸び悩むなか、いま、英紙はトヨタの水素戦略をどう評価して報じたのか。 あきらめないトヨタ 2014年、当時のトヨタ自動車の社長、豊田章男は「未来を見た」と言った。そして同社の主力水素自動車「ミライ(MIRAI)」の発売は、自動車業界の「転換点」となるだろうと述べた。 ところが世界最大の自動車メーカーであるトヨタが、続く10年間で販売した水素自動車は2万7500台にとどまり、同社はもう、かつてほどの自信はないようだ。「水素自動車に明るい未来が待ち受けているとは断言できません」とトヨタの副社長兼最高技術責任者(CTO)の中嶋裕樹は2024年11月、サーキット「富士ス
イーロン・マスクが欧州の極右を支援するなか… 米国に続き、EUでもグリーンディール政策が見直されそうな「政治的理由」 2019年から欧州議会議員を務める仏極右政党「国民連合」の第3代党首ジョルダン・バルデラ Photo: Thierry Monasse / Getty Images グリーンディールの転換を迫られるEU 2050年までにカーボン・ニュートラルの達成を掲げていたEUだが、政治的圧力の高まりによって計画が見直される可能性があると、英メディア「アンハード」などが報じている。 背景には、欧州各国の極右政党の台頭がある。特にフランスの極右政党「国民連合」の党首ジョルダン・バルデラは、EUの主要機関のひとつである欧州議会の右派勢力に対し「庶民を苦しめる環境保護政策の撤回」を求めるよう呼びかけている。 米メディア「ポリティコ」によれば、バルデラは欧州の保守派リーダーたちに、「ドナルド・ト
これまでのスタバ そもそも、スタバは長年、「サードプレイス」というコンセプトを掲げてきた。「サードプレイス」とは、社会学者レイ・オルデンバーグの提唱した概念であり、家庭や職場以外で地域の人々が集まり、つながる場を指す。公園、図書館、教会、そしてカフェなどが典型例だ。 スタバは、「サードプレイス環境の創出」を企業ミッションの重要な要素として掲げ、人々の生活に密着した身近なコミュニティスペースでありたいという路線を採ってきた。 「サードプレイス」を掲げたのは、ある事件がきっかけだった。フィラデルフィアの店舗でコーヒーを注文せずに知人を待っていた黒人男性2人が、退去を求められた末に逮捕された。 その様子を撮った動画が拡散されると、ブランドのイメージは大きく損なわれボイコット運動まで広がった。これを受けて、スターバックスは広くオープンな利用を認める方針に転換したのだった。 高級ブランド路線へ しか
トランプは力づくで「肉体と血」を奪いとる おいしい前菜をつまみながら、アビジット・バナジーは経済学者の「誤った分析や不必要な確信」を嘆く。 「経済学者はもっと謙虚になって、社会に貢献すべきです」 バナジーの最新作『チャーンク』(未邦訳)の書名の由来は、料理の仕上げにひと振りするスパイスを意味するヒンディー語だ。文化資本から贈り物まで、幅広いテーマを網羅したエッセイ集で、コルカタで過ごした幼少時代の思い出が随所に登場する。 この本を書いたのは、「読者に何か役に立つことを伝えたかったからだ」とバナジーは言う。 「難解さやとっつきにくさを省いて、経済学を日常生活に浸透させたいと思っています。そうなれば、より多くの人が経済政策などについて的確な判断ができるようになります」 昨今の経済政策で誰もが懸念するのが、米大統領に就任したドナルド・トランプの影響だろう。バナジーはトランプを、「きわめて巧みなス
彼女との関係は穏やかで心地いいけれど、少しマンネリ化しつつある。そこで筆者は、バレンタインの夜、彼女と刺激的なチャレンジをしてみるが──。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 変なことをしたい きっと少なからぬカップルが考えているように、僕らもバレンタインというのは商業的なイベントでしかないと思っていた。昨年のバレンタインの日も、豪華なディナーに出かけるといったよくあるロマンチックなことは、二人ともしたがらなかった。そんなことより何か変わったことがしたかったのだ。 どんなことをしようか少しずつ候補を挙げて「やりたいことリスト」を作り、そのうち実行できそうなことについて話し合った。最終的には、僕の提案のひとつに落ち着いた。二人ともあまり行ったことがないバーへ行き、お互
2025年1月、ホラー作家・雨穴のベストセラー『変な絵』の英語版が刊行された。英紙「デイリー・テレグラフ」は、雨穴が「英国でセンセーションを巻き起こそうとしている」として、独特のスタイルをもつこの作家の素性を明かすべくインタビューをおこなった。 変声機なしの地声でインタビュー 「匿名有名人の謎」とでも呼ぶべき事件だ。いま最も話題にのぼる日本人の一人、雨穴。YouTubeにオフビートなホラー系動画を投稿して有名になった彼は、いまや日本で最も売れているホラー小説作家だ。東京の街を少し歩けば、ポスターやタイアップ中のプリクラ機に描かれた雨穴の顔に遭遇する。にもかかわらず、その素顔は誰も知らない。 そう、雨穴の顔はいたるところにあるのだが、それは彼自身が作り上げたイメージだ。安っぽくも目を引く紙粘土の仮面。2018年に自身のYouTubeチャンネルを立ち上げて以来、彼はすべての動画に、この仮面をつ
アビジット・バナジー(63)は眼鏡越しに、いかにも教授らしい眼差しをこちらに向けて言う。 「料理はたくさんありますから、どんどん食べてください」 マサチューセッツ工科大学(MIT)で教鞭をとるこの経済学者は取材前日の夜、インド西ベンガル州の州都コルカタから空路で自宅のある首都デリーに飛んできたという。 彼はコルカタで、経済学をテーマにした子供向けの映画制作に携わっている。 ランチをともにしながら取材をする(レストランへの支払いは本紙編集部が持つ)というこの連載の趣旨を説明すると、バナジーは自宅で得意料理をふるまうと提案してくれた。 調理中の姿をぜひ見たかったが、彼の家に到着したときには、すでに料理がサイドボードに並べられていた。 トランプ支持者の男性が抱く不満 インド西部の商業都市ムンバイで生まれ、コルカタで育ったバナジーは現在、MITのあるボストンに住んでいる。開発経済学の第一人者である
米国がカナダとメキシコに課した25%関税が発動直前で延期された。トランプは両国首脳と協議して「ディール」を引き出したと喧伝するが、実はその合意の中身に目新しさはなく、カナダとメキシコが脅しに屈したわけではないことがわかる。 土壇場で回避された「貿易戦争」 ドナルド・トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%もの関税を課す大統領令に署名した事態を受けて、2月1日、カナダのジャスティン・トルドー首相は報復関税を打ち出すと明らかにした。 だが、そのことを表明した記者会見は、カナダ国民への説明ではなく、米国民への語りかけから始まった。 “This is a choice that, yes, will harm Canadians. But beyond that, it will have real consequences for you, the American people.
「フェイスブック」創業者のマーク・ザッカーバーグは、「メタ」社が米国でのファクトチェッカーの利用を廃止すると発表。彼らが偏った見方をすると非難し、もっと自由な発言が可能になるようにしたいと述べた。メタは世界中で第三者による事実確認をしてきた。そのうちの1人で、ロンドンを拠点とする団体「Full Fact」で働く人物が、ザッカーバーグの「がっかりな」主張に対して見解を示した。 私はこの1年、ロンドンのFull Factでファクトチェッカーをしていて、フェイスブック、X、そして新聞の疑わしい内容を調査しています。私たちの仕事がカバーするのは、中東やウクライナでの戦争についてのフェイク動画やAIが生成した政治家のフェイク・ビデオクリップなどです。しかし、だんだんと誤りを立証するのが難しくなってきています。同僚たちは新型コロナの偽情報やがん治療の作り話、また気候変動系の情報についても取り組んでいま
新たな火種 「プライベートクレジット市場は事故を待っている状態だ」。世界屈指の民間財団である英国ウェルカム財団の最高投資責任者(CIO)であるニック・モークスは警告する。米債券格付け機関KBRAも、急成長するプライベートクレジット市場でデフォルト(債務不履行)が増加する可能性があると英「フィナンシャル・タイムズ」紙が報じた。 プライベートクレジットとは、取引所で株式などが売買されていない非公開企業やプロジェクトへの直接融資を指す。銀行や金融機関が提供する通常の融資とは異なり、プライベートクレジットは主にヘッジファンドやプライベートエクイティが提供している。 総資産376億ポンド(約7兆5200億円)を誇るウェルカム財団のモークスは、貸出基準が緩和されたプライベートクレジット市場に巨額の資本が流入していると述べた。彼は、米国経済が最終的に景気後退に陥った場合、投資家が「非常に大きな損失」を被
金の相場が史上最高値を更新した。米国のドナルド・トランプ大統領が中国からの輸入品に10%の追加関税を発動すると、中国政府も直ちに報復関税を発表し、安全資産の需要が高まったためだ。 金塊の価格は2月4日、1オンス(31.1035グラム)2844.35ドル(約43万3000円)にまで上がり、前日に達した史上最高値を1%ほど上回った。 中国が報復措置を発表したあと、米ドルが弱まった。このドル安により、他の通貨を所有している投資家たちにとっては、金がなお魅力的になっている。
2024年11月に発表された、英語力を示す国際ランキングで、日本は116ヵ国中92位と過去最低順位を更新。しかも、若年層の英語力低下が深刻だという。日本人はなぜここまで「英語ができない」のか。その理由を探るため、仏紙記者が日本に暮らす外国人識者に話を聞く。 日本人は英語を「死語」にしようとしているのだろうか──。イー・エフ・エデュケーション・ファースト社による最新の英語能力指数(EF EPI)を見れば、そう考えざるをえない。 2024年、同指数の国際ランキングで日本は116ヵ国中92位。91位は中国、93位はミャンマーだった。地域別ランキングでも23ヵ国中16位と、アジア第2位の経済大国としては驚くべき低さだ。 さらに悪いことに、日本人の英語のレベルは年々落ちている。2014年、63ヵ国のみの統計ではあるが、日本は26位でフランスより3つ順位を前につけていた。それが10年経ったいまでは、フ
「トランプはまずグリーンランドを買いたいと言い、次にカナダを米国の州のひとつにすると言った。そして今度は、ガザ地区を所有しようとしている」と報じるのは米誌「タイム」だ。 トランプがまた突拍子のない発言をしたのは、2月4日、大統領に就任して以来初めてホワイトハウスを訪れた首脳である、イスラエルのネタニヤフ首相との会談の後だ。記者会見で、トランプは「米国はガザ地区を占領し、所有する」と言い放った。 いったい誰が許可しているのか およそ200万人のパレスチナ人が暮らすガザ地区は、イスラエルの攻撃によって甚大な被害を受けている。この戦争から逃れるために故郷を離れざるを得なかった難民を、トランプはエジプトやヨルダンが受け入れるべきだと繰り返し語ってきた。 そんななか、今度はガザから「パレスチナ人を立ち退かせ、米国が統治して再建すべきだとトランプは主張している」と米メディア「アクシオス」は報じる。そし
定時運行に欠かせない「乗客の協力」 世界のほかの大都市と同じように、切符を持っていないと入れない鉄道の改札。池袋駅でそれを観察していたとき、改札の前に来て初めて切符を探しはじめる人はいないと気づいた。みんなもっと前から準備しているので、改札口は水車のように回転し続け、人の流れは一瞬たりとも止まらない。 私がこのささやかな発見を東京メトロの社員に言ってみると、まさにその通り、地下鉄の規則正しい運行はメトロと乗客の密な協力の結果であるという答えを得た。 同じような現象は、朝8時の丸ノ内線の車内でも見られた、乗客の7割はいるかと思われるリュック使用者はみんな、リュックを前に抱えていた。そうすれば、歩いたり、立ち止まったり、方向を変えたりする際に、ほかの乗客に意図せずぶつかることはない。 電車が駅に停まったときにドアが来る位置は、ホームの床に正確にマークされている。その前には黄色の枠。そこに沿って
米国のトランプ大統領が、連邦政府による多様性、公平性、包摂性(DEI)プログラムを終了する大統領令に署名したのは、1月20日のことだ。その後、1月29日にレーガン・ナショナル空港で航空事故が起きた際には、その一因に「DEIの推進」があると発言し、批判を浴びている。 DEIに対する取り組みをやめつつあるのは、政府に限った話ではない。アマゾンやメタ、マクドナルド、ターゲットなどの米大手企業は、DEIを推進するプログラムを2024年から中止してきた。一方で、コストコやアップルなどは、引き続きDEIの推進に取り組むとしている。 DEIが重視されはじめたのはいつ? 2020年にジョージ・フロイド殺害事件が起きたことをきっかけに、企業による「DEIイニシアチブの新たな波が巻き起こった」と英紙「フィナンシャル・タイムズ」は報じる。誰を雇用し、誰を昇進させるかを、従来よりも慎重に考えるようになったのだ。
中国の高齢者の間でHIV感染が拡大し、社会問題になりつつある。なぜここまで感染者が急増しているのか──中国に詳しい作家の譚璐美氏が解説する。 感染経路は無防備な性行為 中国で高齢男性のHIV感染が急増している。 中国の「国家エイズ/性病予防管理センター」によると、2024年6月30日現在、同国のHIV感染者数は約133万人で、死者数は累計で約47万人である。 また、2023年に報告された新規HIV感染者11万人のうち、60歳以上の高齢者が2万2000人以上にのぼり、約20%を占めている。性別では、男性が圧倒的多数を占め、感染経路は異性間によるものが90%を超えた。 米国の政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によれば、中国におけるエイズ流行の特徴は、若者と高齢者の患者数が他の年代に比べて多く、「M」字型であることだ。とりわけ60歳以上の高齢者のHIV感染の割合は年々増加傾向にあり
2024年の米大統領選で、イーロン・マスクがドナルド・トランプに巨額の献金をしたのは周知のとおりだが、いったい総額はいくらだったのか? その最終集計が出た。 米紙「ワシントン・ポスト」によると、その額は2億8800万ドル。つまり、日本円にして450億円を、マスクはトランプに貢いだのだ。 もちろん、見返りもすごかった。トランプは連邦政府の支出削減を目的とする新設の「政府効率化省(DOGE)」のトップに、マスクを任命。同省の役割は曖昧に定義されているため、マスクがテスラやスペースXといった自身の企業に直接関わる政策に影響力を及ぼす可能性が、トランプの大統領就任前から心配されていた。
過去100年間で男性の身長と体重の増加率が、女性の2倍以上であることが英国の新たな研究で明らかになった。 数十ヵ国の記録を分析したところ、人間開発指数(HDI:各国の社会の豊かさや進歩の度合いを測る指標。平均寿命、教育水準、国民所得などの数値を用いて算出される)が0.2ポイント上昇するごとに、男性の身長は平均4cm増加し、体重は6.5kg増加したのに対し、女性の身長は1.7cm、体重は2.7kg増加にとどまったという。 これは生活環境が改善されると身長と体重の両方が増加すること、そして、同じ環境下でも男性の身長と体重のほうが女性の2倍以上の速度で増加してきたことを示唆している。 研究員らは、自国(英国)の身長記録も詳しく調査しており、それによれば、1900〜2022年の間に男性の平均身長は170cmから177cmへと4%増加したのに対し、女性の平均身長は159cmから162cmへの1.9%
日本人でも驚くサイズの狭小住宅を米紙「ニューヨーク・タイムズ」が何軒も訪れてみた。狭い空間を最大限に生かす「日本人ならではの工夫とアイデアが詰め込まれている」と脱帽している。 まるで現代アートか小さな要塞 迷路のように入り組んだ東京の裏通りに、周囲の住宅とは似ても似つかない奇妙な形状の建物が建っている。垂直に配された板張りの外壁、堂々たる長方形のフォルム、ほぼ窓のない外観は、まるで現代アートか小さな要塞のようだ。その姿にふさわしく「The Keep(砦)」と名付けられたこの建物、実は住居として設計されている。 スライディング式の玄関ドアを開けると、そこには質素でミニマルな空間が広がる。家具はなく、3つの窓と天窓があるのみ。上下階は半透明の格子で仕切られ、IHコンロ、シャワー、エアコンといった現代的な設備が揃う。梯子を上った先には、寝室スペースとして使えるロフトがある。 この風変わりな住宅を
【今回のお悩み】 「仕事が忙しいだけでなく、将来への不安からサイドビジネスをしたり、勉強したりしていてキャパシティを超えそうです。だからといって家族や友人との時間を削ることもできないので、さらにストレスが溜まります」 やることが多すぎでストレスが溜まる。だからといって、何かの時間を削るのが難しいときは、どうしたらいいのでしょうか。忙しい現代人のお悩みを哲学者の岸見一郎先生が解決します。 生きていくためには働かないわけにはいきませんが、友人や家族、またパートナーとの時間を大切にすることも同じくらい重要です。アドラーは、仕事上の対人関係、交友関係、愛の関係(パートナーだけでなく親子関係も含む)を「人生の課題」と呼び、それらを避けることはできないと述べています。また、これらの課題のどれか一つだけにエネルギーや時間を注ぐことは望ましくないともいっています。 たとえば、人生の課題のうち、「愛の課題」
ディープシークCEO、数学オタクから世界的破壊者に 彼を中国のサム・アルトマンと呼ぶ人もいる。クオンツ運用の先駆者ジム・シモンズ氏に例える人もいる。 梁文鋒氏はこの2人の革新者と多くの共通点があり、その影響力はいずれ2人に並ぶかもしれない。 梁氏率いる中国のディープシークが開発した人工知能(AI)モデルは世界を驚かせ、性能と人気の両方で世界のトップ10に躍り出た。同社は米国で入手できるものより低性能のチップでこれを実現し、シリコンバレーのテック企業幹部やワシントンの政治家、世界の投資家に衝撃を与えた。 シモンズ氏と同様、梁氏も投資の虫に取りつかれた数学オタクだ。膨大な市場データをコンピューターで分析することで、隠れたパターンを発見でき、利益への道が開けることに気づいた。
孫氏とアルトマン氏、AIの新パワーカップルに ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、東京近郊に新築した、ローマ皇帝の石像が並び、18ホールのゴルフコースに囲まれた豪邸で過ごしながら、もんもんとしていた。人工知能(AI)革命が目前に迫っていると何年も前に明言しながら、そのチャンスをつかみ損ねていた。 「(自分は)まだ何もしていない」。昨年SBGの投資家向けに行った講演によると、孫氏はこう考えていた。「このまま年老いて死んでいいのか」 結局、孫氏に必要なのは新たなゴールデンボーイだった。そしてカリスマ的なスタートアップ企業創業者に飛びついてきた彼は、サム・アルトマン氏にその素質を見いだした。 スタートアップ企業への過去最大の投資となる見通しの取引で、孫氏はアルトマン氏率いる米オープンAIに最大430億ドル(約6兆7000億円)をつぎ込む準備をしている。 ウォール・ストリート・ジャ
急拡大する「ビジネス」 当初は、家族や知人を通じて少女や若い女性たちが観光客に紹介されていたが、現在では仲介業者がその役割を担っている。 ジャカルタのシャリフ・ヒダヤトゥラー・イスラム宗教国立大学でイスラム家族法を教えるヤヤン・ソピャン教授は、この慣行が普及しているインドネシアの多くの町には、他に経済的な見通しがないと指摘する。パンデミックによって、状況はさらに悪化した。 「現在、この慣行は拡大の一途を辿っています」とソピャン教授は指摘する。「観光が経済的なニーズに応えているのです」 インドネシアで小規模事業を経営するブディ・プリアナは、20代の頃にサウジアラビアで料理人として働いた経験があり、そこでアラビア語を習得した。彼が契約結婚について初めて耳にしたのは、30年前、中東からの観光客を案内していた際に、「一時的な妻」を探してほしいと頼まれたときのことだった。 その後、彼は観光客と契約結
欧米のニュースを観ていると、日本との違いに気づく。 欧米では女性がメインキャスターとしてスタジオを仕切っている番組が珍しくないのに対し、日本にはほとんどない。それよりも、年配の男性アナウンサーの横で若い女性アナウンサーがアシスタント役に徹している構図が目立つ。 女性アナウンサーはバラエティ番組にもよく出演し、ここでも司会の男性タレントを盛り立てる役回りだ。 そして彼女たちは「女子アナ」と呼ばれ、その言外には「こうあるべき」という響きが込められている気がする。なぜこの国には「女子アナ文化」みたいなものがあるのだろう? 1980年代からニュースキャスターとして活躍してきた安藤優子さんに聞いた。 テレビ画面のなかの「主」と「従」の関係 ──そもそもなぜ「女子アナ」という言葉があるのでしょう? まず、私自身はアナウンサーとしてテレビ局に就職したことがなく、ずっとフリーとしてやってきたので、局のアナ
ジャパニーズ・ウイスキーに対する関心の高まりと共に、米国で最近注目されはじめているのが「麹ウイスキー」だ。しかし、これは130年も前に一人の日本人化学者が提案したものだという。ようやく日の目を見ることになった麹ウイスキーとは、どんなものなのか。そして、知られざる考案者の高峰譲吉の功績を米「ニューヨーク・タイムズ」紙が紹介する。 1891年2月のある日の午後、高峰譲吉という名の日本人化学者が汽車でイリノイ州ピオリアに到着した。彼は、米国で当代随一の規模を誇った蒸留酒製造最大手の「蒸留飼料カンパニー」に招かれ、ウイスキー作りに革命的な方法をもたらそうとしていた。それは、麹菌(ニホンコウジカビ)と呼ばれる微生物の一種をもちいて、発酵させるというものだった。 西洋の蒸留業界では、大麦を発芽させて麦芽(モルト)にするモルティングをおこなうが、高峰が持ち込んだ手法は10%以上の増産が可能で、蒸留業者と
進む「バンド離れ」 近年、世界のヒットチャートを席巻しているのはエド・シーランやテイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュなど、もっぱらソロアーティストだ。K-POPアイドルという例外を除き、バンドやユニットなど複数人のグループがヒットを飛ばすことは、以前よりはるかに少なくなった。 たとえば、オーストラリアで毎年おこなわれている、その年のお気に入りの楽曲を人々が投票する「Hottest 100」では、ここ15年でバンドの楽曲が1位に輝いたのは5回しかない。それ以前の15年間では、13回もバンドが1位になっているにもかかわらずだ。 バンド「マルーン5」のボーカル、アダム・レヴィーンは2023年、アップルミュージックの番組でこう語っている。 「2002年にマルーン5のデビューアルバムが出たときは、まだ他にも(ポップシーンで脚光を浴びている)バンドがいた。いまはもういない気がする……絶滅危惧種の
インドネシアの人気リゾート地コタ・ブンガにある「リトル・ベニス」。契約結婚を求める人々にとって、コタ・ブンガは人気の観光地だ Photo: Cuadtkj / Wikimedia Commons
中国発のAIチャットボット「ディープシーク」が世界で大きな注目を集める一方、フランスでは、政府からの支援を受け開発されたチャットボット「ルーシー」が「とんでも回答」を連発し、サービス開始からたった二日で停止に追い込まれた。 1月25日、「フランス版ChatGPT」と銘打たれたチャットボット「Lucie(ルーシー)」がサービスを停止。リリースからわずか2日後、ネットユーザーから大量の批判と嘲笑を浴びてのことだった。 「フランス発のAIチャットボット『ルーシー』は『非常にシック』だが、残念なことに回答は間違いだらけだった」と、英紙「タイムズ」は総括する。 「愛国心に溢れた野心とともに発表されたルーシーは、『ヨーロッパの価値観』と『文化的多様性』を体現しながら、英語の支配に対抗することで、OpenAIの『ChatGPT』、Googleの『Gemini』のライバルになると紹介された」。しかし、「す
1月9日からネットフリックスで配信がスタートしたドラマ『阿修羅のごとく』(全7話)。向田邦子の脚本による名作を是枝裕和監督がリメイクした本作を、英紙ガーディアンのコラムニストが「ここ数年で最高のネットフリックスドラマ」と絶賛している。 舞台は1979年の東京。宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すず演じる四姉妹が、國村隼演じる年老いた父の不倫を知るところから、物語は始まる。 同紙のコラムニスト、レベッカ・ニコルソンは本作の細部の美しさを褒め称え、次のように書く。「日本語話者でない私のような人間にとって、字幕を読んでいるときに見逃したかもしれない繊細な瞬間を捉えるために、もう一度見たいと思うほどだ」
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