サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
新内閣発足
kinema.hateblo.jp
批評家の金子遊です。はじめに、この度亡くなられた故人・水井真希氏につきまして、心からお悔やみを申し上げます。 現在、水井氏個人のツイッター・アカウントに「K」の性犯罪やストーカー行為について書いた投稿が掲載されています。彼女は名指しを避けましたが、この「K」は当方を指しているのではないかと思います。ですが、当方は氏の主張するような違法行為は一切しておりません。不徳のいたすところにより、生前の水井氏から恨みを買う行動(不貞行為、彼女がリストカットをした過去について取材してしまい、彼女の心を傷つけたこと)があったことは事実です。それは道義的に過ちだったと考え猛省しています。11年前は、人としての正しさや思いやりが欠けていました。今後は同様のことを起こさぬよう全身全霊で自己を改善します。 <経緯> 2012(平成24)年に、当方が水井氏にしたと彼女が主張する「性犯罪」や「ストーカー行為」は、事実
西川アサキの『魂と体、脳 計算機とドゥルーズで考える心身問題』を読んだ。日経新聞の書評で、竹内薫氏が「著者を「デカルトの再来」と形容したら褒めすぎだろうか。しかし、それくらい衝撃的だ」と激賞している。また、古谷利裕氏の「偽日記@はてな」でも、散々取り上げられており、世評が高まっている様子だ。彼は古くからの友人なので嬉しい。個人的には浅田彰の『構造と力』、東浩紀の『存在論的、郵便的』に匹敵するくらいの衝撃作ではないかと思っている。 最後まで通読してみた感じでは、平明に書かれていてドキドキする哲学本という印象だ。たしかに本書を一瞥すると、人工知能のなかに「私」を発生させるため、筆者が理化学研究所での研究で使ってきた理系的シミュレーションの図表が頻出しており、文系の私などは恐れおののいてしまう。しかし「講談社選書メチエ」という枠のおかげもあるのか、文章中に数式などは一切なく、通常の哲学本としてス
Grizzly Man [DVD] [Import] Timothy TreadwellAmazon 「Grizzly Man」(2005) キャスト:ティモシー・トレッドウェル、ヴェルナー・ヘルツォーク 監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク 全米公開:2005年8月12日/日本公開予定:2006年 上映時間:103分 グリズリー(灰色グマ)研究家のティモシー・トレッドウェルは、14年にわたってアラスカの奥地で、夏の間、野生のクマを観察し続けた。 決して武器を持たず、クマや野生動物と心を通わせる様子を自作のドキュメンタリー映像や写真集に収め、彼らを捕獲する人間に向けて野生動物保護を訴える。 危険を承知でクマに近づく彼に共感と反対の世論が降りかかる中、ついに悲劇の日がやってくる…。 一筋縄ではいかないラストは、さすがはヘルツォークと唸らされる。傑作の呼び声が高いなかで、あまりの残忍さにアカデ
Kyrgyzstan 作者:Antipina, Claudia,Musakeev, TemirbekSkiraAmazon 28歳のアイヌル・タイロヴァ(Ainur Tairova)さんは、デートしていた男性によって誘拐された。 「私は怒りました。また、裏切られたとも感じました」 しかし、最終的にはその男性と結婚し、自分の運命を受け入れたのである。 (写真はアイヌルさん) ※ ピーター・ロム監督によるドキュメンタリー「Kyrgyzstan – The Kidnapped Bride」の一部はこちらで見られる(18分ほど) http://www.pbs.org/frontlineworld/stories/kyrgyzstan/thestory.html 誘拐されてきた女性が泣き叫び、男性側の一族の女たちに無理やりショールをかぶせられ、結婚を受け入れるように説き伏せられ、最後に解放される場面
ドイツで起きたアンネリーゼ・ミシェルをめぐる死亡事件をベースにした作品。 舞台はアメリカに置き換えられている。 てんかんの発作を悪魔憑きと信じた女性が悪魔払いの儀式のために病気の治療を中止し、結果23歳という若さで死亡。悪魔払いを執り行った神父は過失致死罪を問われ裁判にかけられる。 この映画はオカルトというより、この裁判の経緯を描くことを主としており、悪魔憑きやエクソシズム(悪魔祓い)が司法によって、どのように裁かれ、評価されたかが注目された。 バイエルンの悪魔 てんかんを病んでいた23歳の娘を悪魔にとりつかれたとして、悪魔祓いの儀式にかけ、とうとう飢え死にさせた…。 カトリックの神父2人とその両親に対する過失致死罪の裁判が、1978年3月30日、西独南部のアシャッフェンブルク(人口約6万9千人、バイエルン州)で始まった。 映画でも有名になった「エクソシスト」(悪魔祓い)がまだ現実に生きて
ヒトラーの贋札 [DVD] カール・マルコヴィクスAmazon 史上最大級のニセ札事件「ベルンハルト作戦」 紙幣贋造を強いられた、ユダヤ系の技術者たち 自分の命を守るのか、家族や仲間を守るのか 歴史的事件のうらにかくされたストーリー(映画『ヒトラーの贋札』は1月19日より全国公開) (右は当時の写真、後列左が著者のアドルフ・ブルガー) 贋札1兆円 1959年。ハンブルクの雑誌「シュテルン」が、かつてのナチの親衛隊員から、とある情報を聞きだした。それがきっかけで、この話は公に明るみに出たという。 戦時中、ナチスがオーストリアのトプリッツ湖に9つの木箱を沈めたという。その湖に潜ったダイバーは、贋札や印刷原版、工具、機密文書が入った箱を発見した。 大量のイギリス・ポンド紙幣は、1億3460万ポンドに相当した。当時の価値で295億円、現在の価値だと1兆円以上にあたるものだ。 一緒にみつかった資料か
グリズリー・マン サウンドトラック アーティスト:リチャード・トンプソンPヴァインAmazon アラスカで ティモシーは賛否両論の分かれる環境保護活動家であったが、クマの愛好家としては一流であったといっていい。 彼が残した13回の夏をアラスカの国立公園で過ごしたドキュメンタリー映像は、ほとんど奇跡としかいいようのない、美しい場面をいくつも保存している。 映画『Grizzly Man』のなかで、監督のヘルツォークは語る。 「映像作家としては素人でしかないティモシーが、偶然とらえた映像が、ときどきプロの映画人がどんなに望んでも作為的には得られない、奇跡のように素晴らしい瞬間があるのだ」と。 こんな場面がある。 ティモシーがキャンプをするテントに、キタキツネが出没する。 彼はキタキツネを撫で、「なんてかわいんだ、愛しているよ」といいながら、思わず泣いてしまう。 しかし、その後でいたずらなキタキツ
Waco: The Rules of Engagement [DVD] [Import] New YorkerAmazon 2時間のドキュメンタリー映画『Waco - The Rules of Engagement』 (1997)は、タイトルを直訳するとすれば『ウェイコ −その交戦の規則−』となるであろうか。 本作は2006年6月現在では、輸入DVDとしてのみ入手可能で、字幕はなく、英語の音声のみとなっている。このような傑作が日本で未公開のまま、誰にも知られずに忘れ去られてしまうのは非常に惜しい。 この映画は、1993年にテキサス州のウェイコで起きた、キリスト教系カルト教団、ブランチ・ダビディアンによる51日間のたてこもりと、集団自殺を扱った記録映画だ。 後に行われた公判を縦軸として、当時の事件を振り返りながら、その事実関係を検証しなおしていくというスタイルをとっている。基本路線としては、
すでに公開終了したインスタレーション2作品の映像 「戦後のラブレター(イフガオの棚田から新潟の棚田へ、愛をこめて)」2009年 「下条プロジェクト」2012年 www.youtube.com Installation work of Kidlat Tahimik in Echigo-tsumari trienale "Postwar Love Letter (From Ifugao Rice Terraces to Niigata Rice Terraces, With Love)" 2009 "Shimojo Project" 2012 出版社のウェブマガジンにて、連載「東北考」の第6回が掲載されました。「『東北タイの子』の民俗」というタイトルです。 ウィチット・クナーウットが脚本・監督を手掛けた映画版『東北タイの子』と、カムプーン・ブンタヴィーによる原作小説を往還しながら、東北タイ(イ
映画「御巣鷹山」 ストーリー 中曽根首相の私設秘書が山で遭難。娘と共に凍死体として発見された。そこで秘書の日誌が発見された。意外なことが書かれていた…。 1985年師走、中曽根首相は群馬県内の某寺に赴き、退職者警官らと共に奉納試合に参加した。午後、寺に首相の後援会の者と名乗る男が、児童を引き連れ面会を求めてきた。 渡辺というその男は、境内にて多数の有段者の座る前で首相に意外なことを言った。 「私の孫娘は先日の日航機墜落事故で亡くなりました。遺体の確認も難しく…」 首相は渡辺の言葉の裏に、ある含みが隠されていることを知り、次のように語り始めた。 「渡辺さん、日航の遺族夫婦がつい先日、幼い娘を亡くしたとのことで血迷った行動に出ました。 それの夫婦が申すに日航機は撃墜された。それも自衛隊機によって、で、当時の日航機を誘導し た元パイロットへ凶行。そしてその夫婦はセスナ機上から飛び降り自殺…」 首
es[エス] [DVD] モーリッツ・ブライプトロイAmazon 映画『es(エス)』は本当にあった話である 1971年8月14日から1971年8月20日までアメリカのスタンフォード大学心理学部で、奇妙な実験が行われた。 刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験である。 新聞広告などで集めた普通の大学生などの被験者21人…。11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けた。 しかし、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになった。 その後、あるできごとのために実験は1週間で中止される。 心理学の研究史の中で「スタンフォード監獄実験」と呼ばれるものである。 ボランティアに集まった人々 善良な人々を有害な場所に入れた時、いったい何が起こるのか? この疑
殺人の追憶 [DVD] ソン・ガンホAmazon 悪魔め! この世に存在するすべての呪いをきさまに浴びせても私の心は晴れない。 常にしこりが残る。いくら呪ってもこの怒りは静まらない。 きさまを罵りながら呪ってもふと被害者の顔を思い浮かんだときは、頼むから殺人をやめてくれと、つぶやくときもある。 しかし、きさまは殺人をやめない。きさまはむしろ、より残酷になった。 ああ、この怒り! この怒りがおさまらない。 きさまは私が捕らえる。必ず捕らえてみせる。 〜「殺人犯へ送る手紙」河昇均(ハ・スンギョン)(華城事件の現場捜査チーム長)〜 1人目、2人目の犠牲者 韓国の首都、ソウルから南に約50キロ、電車で一時間。京畿(キョンギ)道・華城(ファソン)市の田舎町でそれらの事件は起こった。 稲刈りの終わった牧歌的な田園風景のなかで。 今まで(2004年現在)華城連続殺人事件に投入された人員は、約34万人の捜
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『シネマの舞台裏2 金子 遊』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く