サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ドラクエ3
laborify.net
こんにちは。高橋 和音 (Kazune Takahashi) と申します。現在は、東京大学大学院 数理科学研究科で特任研究員をしております。この記事では、変分法の概説を試みます。変分法は、微分方程式を考察する代表的な手法です。自己紹介がわりに、どうして変分法を専門にしたのかまず話したいと思います。 私は、大学の数学を勉強し始めてから、積分の世界の素晴らしさに魅了されました。 高校までですと、積分は原始関数を介して求めます。ところが、大学以降に勉強する高度な手法を使うと、例えば原始関数が書けない関数の定積分の正確な値が求まるケースがあります。また、正確な値を求めることができずとも、ある値よりも小さい or 大きいことが分かることが重要である場面も増えてきます。そういう一連の手法が好きになりました。 以下で「汎関数」が出てきますが、変分法で使う汎関数は、関数の積分で書かれます。変分法は、積分を
こんにちは。北海道大学大学院、文学院所属の酒井駿太郎です。 私はいわゆるオタク文化を研究しており、その中でも特に、投稿サイトなどを使ってインターネット上で発表される小説、「ウェブ小説」を研究対象としています。 ウェブ小説はまだ生まれたばかりの、興味深い研究対象です。 全文が無料で公開されていながら、人気を博して商業出版までされる作品も多い一方、よく見てみると、いわゆる「二次創作」――あるオリジナル作品のキャラクターなどを借りて行う、非公式な創作行為でありファン活動――に似ているところが沢山あります。 オリジナル作品として流通していながら、二次創作という「非公式」な文化――肩肘張らず好きなように遊ぶ文化の血を、色濃く受け継いでいる。 それは同時に、「非公式」の楽しみだけでなく、その裏面として抱える問題を、ウェブ小説が受け継いでいるということでもあります。 詳しくは後述しますが、それは一言でい
初めまして、大阪大学経済学研究科 博士後期課程2年の浅川慎介です。研究分野は労働経済学・教育の経済学・計量経済学で、主に国や大学で収集したデータを使って児童手当の政策効果の検証を行っています。 皆さんの中にはタイトルを見て、 経済学なのに少子化? そう思った人もいることでしょう。 恐らく、多くの人が「経済学」と聞くと、株価などのお金の話や、物の売り買いの話、最近ではTPPなどの国際貿易の話などを思い浮かべると思います。 どれも正解です。ですが、これらのトピックには実は共通点があります。 それは、会社のために、欲しいものを買うために、そして家族を養うために「働いている人がいる」ということです。 働くためには、その前にきちんと学校で勉強しなければなりません。学校で勉強するためには、そもそも親から生まれて来なければいけません。 つまり、子どもを産むこと・勉強すること・働くことはそれぞれ密接に繋が
はじめまして.東北大学大学院情報科学研究科 橋本研究室に所属している,博士後期課程1年の千葉直也と申します. 我々の研究室ではロボットのための視覚(ビジョン) であるロボットビジョンを中心として幅広い研究を進めており,私は特に産業ロボットのためのビジョンに関わる研究を行っています. はじめに 「ロボット」と聞くと,100万馬力の少年ロボットや青いネコ型ロボット,エヌ氏の購入したきまぐれなロボットなどを想像する方が多いのではないでしょうか. これらのロボットはヒューマノイドロボットと呼ばれるロボットに分類され,人間と同じ空間で働くことを想定しています.実在するヒューマノイド ロボットでは,ソフトバンクのPepperやホンダのASIMO,Boston DynamicsのAtlas,早稲田大学のWABOTなどがあります. 私たちの 身近な環境は人間が使いやすいことを目指して設計されているため,こ
ファン・デル・ヴェルデンの定理 問題(A)の答えは 十分大きいゲームボードを使い3人でAPGを行うと,引き分けは起こらない ということがファン・デル・ヴェルデンの定理という定理を使うと保証されます.ファン・デル・ヴェルデンの定理とはファン・デル・ヴェルデンが1927年に証明した定理です.どのような定理かAPGの言葉を使って説明しましょう. まず,\(~r~\) 人で\(~k~\) 個等間隔に並べれば勝利するAPGを次の帯で行います.帯の場合も平面と同じで,ゲームは成立します.自分のターンが回ってきたら1人1つ駒を置き,等間隔に\(~k~\)個並べれば勝ちです. このとき,帯の長さ \(~n~\) を十分大きくすると,必ず誰かしらは勝利する.という定理です.つまり,人数と勝利条件に応じて十分長い帯でAPGを行うと,必ず誰かしらの駒は等間隔に\(~k~\)個並ぶという定理です.これは「帯」とい
東北大学大学院 生命科学研究科 博士後期課程2年の佐藤大気と申します。進化生物学の研究室に所属しており、精神疾患や個性の進化遺伝基盤を研究しています。 突然ですが、皆さんのまわりには「落ち込みやすい人」はいませんか? 同じように先生や上司に叱られたとして、深刻に落ち込んでしまい、時にはふさぎ込んでしまう人がいる一方で、次頑張ればいいや、とポジティブに考えられる人もいます。こうしたいわゆる「性格」や「個性」の違いはどこから生まれてくるのでしょうか? この記事では、これまでに私が行ってきた研究を踏まえて、こうした個性や、あるいは精神疾患の進化的背景について考えたいと思います。 はじめに あらゆる心の働きは遺伝の影響を受ける 皆さんの個性はどのような言葉で表されるでしょうか。 内向的、好奇心が強い、不安を感じやすい、楽観的、勇敢、共感能力が高い、向こう見ず、保守的、自尊心が高い…。性格を表す言葉
神戸大学の大学院で政治学の勉強をしていました、佐々木一徳(かずのり)です。細かな研究分野は「批判的安全保障論(CSS, Critical Security Studies)」という分野です。初めて聞く分野だと思いますが…
京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻 修士2回生の五十嵐雄です.大学では,プログラミング言語理論,その中でも特に型システムの研究をしています. この記事では,私が特に力を入れて研究している漸進的型付けという種類の型システムについて紹介します.プログラムや型システムといった基本的な概念から解説していくので,プログラミング経験のない人も安心して読み始めてもらえたらと思います. はじめに プログラムとはコンピュータへの命令を記述したものです.2018年現在,私たちの生活は数多くのプログラムに支えられています. あなたがこの記事を Windows が入ったパソコンで見ているなら,まずその Windows がプログラムです.お家にテレビや冷蔵庫があれば,それらの中にもプログラムが内蔵されているでしょう.空いた時間にスマートフォンでゲームをするなら,遊んでいるゲームも全てプログラムです.
はじめまして、京都大学大学院の文学研究科で哲学を研究している大島祐輝と申します。 京都大学には哲学系でも様々な研究室がありますが、私が属しているのは哲学研究室です。私個人としては現代のいわゆる分析哲学を研究しています。 哲学に興味を持ったきっかけはいろいろあるのですが、思い出す限りで一番強いものは京極夏彦という作家の小説で「唯心論」、世界に存在するのは私の心だけで他の人やものは全てまぼろしであるという考え方を知ったことでしょうか。 以下で紹介する「存在論」という研究テーマもそうしたきっかけからたどり着いたものと言えるかもしれません。 イントロダクション 「科学」と「常識」の関係 簡単に言って、私が哲学を研究する上での関心は「科学」と「常識」の間の関係にあります。 例えば脳を神経細胞の集まりとして捉え、思考活動をそれら脳神経の相互作用の集積だと捉える認知科学と、私たちが普段「心」や「意識」と
京都大学大学院文学研究科の博士課程3年の上田竜平と申します。研究分野は認知心理学で、ヒトの恋愛関係の構築と維持の脳研究を行なっています。 皆さんの中には現在、誰かとお付きあいしている方もいると思います。本記事のテーマを一言で申しますと「我々はどのようにして、そうした特定の異性との関係を維持しているか」になります。 文学作品や哲学書を読み解いて考察する文学者や哲学者から、世界中を駆け回って実地調査する人類学者まで、様々な分野の研究者がこの問題に挑戦しています。私はこの問題に対し、様々な分野の研究から提案された仮説を実証する実験心理学のアプローチを取っています。 ヒトは一途?浮気っぽい? 多くの読者の方は日本で生まれた方だと思います。周りには当然ながら「一夫一妻的な」関係を築いているご夫婦、カップルの方が多いでしょう。 では外国ではどうでしょうか。実は文化人類学の研究から、現代の大半の社会で一
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Laborify - 研究紹介メディア : ラボリファイ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く