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ドラクエ3
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小田切 博 国内ではすっかり浸透したマンガの展覧会ですが、国外での状況はどのようになっているのでしょうか。本稿では、アメリカンコミックスを中心に研究する小田切博氏が、欧米におけるマンガ展示の調査で明らかになった概況をふまえながら、これまでの変遷、「マンガ」と「展示」、「ミュージアム」の関係という一見新しい状況について論じます。アメリカ、フランスにおける、マンガ展示に関連した五つの施設の情報も併せて紹介。 2024年5月から6月にかけて、フランス・アルザスのヨーロッパ・マンガ・アニメ・ミュージアムで開催された「かわぐちかいじ展」の様子 欧米における「マンガ/コミックス」の文化的地位 フランス、パリにあるヨーロッパ最大の複合文化施設の一つ、ジョルジュ・ポンピドゥー国立文化芸術センター(Centre national d’art et de culture Georges-Pompidou)にお
宮本 裕子 独創的な映像表現で、国内外で高く評価されていたにもかかわらず、2010年に46歳の若さで亡くなったアニメーション監督・今敏。2023年夏、初めて監督を務めた映画作品『PERFECT BLUE』(1998年)の4Kリマスター版が劇場で公開されるなど、今なお観客を魅了しつづけています。そんな同氏によるアニメーションは、しばしば海外での映像研究の対象にも。本稿ではなかでも『千年女優』(2002年)を、先行研究を引きながら、歴史的なメディアとなりつつあることで、研究が盛り上がりを見せている「ビデオ」をキーワードに読み解きます。 『千年女優』より © 2001 千年女優製作委員会 ビデオで映画を見る男 今敏の2作目の長編アニメーション映画『千年女優』(2002年)は、往年の映画女優、藤原千代子が出演する映画のワンシーンから始まる。しかしすぐ後にわかることだが、その場面は千代子のファンで映
トップ > 記事 > 「AIに難易度を調整される仕様」について、ゲーム研究者・松永伸司氏とゲームAI開発者・水野勇太氏が議論する[前編] 葛西 祝 ビデオゲームは、開発サイドは「こんなふうに遊んでほしい」と方向性を定めてつくるもの。対してプレイヤーは、与えられたゲームに対してどういうふうに攻略するか手練手管尽くすものといえます。ですが、プレイヤー側のゲームプレイも、もし開発側が想定している内容へ近づくような仕組みが入っていたらどう感じるのでしょうか。現在、「メタAI」と呼ばれる技術によりそのようなことが実現可能になりつつあります。それらはもちろんプレイヤーを楽しませるためですが、プレイヤー側からすれば、自分の意思で遊んでいると思ったものが違っていたとしたらどう思うのでしょうか。その是非を、『ビデオゲームの美学』(慶應義塾大学出版会、2018年)を上梓するなど、ゲーム研究と美学を専門とする松
田中 大裕 映像作品において、関わった人物や企業などを記名する名簿の役割を持つ「クレジットタイトル」を、それ自体一つの作品として鑑賞に耐えうる水準にまで押し上げた、グラフィックデザイナーのソール・バス。バスの登場以降、さまざまな実験的な表現が導入され、ビデオアートや広告映像といった隣接領域のアーティストたちがアニメーション分野に参入する際の足掛かりとなっていきました。本稿では、クレジットタイトルにおける実験の先駆者たちの作品を挙げながら、その歴史を見ていきます。 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』第1シーズンオープニングタイトルより 「名簿」から表現のための「実験場」へ 「クレジットタイトル」とは、映像作品において、関わった人物や企業などを記名した、いわば「名簿」のようなもので、オープニング/エンディングシークエンスに配置される。クレジットタイトルの役割は、関わった人物や企業などの貢献を明
洋ナシ 写真:ひろぽん 2022年から2023年秋にかけての、ゲーム分野の動向を探る座談会。批評、レビュー、研究などの立場でこの分野に関わる有識者3名が挙げたトピックスについて議論していきます。前編ではゲームの開発エンジンや定額サービス、ジェンダー観に関連した論争など環境にまつわるトピックが話題にあがりました。 左から、向江氏、さやわか氏、平井氏 利用料徴収発表の衝撃 ――直近で起きた大きな出来事として向江さんから挙げられたのがUnity Runtime Fee問題。ゲーム開発エンジンの大手であるUnityが、自社商品であるUnityエンジンを使ってつくったゲームのダウンロード回数に応じてエンジン利用料を徴収するように変更すると、2023年9月に急に発表し大きな話題となりました。 向江 正直この発表に衝撃を受けた人の反応って、一様ではない部分もあるかなと思っていて。というのもこの料金体系の
執筆:松尾 奈々絵(一般社団法人マンガナイト)/編集:鈴木 史恵(一般社団法人マンガナイト)/収録・編集:坂本 麻人(Whole Universe) 文化庁では、令和5年度文化庁メディア芸術連携基盤等整備推進事業MAGMA sessions 1を実施しました。「ゲーム史を書くための資料を考える」をテーマにしたトークセッションでは、登壇者に『日本デジタルゲーム産業史』(人文書院、2016年、増補改訂版 2020年)著者の小山友介氏、『日本の「ゲームセンター」史 娯楽施設としての変遷と社会的位置づけ』(福村出版、2022年)著者の川﨑寧生氏、『現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から』(早川書房、2016年)著者の中川大地氏を招き、ゲーム史を書く困難さや時代と共に変化していく資料の集め方等の考えを議論しました。内容を一部抜粋してご紹介します。(ファシリテーター:山田集佳) (※テキストでは一部抜粋し
トップ > 記事 > 乙女ゲーム30年のあゆみ 第2回 理想の「女性向けゲーム」を求めて:「ネオロマンス」が築いた基礎(1985年〜90年代) 向江 駿佑 女性向けに制作されるゲームで、男性キャラとの恋愛要素があるなどの特徴を持つ「乙女ゲーム」の30年の歴史をたどっていく本連載。第1回は乙女ゲームの定義やその名称の広まりを考察しましたが、第2回からは年代ごとに作品をみていきます。まずは乙女ゲームの始まりとされる1994年発売の『アンジェリーク』の衝撃と余波、そしてこれまでまとまった形で言及されたことのなかった、それ以前のさまざまな取り組みにフォーカスします。 連載目次 第1回 「乙女ゲーム」という名称はどのように広まったのか? 第2回 理想の「女性向けゲーム」を求めて:「ネオロマンス」が築いた基礎(1985年〜90年代) 90年代のアンジェリーク関連製品 今回から10年ごとに時代を区切って
トップ > 記事 > アニメ版「グリッドマン」シリーズをめぐって――特撮のアニメ化と、アニメで表現される「特撮らしさ」 坂口 将史 TRIGGER制作の『SSSS.GRIDMAN』(2018年)は、円谷プロの特撮作品『電光超人グリッドマン』(1993~1994年)を原作とし、アニメでありながら特撮を彷彿とさせる画面表現が数多く盛り込まれている作品です。本稿では『SSSS.GRIDMAN』とその続編『SSSS.DYNAZENON』(2021年)、および劇場版『グリッドマン ユニバース』(2023年)が、どのようにして「特撮らしさ」をアニメ上で表現したのかについて分析し、アニメ、特撮、そして同シリーズにおいてそれらの中間項として機能した3DCGのそれぞれのメディアにおける特性を明らかにします。 『グリッドマン ユニバース』ポスター アニメ×特撮の前例 2015年、「日本アニメ(ーター)見本市」
トップ > 記事 > 音を極める――メディア芸術の音を創造した人々 第8回 作曲家、プロデューサー・菅野よう子[前編] 不破 了三 アニメ・特撮・ゲームなどのメディア芸術の世界における「音」の表現を切り拓いてきたクリエイターにお話をうかがうインタビュー連載「音を極める――メディア芸術の音を創造した人々」。今回は「アニメ音楽に対する世の中の評価は、彼女の登場から変わった」と多くの人が口を揃えて語る、作曲家兼プロデューサーの菅野よう子氏です。まずは菅野氏ならではの楽曲制作方法から、学生時代の音楽活動、ゲームやCMへ楽曲提供してきた経緯をお話しいただきました。 連載目次 第1回 作曲家・田中公平(前編) 第2回 作曲家・田中公平(後編) 第3回 作曲家・神前暁(前編) 第4回 作曲家・神前暁(後編) 第5回 作曲家・鷺巣詩郎[前編] 第6回 作曲家・鷺巣詩郎[中編] 第7回 作曲家・鷺巣詩郎[後
トップ > 記事 > 音を極める――メディア芸術の音を創造した人々 第9回 作曲家、プロデューサー・菅野よう子[後編] 不破 了三 作曲家やプロデューサーとして、アニメ・ゲーム・CM・ドラマ・映画に数多くの楽曲を提供してきた菅野よう子氏。前編でお届けしたのは、幼少期から作曲を始め、導かれるように音楽業界へ足を踏み入れ、ゲームやCMに楽曲提供をするようになったこと。続いて、仕事をともにしてきた映像作家とのエピソード、次世代クリエイターへの思いなどについても語り下ろしていただきました。 連載目次 第1回 作曲家・田中公平(前編) 第2回 作曲家・田中公平(後編) 第3回 作曲家・神前暁(前編) 第4回 作曲家・神前暁(後編) 第5回 作曲家・鷺巣詩郎[前編] 第6回 作曲家・鷺巣詩郎[中編] 第7回 作曲家・鷺巣詩郎[後編] 第8回 作曲家、プロデューサー・菅野よう子[前編] 第9回 作曲家、
不破 了三 アニメーション・特撮・ゲームなどのメディア芸術の世界における「音」の表現を切り拓いてきたクリエイターにお話をうかがうインタビュー連載「音を極めるメディア芸術の音を創造した人々」。今回は、アニメーション・特撮制作会社「ピー・プロダクション」の御曹司として育ちつつ音楽の道に進み、21歳でアルバムデビュー後、作曲家・編曲家として多くの作品を手掛けている鷺巣詩郎氏が登場。幼い頃からアニメーション・特撮・音楽業界をつぶさに見てきた視点から、自らの歩んできた道とメディア芸術の今後について、語り下ろしていただきました。 連載目次 第1回 作曲家・田中公平(前編) 第2回 作曲家・田中公平(後編) 第3回 作曲家・神前暁(前編) 第4回 作曲家・神前暁(後編) 第5回 作曲家・鷺巣詩郎[前編] 第6回 作曲家・鷺巣詩郎[中編] 第7回 作曲家・鷺巣詩郎[後編] 第8回 作曲家、プロデューサー・
タニグチ リウイチ 「攻殻機動隊」シリーズ、「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズなどを手掛けるアニメーション制作会社Production I.Gからスタッフが独立し、2012年に設立された「WIT STUDIO」。2013年より放送された『進撃の巨人』(Season1~3)をはじめ、近年では2022年にCloverWorksと共同制作した『SPY×FAMILY』など、ヒットアニメを数多く生み出し続けています。本稿では、WIT STUDIOが手掛けた作品、監督の配置、経営体制、人材の育成からその躍進の理由を探ります。 『ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン』キービジュアル ©WIT STUDIO/Production I.G 映画祭で評価された『ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン』 この10年ほどで創業して急成長し、業界のなかでもファンのあいだでも強い存在感を持つようになったアニメーショ
トップ > 記事 > 『少女マンガはどこからきたの? 「少女マンガを語る会」全記録』刊行記念 米沢嘉博記念図書館・ヤマダトモコ氏インタビュー[後編] 岩下 朋世 写真:畠中 彩 「少女マンガを語る会」に関して、米沢嘉博記念図書館のヤマダトモコ氏にマンガ研究者である岩下朋世氏がインタビューする本稿。発起人・水野英子が同会を立ち上げるに至った経緯と、2020年に完成した『「少女マンガを語る会」記録集』について話された前編に続き、後編では1950年代、60年代の少女マンガの変遷を具体的な作家、作品をみながらたどっていきます。 左上から時計回りに、今村洋子『クラスおてんば日記 第1集』(きんらん社、1958年)、水野英子『銀の花びら』(講談社、1959年)、ちばてつや『江戸川乱歩全集 魔法人形』(あかしや書房、1959年)、ちばてつや『ユカをよぶ海 銀の花びら』(講談社、1959年)、水野英子『愛
トップ > 記事 > 『少女マンガはどこからきたの? 「少女マンガを語る会」全記録』刊行記念 米沢嘉博記念図書館・ヤマダトモコ氏インタビュー[前編] 岩下 朋世 写真:畠中 彩 マンガ家の水野英子を発起人として、1999年から2000年にかけて開催された「少女マンガを語る会」。『ベルサイユのばら』『ガラスの仮面』『ポーの一族』など、現在でも名作として読み継がれる作品が立て続けに生まれ、少女マンガに革新が訪れた時代として知られる1970年代より前にあたり、それまで十分に語られてこなかった1950年代、60年代の少女マンガ。この座談会では当時の少女マンガに関わったさまざまな人物をゲストに招き、この時代に焦点が当てられました。本稿では、この座談会に参加し、記録集の制作にも携わった米沢嘉博記念図書館のヤマダトモコ氏に、マンガ研究者である岩下朋世氏がインタビュー。「少女マンガを語る会」の概要と195
トップ > 記事 > フィクション共創による仮想社会構築ムーブメントとしてのPBM(プレイバイメール)とその意義──「NPO法人 日本PBMアーカイブス」の取り組みから[後編] 中川 大地 「NPO法人 日本PBMアーカイブス」の収蔵対象である国産商用PBMを概観しつつ、現在の視点から見た意義について考察する本稿。後編では、プレイヤー交流やコミュニティ文化の特徴などを解説しながら、インターネットが登場する以前の国産商用PBMが果たした役割を考えていきます。 『蓬萊タイムズ』1990年1月号表紙 遊演体『ネットゲーム’88』における日本型商用PBMスタイルの確立 こうした背景のもと、『ローズ・トゥ・ロード』のゲームデザイナーである門倉直人らを擁した遊演体が1988年に設立。日本初の商用PBM(Play by Mail:以下、PBM)事業として『ネットゲーム’88(以下、N88)』を開始する。
トップ > 記事 > フィクション共創による仮想社会構築ムーブメントとしてのPBM(プレイバイメール)とその意義──「NPO法人 日本PBMアーカイブス」の取り組みから[前編] 中川 大地 2021年6月、国産商用PBMの記録を後世に残すべく「NPO法人 日本PBMアーカイブス」が発足しました。本稿では、PBMアーカイブスが収蔵対象とする日本の商用PBMと周辺ジャンルの展開を概観しつつ、現在の視点から見た意義について考察します。前編ではアメリカにおけるPBM文化の起源と、国産化の動きについて紹介していきます。 『ヤタタ・ウォーズ』誌面(『Beep』1985年8月号・9月号より) はじめに:国産PBM作品のアーカイブ活動とその意義 アナログとデジタルの垣根を越えて日本の現代ゲームの歴史を振り返るとき、インターネット登場以前の時代に成立したプレイバイメール(Play by Mail:以下、PB
向江 駿佑 女性向けに制作されるゲームで、男性キャラとの恋愛要素があるなどの特徴を持つ「乙女ゲーム」。ジャンルの歴史はもうすぐ30年の節目を迎えるものの、学術的な研究は発展途上にあるといえます。本連載では、ゲーム史における乙女ゲームの位置付けと影響について、作品や関連資料に基づいて振り返ります。第1回となる今回は、乙女ゲームの定義や名称が広まっていった過程を整理しながら、ジャンル名の確立がもたらした影響を考察します。 連載目次 第1回 「乙女ゲーム」という名称はどのように広まったのか? 第2回 理想の「女性向けゲーム」を求めて:「ネオロマンス」が築いた基礎(1985年〜90年代) 『電撃若 GIRL’S STYLE』『ぱふ』ほか 本連載の目的 本連載では、ゲーム史における「乙女ゲーム」と呼ばれるジャンルの位置付けと、影響について考える。どこを起点とするかにもよるが、一般にこのジャンルは『ア
もの、できごと、人をつなぎ、メディア芸術の「今」を記録し続ける メディア芸術データベース 正式公開記念対談 大向一輝×三原鉄也
中野 晴行 2000年代に入り、マンガ家の個人全集が盛んに企画されるようになりました。火をつけたのは、2009年にスタートした小学館の『藤子・F・不二雄大全集』。文学全集ですら売れない時代に、第1期33巻の全巻予約を受け付けると、配本開始前に予約数5,000セットを超え、発売前に増刷が決まります。読者層は20代から40代と幅広く、最終的な第1期の全巻予約数は12,000セットにも達しました。本稿ではその成功の秘密を探ります。 『藤子・F・不二雄大全集』キービジュアル ©藤子プロ・小学館 全115巻+別巻4冊の大型全集 小学館が『藤子・F・不二雄大全集』の刊行をスタートさせたのは、2009年7月24日。第1回配本は『ドラえもん』(1969~1996年)1、『オバケのQ太郎』(1964~1967年)1、『パーマン』(1966~1968年、1983~1986年)1の3冊。第1期33巻、第2期33
松永 伸司 視覚表現の一つである「ピクセルアート」は、1970~90年代のビデオゲームのグラフィックの主流であったおかげで、「レトロなゲームのグラフィック」という含みを持っています。そのいっぽうで、近年では「古くて新しい」一つのグラフィック・スタイルとしての地位が確立されつつあります。この連載では、そうした現代の動向も含めたピクセルアートの特徴と魅力について紹介してきました。第3回は、物語表現上の人物表現の手法としてのピクセルアートの特徴と魅力を考えます。 連載目次 第1回 ピクセルアートとは何か 第2回 ピクセルアートと様式 第3回 ピクセルアートと人物表現 『To the Moon』(Freebird Games、2011年) ピクセルアートは想像力をかき立てる? ゲームライターの池谷勇人が書いているように1、「昔のゲームのドット絵は想像力をかき立てる(あるいは刺激する)ものだった」と
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