国際海洋法裁判所(ITLOS)で、気候変動の影響による島国の危機的な状況について訴える弁護士のナイマ・テ・マイレ・フィフィタさん=ドイツ・ハンブルクで2023年9月(ITLOS提供) 温室効果ガス排出は「海洋環境汚染」――。国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)が今年、気候変動問題で画期的な「勧告的意見」を出した。「地球温暖化による海面上昇で最初に沈む国」にルーツを持つ弁護士らが勝ち取った判断は先進国に改めて重い宿題を突きつけた。 島しょ国が海洋裁判所に解釈求める 「空約束と無策が、ゆっくりと、しかし確実に私たちの未来を破壊してきました」 米ハワイ在住の弁護士、ナイマ・テ・マイレ・フィフィタさん(28)は2023年9月、ハンブルクの法廷で訴えた。 ツバルなど海面上昇で深刻な影響を受けている南太平洋の島しょ国のグループ「気候変動と国際法に関する小島しょ国委員会(COSIS)」は22年、気候変