死者・行方不明者計63人を出した2014年9月27日の御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火災害を巡り、犠牲者の遺族らが国と長野県に計3億7600万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(筒井健夫裁判長)は21日、請求を棄却した1審・長野地裁松本支部判決(22年7月)を支持し、遺族側の控訴を棄却した。 御嶽山では噴火の2週間以上前から1日50回を超える火山性地震が観測されており、控訴審では1審と同様に、防災機関や住民らに取るべき対策を5段階で知らせる噴火警戒レベルを1(平常=当時)から2(火口周辺規制)に引き上げなかった気象庁の判断の是非が争点となった。 高裁は判決で、御嶽山では過去に1日50回以上の火山性地震が観測されながら噴火に至らなかった例があると指摘。御嶽山は常時噴火を繰り返している火山でないため、火山学の知見の集積が十分に進んでいなかったと認めた。理論的・統計的な