長崎の爆心地の東西約7~12キロで原爆に遭いながら国が指定した援護区域外にいたとして被爆者と認められていない被爆体験者44人(うち4人が死亡)が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付などを求めた訴訟の判決で、長崎地裁(松永晋介裁判長)は9日、原告の一部を被爆者と認め、県と市に手帳交付を命じた。 原告は同種訴訟で2019年までに最高裁で敗訴が確定した後、改めて手帳交付を申請。申請は却下され、却下処分取り消しを求めて再提訴した。被爆者援護法1条3号が「被爆者」と定義する「身体に原爆放射線の影響を受けるような事情の下にあった者」に原告が該当するかが争点だった。 審理中の21年7月には、広島の援護区域外で「黒い雨」に遭った84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決が確定。被爆体験者訴訟の原告は「自分たちも同様に、灰などとして降り注いだ放射性微粒子を呼吸や飲食などで体内に取り込み、原爆放射線による健康被害