政府開発援助(ODA)によるフィリピンの鉄道改修事業を巡り、国際協力機構(JICA)職員が、業務の見積額など秘密情報を東京都内の建設コンサルティング会社に漏えいした疑いのあることがわかった。業務は2019年に比政府が競争入札で発注し、同社が加わる共同企業体(JV)が落札した。JICAは就業規則に基づき職員を停職1か月の懲戒処分としたが、職員に秘密保持義務を課す国際協力機構法に抵触する恐れもある。 【写真】マニラのMRT3号線…日本政府が改修事業を支援 ODAに関し、日本側の実施機関であるJICAの秘密情報の漏えい疑惑が明らかになるのは極めて異例。途上国のODAでは、JICAの見積額を踏まえて相手国が入札予定価格を設定することが多いとされ、漏えいにより入札が形骸化していた可能性もある。 関係者や読売新聞が入手した資料によると、漏えいの疑いがあるのは、日本と約381億円の円借款(有償資金協力)