奈良・石上(いそのかみ)神宮に伝わる国宝「七支刀」(4世紀)のX線CT(コンピューター断層撮影)調査が初めて実施され、金象眼の銘文がくっきりと浮かび上がった。不明瞭だった文字の一部が鮮明になり、日本の古代史を知る貴重な手がかりとなる銘文の研究がいっそう進むことが期待される。 【写真】七支刀のX線CT調査で鮮明になった文字 七支刀は、両側に3本ずつ枝刃を持つ特異な形の鉄剣。表裏に計62文字の銘文(一部欠損)があり、朝鮮半島の古代国家・百済(くだら)の王族が倭(わ、日本)の王に贈るために作ったと記される。軍事をつかさどった豪族・物部氏の氏神である石上神宮に伝わってきた。 調査は、作られてから1600年以上がたつ七支刀の「健康診断」として奈良国立博物館が実施。CT画像には、一部がさびに覆われて読みづらく、別の文字とする説もあった百済の「済」の字が鮮明に写っていた。 また、多くの研究者が中国の元号