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生活保護で暮らす人々の医療機関受診に際しては、「医療が無料だから無駄に使いすぎる」「生活保護だからモンスターペイシェント化しやすい」という批判が多く見られます。 そういう方が、多数ではないとはいえ実在することは、私もよく知っています。 しかし、実際に身辺で多く見られるのは、「なるべく医療を利用しない」という選択です。医療機関に行かなければ、医療の無駄遣いも問題ある医療利用にもつながりません。 その人々の「なるべく医療を利用しない」という選択の背景には、主に生活保護での医療がもともと利用しやすいものではないこと(原則として、まず福祉事務所で医療扶助を申請して医療券を受け取る手続きが必要)、次に、医療の場で時に見られる生活保護差別があります。 生活保護で暮らす女性が語ったこと 2008年、私は生活保護で暮らす女性・Aさん(当時40代)から、ご自身および同じ立場のご友人が受けたという、医療の場で
2018年9月7日、九大・箱崎キャンパスで火災が発生し、元大学院生だった46歳の男性が遺体で発見されました。 男性は、自殺目的で放火したものと見られています。 本記事では、事件を「貧困」という切り口から検証します。 男性の46年の生涯について 「男性」と呼びつづけるのは、あまりにも気の毒なので、本記事では「Aさん」とします。 Aさんの過去について、報道されている事実は非常に少なく、アウトラインをつかむのも困難です。しかし、やや詳細に報道されている西日本新聞の9月16日付記事「九大箱崎キャンパス火災 元院生の男性 放火し自殺か 身元判明、福岡東署」から整理すると、Aさんの歩みは、以下のようになります。 2018年9月7日時点で46歳だった→出生は1971年または1972年(本記事では1972年とします)15歳で自衛隊に入隊(1987年)その後自衛隊を退官し、九大法学部に入学。憲法を専攻199
2018年6月18日朝、大阪北部で発生した地震に際して、障害のある方に対してお願いしたい配慮を、障害者の立場から急遽まとめました。 ご参考になれば幸いです。 避難所を例として特に避難所の運営に当たられている方々、および避難されている方々へのお願いです。 皆様の状況は承知しています。 しかしながら被災地の障害者は、ふだんから負荷の高い生活を強いられているところに、災害の負荷を加えられているのです。 このことへのご理解とご配慮をお願いします。 動線確保のお願い 福祉避難所として指定されていない場合でも、避難所内でのトイレへの動線の確保、出入り口への動線の確保をお願いします。 車椅子や歩行器を利用している方は、動線が確保されていないと身動きが取れなくなります。 もちろん、福祉避難所が近隣にあって容易に行けるのであれば、より適切な選択肢でしょう。しかし、常に福祉避難所が現実的な選択肢であるとは限り
精神疾患・精神障害と関連している可能性の高い言動に、何が可能なのでしょうか? 言動そのものではない精神疾患や精神障害を、どう捉えればよいのでしょうか? 本記事では、2018年4月・6月の2つの出来事を念頭において、犯罪統計も参照して現状と問題点を整理します。 出来事の概略2018年4月の出来事 2018年4月26日、大学院を退学処分となった元大学院生が、処分の取り消しを求めて行っていた訴訟で、大学院生の敗訴が最高裁で確定しました。元大学院生は、教職員への暴言などの問題行動を理由として退学処分を受けました。判決文には、元大学院生の精神面・人格面の問題が記載されています。 2018年6月の出来事 2018年6月9日夜、新幹線「のぞみ」車内で、22歳の男性が男女3名を刃物で殺傷しました。報道によれば、男性が「自閉症」と診断されていたこと、社会的養護を経験していること、就労状況が安定しなかったこと
不慮の事故による脊椎損傷で下半身不随となったタレントの猪狩ともかさんが、本日、ブログで状況と現在の心境を明らかにされました。 猪狩ともかオフィシャルブログ「いがとも夢の奮闘記」:大切な皆さまへ 現在の猪狩さんは下肢を自分の意思で動かせず、今後は車椅子生活になりそうだということです。 本記事では、元気なスポーツ中年だった42歳のときに中途障害者となって車椅子生活を送ることになった“ちょっと先輩”の立場から猪狩さんにエールを送ります。 周囲の方々は、何をどう理解し配慮すればよいのか、ヒントを得ていただければ幸いです。 大丈夫、何も諦めなくていいブログで気丈に「希望の光になりたい」と語っておられる猪狩さん。 大丈夫です。 中途障害者になったために諦めなくてはならないことは、非常に少ないのです。 猪狩さんご自身がしなくてはならないことは、基本的に、事故の前と大きく変わっているわけではないであろう頭
生前のホーキング博士。宇宙の前では、誰もが小さすぎる存在です。(写真:Shutterstock/アフロ) 2018年3月14日、理論物理学者のホーキング博士が亡くなりました。この日は円周率の日であり、また現代物理学を生みだしたアインシュタインの誕生日でもあります。 ホーキング博士は1963年、大学院生だった22歳の時にALSという神経疾患に罹患し、余命2年という宣告を受けました。 ALSは、自分の意志で動かせる筋肉(随意筋)を動かすことが徐々に不可能になり、最後には呼吸に関連する筋肉も動かせなくなる疾患です。通常、診断から自力で呼吸できなくなるまでの時間は2年程度ですから、その余命宣告は妥当なものだったと思われます。 しかし幸いにも、その後、「病気の進行スピードが緩慢になる」という奇跡が起こりました。それでも年々、運動能力は残酷に失われていき、1985年には自力での呼吸が困難になったことか
陸前高田の一本松は枯れてしまいましたが、地域は少しずつ復興へ。(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ) 災害は、いつ、誰をどのように襲うか予測できません。 生活基盤もインフラもズタズタになったとき、生活保護には何が出来るのでしょうか? 私たちは、どのように生活を再建できるのでしょうか? 「災害があれば生活保護が増える」とは限らない 災害は生活基盤を奪い、場合によっては職業も奪います。生活保護の対象となるための条件は、ほぼ「何もかも失う」ことですから、災害後には生活保護の申請・利用が増えそうです。しかし実際にはそれほど増えず、少なくとも直後には減少することも多いのです。 背景には、災害後のさまざまな事情があります。 福祉事務所やケースワーカーが被災している場合も 東日本大震災の激甚被災地のうち数ヵ所では、役所・役場が甚大な被害を受け、「生活保護業務に必要な書類がない」「震災で
2017年末に発表された政府予算案に含まれた、2018年度からの生活保護基準引き下げ。 厚労省に当事者の声を届けるため、急遽、ホットラインが開設されました。 暮れも押し迫った時期の緊急ホットライン 2017年12月22日、政府予算案が閣議了承されました。ここには2018年度からの生活保護基準引き下げが含まれています。 当初案では最大で14%近い引き下げ、しかも子どものいる生活保護世帯に特に厳しい内容でした。政府の「子どもの貧困」対策には、どこにも「ただし、生活保護世帯の子どもを除く」とは書かれていないにもかかわらず。 数多くの抗議や申し入れが考慮されたのか、引き下げ幅は最大5%とされましたが、それでも厳しすぎる内容です。 そこで4日後の12月26日、「生活保護基準引き下げに反対します(緊急ホットライン)~私たちの声を聞いてください~」が開設されました。 東京・さいたま・大阪の3会場合計13
2017年末、大阪府寝屋川市の民家で、衰弱死していた33歳の女性が発見されました。 精神疾患を患っていたとされる女性・Aさんは、15年以上にわたって家族の住む家の敷地内に監禁されていました。 何があれば、最悪の結末を防げたのでしょうか? 事件の経緯は? 最初に、メディア報道から事件の経緯をまとめます。人名はイニシャルで示します。 1985年Aさん、父親Kさん(55)・母親Yさん(53)の長女として出生。父親はガラス工場に勤務する会社員。母親はAさんの小学校時代は地域の子供会などに積極的に参加(報道1)。 1995年Aさん(小5)、両親・次女とともに大阪府寝屋川市に転居。運動会で創作ダンスを披露。母親に見てほしかった(母親が見に来たかどうかは不明)(報道1)。当時の同級生はしばしば、Aさんの全身の叩かれたようなアザや、着ていた衣服が破れているのを目撃していた。Aさん自身は「犬にかまれた」と語
2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設で元職員・植松聖被告が入所者19名を殺害した「相模原事件」は、異常な人間が起こした異常な出来事として、もはや忘れ去られようとしています。 異常な出来事であることは間違いありませんが、背景は「異常な人間」と「異常」だけなのでしょうか? 重度障害児の父である記者・神戸金史さんが、事件から受けた衝撃、植松聖被告と会ってみようとするまでのとまどい、面会して交わした会話、そしてその後の思いの変化を描くラジオドキュメンタリー『SCRATCH 線を引く人達』(TBSラジオ・RKB毎日放送 共同ドキュメンタリー企画)は、事件そのものならず、事件の真の背景である「現代」を生きることそのものを、深く静かに問いかけてきます。 放送されたのは2017年12月29日ですが、2018年1月5日まで radiko.jp で聴けます。 人間の価値を決めるのは誰なのか?
2017年の生活保護には、希望のムードが漂いました。しかし予算面・制度面では決して楽観できません。 本記事は「希望編」「絶望編」の後編、絶望編です。 最後に、絶望を通して芽吹く小さな希望についても触れます。 生活保護は、どこへ行く?ここ数年の生活保護の方向性を「本音」の言葉で言い表してみると、以下のような感じです。 生活保護は使われてはならない、重病人と重度障害者以外は働けばなんとかなるはずだ働けない高齢者は仕方がないから保護するけど、別の考え方で(死ななきゃいい)「貧困の世代間連鎖」は生活指導と教育で防ぐ (でも生活保護世帯が子どもを持たなきゃいいんじゃないかな……)あまりにもあんまり、でしょうか? でも、公開されている政府資料の数々から読み取れるのは、そういうメッセージです。 2006年の「予言の書」これらの方向性のうち1と2は、2006年の「新たなセーフティネット検討会」報告書に、少
2017年の生活保護には、希望のムードが漂いました。 しかし予算面・制度面では、決して楽観できない動きが続きます。 本記事は「希望編」https://news.yahoo.co.jp/byline/miwayoshiko/20171231-00079958/「絶望編」の前編、希望編です。 年明けとともに、「小田原市ジャンパー問題」年明け間もない2017年1月、小田原市の生活保護ケースワーカーたちが「保護なめんな」「不正受給はクズ」とプリントしたジャンパーを着用して業務に就いていたことが判明しました。プリントされた文字は小さく、ローマ字あるいは意味不明の英語だったので、幸い、実際に生活保護で暮らす人々に読まれることはなかったようです。 しかし、あまりにも威圧的な、かつ便所の落書きのような文言は、多くの反響を呼び起こしました。小田原市には「なんという人権侵害を」という抗議多数とともに、「よくや
2012年1月1日、千葉県の精神科病院に入院中の青年・陽さんが、頚椎を骨折しました。陽さんは「保護室」と呼ばれる一人部屋に隔離されており、保護室のモニターカメラには、2名の看護師に暴行される陽さんの映像が残っていました。顔面を蹴られたことが、頚椎骨折につながったと見られています。 陽さんは別の病院に搬送されましたが、寝たきりとなり、2014年4月に36歳で亡くなりました。 2人の看護師は逮捕・起訴されましたが、千葉地裁は2017年3月、1人を罰金刑・1人を無罪とする判決を下しました。検察はこれを不服として控訴しています。 NHKハートネットTV『ある青年の死』2017年12月12日、この事件とその周辺を追ったTVドキュメンタリー『ある青年の死』が、NHKハートネットTVでオンエアされました(番組ページ)。障害者福祉・障害者運動の立場から、この事件に関心を持ち続けてきた私にとっては必見の番組
科学技術は、専門家のものなのかもしれません。しかし、ある日突然、科学技術の問題の当事者になりうる可能性は、すべての人にあります。福島第一原発事故は、その可能性を誰の目にも分かる形で明らかにしたと言えるでしょう。 原子力だけではありません。「ある日、ガンに罹患しており、先進医療が必要だということがわかった」という事態は、多くの人に現実となりうるものです。 ある日突然、それまで馴染みのなかった技術、あるいは、専門家のものだと思っていた科学と付き合わなくてはならなくなる可能性は、すべての人にありえます。かといって、すべてに備えるためにすべてを学ぶことは、現実の問題として不可能です。 その時になって、動揺しながら大慌てで対応するしかないのでしょうか? そうかもしれません。でも、動揺と「大慌て」を減らし、すこしでも上手に状況を乗りこなすことなら、できるかもしれません。カギは「コミュニケーション」にあ
座間9人殺害事件以後、「死にたい」と考える若年層、特に10代女子への接し方がクローズアップされています。 「死にたい」の背後にあるのは「生きづらさ」です。 この「生きづらさ」を解決するには、何が必要なのでしょうか? 「生きづらさ」の原因は、本人や親しい人々が認識できるものなのか? 座間9人殺害事件の犠牲者9名のうち8名は女性です。うち4名は10代。4名は21~26歳でした。犠牲者となったきっかけは、SNSで自殺願望を表明したことでした。 その後の報道によれば、犠牲者となった女性たちの中には、離婚後など厳しい状況にあった20代女性も含まれていました。しかし、はっきりと「これだ」と思われる背景が存在したかどうかは、現在のところはわかりません。 いずれにしても、「死にたい」「消えたい」という希望を口にする10代女子が、「あなたは生きづらいんですね」と言われたら、口頭で「Yes」と答えるかどうかは
外国人への生活保護適用は、「すべき」「すべきでない」のいずれの立場の方々からも、とかく感情的な反応を引き出しやすいテーマです。 まずは、法と制度がどうなっているのかを整理しましょう。 そのためには、1929年まで歴史を遡る必要があります。 なお、この問題を時間をかけずに「ざっくり」と俯瞰したい方は、まず『ダイヤモンド・オンライン』に発表した拙記事「在日外国人がどれだけ困窮しても生活保護を受けづらい背景」からお読みいただき、その後、本記事の歴史・法規等整理にお目通しいただけば早いと思います。そちらの記事は、現状と問題点をデータ・事例から説明しており、本記事を補完する内容です。 生活保護制度はいつ出来た? 「国籍条項」問題はいつから? 生活保護法(新法)は、1950年に施行されました。2013年に改正されましたが、構造・構成は変わっていません。 その構造・構成の原型は、1929年(昭和4年)の
「生活保護の現物給付化」のイメージは、難民支援物資の配布に近いのかもしれません。(写真:ロイター/アフロ) 生活保護制度に対する「金額が高すぎる」「現金だからいけない」という意見は、日本のあらゆるところで表明されています。 金額や「現金か現物か」を議論する前に、まず、生活保護のどこが現金給付なのかを確認してみましょう。 なお、本記事では、金額や水準が高すぎるか低すぎるかについての議論はしません。 「健康で文化的な生活」の最低限度(≒質素だけど普通の生活)が何を含んでおり、そのために必要な費用はどのように計算されるべきかは、現在も先端的な研究課題の一つであることを述べるにとどめておきます。 8つの給付メニューがある生活保護制度現在の生活保護制度には、下記の8つの給付メニューがあります。 生活扶助(衣・食・水道料・電機代金・ガス料金など、いわゆる「生活費」)教育扶助(学用品・学校活動費など、子
警察等のスタンガン使用は、この数年、米国のジャーナリストが関心を寄せ続けているテーマの一つです。 スタンガンによって取り押さえることは、実弾の発砲より悪くない選択肢であることは間違いないのに、です。なぜでしょうか? 暴力事件の容疑者ではなく、精神疾患による不安発作・てんかん発作などの患者に使用され、死に至らしめてしまう例が相次いでいるからです。 数メートル離れた相手に有効な「スタンガン」とは? 欧米の警察・入国管理の現場などで使用されて問題になっているスタンガンは、日本で合法的に護身用に販売されているタイプとは異なり、相手の肌に直接押し付けて使用することを前提としていません。 このスタンガンは「テイザー(Taser)」という通称を持っています。一見、子どもの玩具の銃のような見た目で、銃と同様に引き金がついています。 引き金を引くと、先端から2本の針のついた電線が発射されます。針が相手に刺さ
一部の電動アシストつき大型幼児車を軽車両とし、車道を走ることとした経産省の発表は、経産省の説明と謝罪という成り行きをたどりました。 本記事では、この成り行きを「コミュニケーション」から再考してみたいと思います。 経産省はどのように説明し、謝罪したのかまず、本日報道された経産省の記者会見内容は、下の通りです。 経済産業省は14日、記者会見を開き、保育園児などが乗る外国製の電動アシスト付きベビーカーを「軽車両」にあたるとした見解が、すべてのベビーカーを対象にしたような誤解を招いたとして謝罪した。 (略) 外国製の6人乗り電動ベビーカーの輸入を検討していた業者から、道路交通法などが定める規格上、問題がないかとの照会を受けた経産省は、警察庁や国土交通省と協議。このベビーカーが規格に合わなかったため(略)「軽車両に該当(略)」との見解を公表した。 (略) (筆者注:ネット上で)誤解が広がり、「ベビー
一部の電動アシストつき大型幼児車を軽車両とし、車道を走ることとする経産省の発表が、物議をかもしています。 本記事では、電動車椅子と比較しながら問題点と「落とし所」をさぐってみます。 (後記:2017年9月14日、経産省が伝え方の問題点を認めたことが報道されました。この点に関する拙記事「電動アシストつき大型幼児車問題を、「コミュニケーション」から再考する(改題・一部編集)」もご参照ください) どういう電動車椅子なら歩行者扱いなのか まず、道路交通法上、車椅子とは何なのでしょうか。 道路交通法第二条(定義)には、このように定義されています。 身体障害者用の車いす 身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車いす(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)をいう。 (原動機を用いる身体障害者用の車いすの基準) 第一条の四 法第二条第一項第十一号の三
多くの地域で、夏休みが終わり2学期の始まる9月1日が近づいてきました。 9月1日は、子どもの自殺が突出して多い日と知り、驚きました。 平岩国泰さん:「子どもの自殺が特別多い9月1日」~子どもが学校に行きたくないと言ったら~ 田中俊英さん:ミサイルと9.1(自殺)問題 死んでも行かなきゃいけない学校なんか、ありません。 でも、「行くくらいなら死にたい」と思うほどの学校なのに行かざるを得ない場面や、「行くしかない」と思い込んでいる子どもは、少なくないはず。自分の胸に手を当てて考えてみれば、自分の小中高時代に思い当たる節が一つ二つある大人は、案外多いのではないでしょうか? 本記事では、どうしても学校に行きたくないけれど「行かざるを得ない」と思い込んでいる子どもたち、少なくとも「2学期が始まったら、朝は家を出て学校に行かなきゃ……死ぬほど行きたくないんだけど」と思っている子どもたちのために、状況の
2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」に入所していた障害者19名が殺害された相模原事件から1年が経過しました。 事件が話題になるたびに、私には「事件だけが問題なのか?」という思いが募るばかりです。 事件前、生きていた犠牲者の方々を気にかけていた方は、いったい何人いたのでしょうか? 人数は、事件後の数千分の一、あるいは数万分の一でしょう。そもそも、存在が知られていなかったのですから。 事件の犠牲になったことで初めて存在を思い浮かべられた人々 相模原事件が話題になるたびに、私にはどうしても「生きている間は、いるかいないかを気にもかけていなかったのに?」という違和感が湧き上がってきます。 もしも事件が起こらなかったら、犠牲になられた障害者の入所者たちは、「津久井やまゆり園」の中、あるいは近隣の病院などで生涯の終わりを迎えたことでしょう。世の中から忘れられた存在とい
2017年4月、ニュージーランド人のケリー・サベジ氏(27歳)が神奈川県大和市の病院で亡くなった事件は、日本の精神科病院で広く長期間にわたって行われることの多い身体拘束とともに、海外メディアで大きく報道されています。 2017年7月19日、ご家族と専門家による記者会見が、日本外国特派員協会で行われました。 本記事では、その内容を紹介します。 事件のあらまし水島宏明さんの下記のご記事をご参照ください。 日本の精神科病院でニュージーランド人男性が死亡 母国でニュースに ニュージーランド人男性の死亡【続報】 大和市の精神科病院が「記録提出を拒否」と報道 記者会見の概要2017年7月19日 16:30-17:30 於・日本外国特派員協会(東京・有楽町)来場者 開会時35人くらい→終了時60人以上。日本のメディア企業からも(共同通信社・毎日新聞社は確認)TVカメラ 6台。うち2台がAP・ロイターであ
学会全国大会で、人工知能を研究している大学院生が会員制サイト内で公開されているBL小説を題材とした研究発表を行い、ネット空間に「炎上」が発生しました。 本記事では、「学会の全国大会とは、どういう位置づけにあるものなのか」を整理します。 「炎上」問題そのものについては、学会・大学の対応も踏まえて、後日あらためて記事化したいと思っております。 「ぜひ読みたい」と思われる皆様は、生活保護関連で事件・問題があんまり頻発しないよう祈っていてくださいませ。 「炎上」のあらまし事件の概要は、Neverまとめなどにまとめられています。 問題点と、研究業界に断続的に存在して30年超の私から見て妥当ではないかと思われる見解は、こちらのはてな匿名ダイアリー記事に整理されていますが、異論もあります。 異論も含め、活発な議論がされるのは基本的に好ましいことだと思います。 いまどきの学会は、「同業者しか来ない・見ない
人工知能を研究している大学院生が、pixivのR18小説を題材とした研究発表を行ったことで、ネット空間に「炎上」が発生しました。 自分自身が論文の締め切りを抱えて頭の中が炎上中なのですけれど、この問題を考えるにあたり、注意すべきポイントをまとめてみます。 なお、タイトルにも概要文にも、大学名・学会名は敢えて入れていません(リンク等には出現しますが)。 「自分自身がそこの大学院に在籍中だから(別の研究科ですが)」 ということも若干はありますが、「その大学だから」「その学会だから」ということは大きな問題ではないからです。 「炎上」のあらまし 事件の概要は、改めて説明するまでもないかと思われます。 Neverまとめ:立命館大学 pixivのR18小説を論文に引用して有害のレッテル貼りと晒し上げで大炎上 また、問題点と妥当と思われる解釈は、こちらに整理されています。 はてな匿名ダイアリー:立命館p
2017年3月、厚労省は、生活保護で暮らす人々のパチンコ・公営ギャンブル・宝くじ等に関する調査を開始しました。 結果は遠からず、取りまとめられ報道されるかもしれません。 どのような調査が行われたのでしょうか? 調査の趣旨は?この調査は、2017年3月3日に全国の都道府県庁・指定都市・中核市の生活保護担当係長に宛てられた、厚労省・保護係長からの事務連絡に記載されています。 「生活保護受給者におけるぱちんこ等の状況の把握について(依頼)」と題する事務連絡には、調査の趣旨が 今般、生活保護受給者 が保護費でぱちんこや公営競技等(以下「ぱちんこ 等」という。) の娯楽を行うことに関する指摘があること等を踏まえ、生活保護受給者におけるぱちんこ等の状況を把握することとしました。 と記載されています。対象期間は2016年度の1年間です。 調査の内容は?回答用に用意されたExcelシートには、調査内容が下
生活保護の不適用・適用上の問題による死者は、交通事故死と同等かもしれません。(ペイレスイメージズ/アフロ) 生活保護を利用している世帯数・人員、生活保護費総額は、「増加することが問題」というニュアンスとともに盛んに報道されています。 それでは、生活保護を利用できないことによる死者数や、健康被害・機会損失などを換算した金額は、いったいどうなのでしょうか? 「生活保護世帯は減少」は良いこと、らしい2017年5月10日のNHKニュースで、生活保護世帯・生活保護受給者数(本記事では現在のところの一般的用語として「受給者」を用います。公的用語は「被保護者」)の減少が報じられました。 以下、このニュースの引用です。太字は筆者によります。 生活保護を受けている世帯は、ことし2月の時点で163万8000世帯余りと2か月連続で減少しましたが、高齢者世帯では依然として増加が続いています。 (略) 厚生労働省に
旧刑務所の写真。理由や名目がなんであれ、隔離と閉じ込めは治療ではありません。(写真:ロイター/アフロ) 2015年10月31日・11月1日の2日間、東大・駒場キャンパスに、精神科医・心理士・精神保健福祉士など130人が全国から集まりました。 1960年代から、精神科病院の解体と精神障害者の地域生活意向を推進してきたイタリア・トリエステ市の実践について聞き、日本での実践について語り、互いに対話するためです。 以下、共催団体の一つ「180人のMattoの会」によるイベント内容(抜粋)です。 「対話 トリエステ精神保健局長 VS 日本の精神科医」 ~精神病棟を使わずにクライシスと対峙する道~ 講師 ロベルト・メッツィーナ(トリエステ精神保健局長・WHO調査研修コラボセンター長・精神科医) ファシリテーター 伊藤順一郎(精神科医)・大熊一夫(ジャーナリスト) 「クライシス」への対応は精神医療の核心
2017年5月6日、厚生労働省が「生活保護なら調剤薬局を1ヶ所に限定を」と検討していることが報道されました。 目的は重複処方を避けることとされています。 この方針がもし実現したら、どういう効果があり、どういう問題が防げるのでしょうか? その問題を防ぐ方法は、他にないのでしょうか? 「生活保護なら調剤薬局を1ヶ所に限定を」という厚労省方針厚労省方針を紹介した新聞記事から、やや長くなりますが引用します。太字は筆者によります。 厚生労働省は、生活保護受給者が利用する調剤薬局を1カ所に限定する検討に入った。複数の医療機関にかかって同じ薬を重複して受け取るのを防ぎ、生活保護費を節減するのが狙い。 受給者は決められた薬局でしか薬を受け取れなくなる。受給者数が全国最多の大阪市などで6月にも試行し、効果や課題を検証する。 (略) 複数の医療機関を受診すると、通う薬局も増える。向精神薬に限ってみると、201
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