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2019(令和元)年における我が国の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳であり、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。国民一人ひとりが健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、社会保障制度を持続可能なものとするためには、平均寿命を上回る健康寿命の延伸を実現することが必要です。 平均寿命と健康寿命の推移 平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、2019(令和元)年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です[1]。一方、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています[2]。2001(平成13)年から男性の方が女性より健康寿命は延伸しており、男女差も若干縮小しています【図1】。 図1.平均寿命と健康寿命の推移[2] 健康寿命の延伸と平
2022年に策定された第4次自殺総合対策大綱では、COVID-19パンデミック後の新たな自殺対策の取組として、「女性、無業者、非正規雇用労働者、ひとり親、フリーランス、児童生徒への影響も踏まえた対策」という視点が付け加えられ、多世代にわたる自殺総合対策を地域ごとに推進していく重要性が確認されました。世界的には、科学的エビデンスに基づく実装科学の視点を入れた高度な研究成果に基づく対策の推進が求められています。 自殺対策基本法と第4次自殺総合対策大綱 日本の自殺対策は自殺対策基本法(2006年10月28日に施行、2016年4月1日に改正施行)に基づいて実施されています。法律に基づいて国が自殺対策を主導するという世界的にもきわめて珍しい枠組みは、官民学の連携に基づき構築されてきたものです。 この法律では、自殺対策の基本理念と国、地方公共団体、事業主、国民のそれぞれの責務を明らかにしています。自殺
高齢者に多い睡眠障害 高齢者では退職・死別・独居などの心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活、こころやからだの病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります(「不眠症」を参照)。狭心症や心筋梗塞による夜間の胸苦しさ、前立腺肥大による頻尿、皮膚掻痒症によるかゆみ、関節リウマチによる痛みなどによる不眠などキリがありません。またそれらの治療薬によっても不眠・日中の眠気・夜間の異常行動などの睡眠障害が生じます。 高齢者ではうつ病・認知症・アルコール依存症なども多く、これらの精神疾患によっても睡眠障害が生じます。早めの専門医への受診が必要です。さらに若い頃には影響がなかった生活習慣(運動不足・夜勤など)や嗜好品(カフェインの入った飲み物やアルコール類)でも睡眠障害が生じることがあります。不眠や眠気があったら、その原因を突き止めるこ
2型アルデヒド脱水素酵素(2がたあるでひどだっすいそこうそ) / ALDH2 / アセトアルデヒドを分解する主要な酵素。日本人には酵素の働きが弱いひとが多く、少量の飲酒でフラッシング反応を起こし飲酒量が抑制される。 2型アルデヒド脱水素酵素は、エタノールの代謝産物のアセトアルデヒドを分解する主要な酵素です。ALDH2と略します。 日本、中国、韓国などの東アジアのひとでは遺伝子の点突然変異により、酵素の働きが弱いひとが多くみられます。対立遺伝子が2本とも弱いホモ欠損型のひと(日本人の1割弱)は少量の飲酒で血液のアセトアルデヒド濃度が急激に増加し、激しいフラッシング反応(顔面紅潮、嘔気、頭痛、眠気)を起こすのでめったに飲酒しません。1本が弱く1本が強いヘテロ欠損型のひと(日本人の3割強)も、2本とも強いホモ活性型のひとの約1/16の酵素活性しかなく、フラッシング反応が起こるため飲まないひとや少
筋グリコーゲン(きんぐりこーげん) 筋肉に蓄えられる糖の一種で、筋肉の収縮のためのエネルギー源となる。 筋肉に蓄えられるグリコーゲンを筋グリコーゲンといいます。体内のグリコーゲンの8割強が筋グリコーゲンとして蓄えられており、運動においてとても重要な役割を果たしています。 筋肉が収縮する際に使用されるエネルギーは、筋肉内のグリコーゲンを分解して出来るATP(アデノシン三リン酸)という物質と脂肪が分解して出来たFFA(遊離脂肪酸)によって作られます。この分解反応には酸素が使われないため、無酸素性運動という名が与えられています。グリコーゲン分解の際に乳酸が生成され、これは筋肉の収縮を阻害する働きをするため疲労物質とも呼ばれます。この状態が続くと乳酸の増加と筋肉内のグリコーゲンの枯渇によって筋肉は収縮が困難になります。 ここで酸素が供給されると、細胞内のミトコンドリアにおいて生成された乳酸の一部が
ヒトの体内時計の周期は約25時間であり、地球の周期とは約1時間のずれがあります。このずれを修正できず、睡眠・覚醒リズムに乱れが生じたために起こる睡眠の障害を概日リズム睡眠障害と呼びます。時差症候群・交代勤務睡眠障害・睡眠相後退症候群・睡眠相前進症候群・非24時間睡眠覚醒症候群および不規則型睡眠覚醒パターンに分類されます。 ヒトの睡眠・覚醒リズム 時刻を知る手がかりのまったくない、例えば洞窟のような隔離された環境に置かれても、ヒトでは約1日のほぼ規則正しいリズムで睡眠と覚醒がみられます。このことからヒトの睡眠・覚醒リズムは脳の中にある体内時計によって制御を受けていることがわかってきました。睡眠・覚醒リズム以外にも、体温などの「自律神経系」「内分泌ホルモン系」「免疫・代謝系」などが、体内時計によって約1日のリズムに調節されており、このような約1日の周期をもつリズムのことを概日リズムと呼んでいま
糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法の3本柱があります。運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。運動療法の目標として、運動の頻度は週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動強度は中等度(ややきつい)の全身を使った有酸素運動、運動持続時間は20分以上行うことが一般的に勧められています。また、連続しない日程で週に2~3回のレジスタンス運動の両方を行うことが勧められています。 「令和元年国民健康・栄養調査」の結果において、国内の糖尿病の有病者か予備群(糖尿病が強く疑われる者)の割合は男性19.7%、女性10.8%であり[1]、男女合わせて約1,900万人にのぼると推計されます。現在、過剰な食事摂取・運動不足・ストレスなどの生活習慣を主因として急増している糖尿病は2型糖尿病であり、全糖尿病患者の約9割を占めています[2]。 糖尿病の治
*基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とする。 **スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。 ●LDL-CはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)(ただし空腹時採血の場合のみ)。または直接法で求める。 ●TGが400mg/dL以上や随時採血の場合はnon-HDL-C(TC-HDL-C)かLDL-C直接法を使用する。ただしスクリーニングでnon-HDL-Cを用いる時は、高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。 ●TGの基準値は空腹時採血と随時採血により異なる。 ●HDL-Cは単独では薬物介入の対象とはなら
体の中の脂質のバランスが崩れてしまうことを脂質異常症といいます。アルコールの過剰摂取は、トリグリセリド(中性脂肪)の増加につながり、高トリグリセリド血症を招いて急性すい炎のリスクを高めます。一方、いわゆる善玉コレステロールであるHDLコレステロールもアルコール摂取量の増加にともない増加しますが、過度のアルコール摂取は肥満や高血圧を引き起こすため、適量にとどめたほうがよいでしょう。 具体的には、①高LDLコレステロール血症(いわゆる悪玉コレステロールが血液中に多い状態)、②低HDLコレステロール血症(いわゆる善玉コレステロールが血液中に少ない状態)、③高トリグリセリド血症(中性脂肪が血液中に多い状態)のいずれかを満たす病態が脂質異常症と定義されます。 LDLコレステロールが血液中に多く存在すると、動脈の壁にくっつき動脈硬化を進行させます。高LDLコレステロール血症は、動脈硬化の最も強力な危険
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音を伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくく、とはいえ失った聴覚は戻りません。大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどの予防が重要となります。 ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)とは 大きな音にさらされることで起こる難聴を「騒音性難聴」あるいは「音響性難聴(音響外傷)」といいます。騒音性難聴は主に、職場で工場の機械音や工事音などの騒音にさらされることで起こります。一方、音響性難聴は、爆発音あるいはコンサート・ライブ会場などの大音響などにさらされるほか、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって起こります。後者は「ヘッドホン難聴」あるいは「イヤホン難聴」と呼ばれ、近年、特に問題視されています。 WHO(世界保健機関)で
フリーラジカル(ふりーらじかる) / 遊離基 / free radical / 不対電子をひとつ、またはそれ以上もつ分子・原子。 すべての物質は分子から成り立っていますが、その分子は原子核と電子からなる原子の組み合わせによって構成されています。通常、分子の中の電子は2つが対をなして安定して存在していますが、その電子が対をなさず、ひとつだけ離れて存在することがあります。このような対をなしていない電子(不対電子)を持つ原子や分子をフリーラジカルと呼びます(単にラジカルとも呼ばれる場合もあります)。 活性酸素と混同されてしまうことがありますが、活性酸素の中には不対電子を持つものと持たないものがあります。 スーパーオキシドやヒドロキシラジカルはフリーラジカルですが、一重項酸素や過酸化水素はフリーラジカルではありません。ラジカル(過激な)という言葉通り、電子が足りないために不安定で、反応しやすいとい
脂質異常症(高脂血症)の治療は、生活習慣の改善が根幹であり、安易な薬物療法は慎み、薬物療法中も生活習慣の改善を行うべきとされています。運動療法として、中強度以上の有酸素運動を中心に定期的に(毎日合計30分以上を目標に)行うことが推奨されています。運動療法により血中脂質の改善効果が得られ、脂質異常症を改善します。 脂質異常症の基準は、血液中のLDLコレステロール値が140mg/dL以上、HDLコレステロール値が40mg/dL未満、トリグリセライド(中性脂肪)値が空腹時採血で150mg/dL以上・随時採血で175mg/dL以上、non-HDLコレステロール値が170mg/dL以上と定義されています[1]。令和元年国民健康・栄養調査の結果において、空腹時の血液中の総コレステロール値240 mg/dL以上の割合は、男性で12.9%、女性で22.4%であり、約2,200万人が該当することが示されてい
加圧トレーニングは、専用のベルトを腕・脚の根元に巻いて血流を制限して行う、レジスタンストレーニングのひとつの方法です。1回最大挙上重量の2-50%程度の低負荷を用いながら、大きな筋肥大・筋力増強効果が得られることから、2000年代に注目を集めました。画期的なトレーニング法といえますが、利点もあれば欠点もあります。 加圧トレーニングとは 加圧トレーニングとは(株)サトウスポーツプラザ代表の佐藤義昭氏が発明したトレーニング方法で、1993年に特許を取得しています(2013年に期間満了)。腕・脚の根元を専用のベルトを用いて適度な圧力で締めることで、血流を制限して行う大変ユニークなトレーニング方法です。20-50%1RM(1回であげられるMAX重量の20-50%)程度の低負荷強度を用いて大きな筋肥大効果を得られることが報告されています[2]。 筋肥大・筋力増強効果のメカニズム 加圧トレーニングは、
エクスポージャー療法(えくすぽーじゃーりょうほう) / 曝露法 / 曝露反応法 / 不安の原因になる刺激に段階的に触れることで、不安を消していく方法。主に不安症やPTSD、強迫症に用いられる。 何かの刺激によって不安が生じた場合、その刺激を回避することによってかえって不安が慢性化したり、悪化したりすることがあります。不安の発生要因は「刺激」ですが、慢性化や悪化の要因は「回避」なのです。このような場合には回避を中止すること、すなわち刺激に自然に触れることが有効です。この逆説的な治療がエクスポージャー療法で、多くの不安症において極めて高い効果が報告されています。負担を軽減するために、治療者が同伴して、安全、安心を保証しながら、段階的に現実の事物や過去の記憶といった刺激に触れます。そして、触れても大丈夫だったということを話し合って確認します。こうして、刺激に触れても過剰な反応を生じることがなくな
マロリーワイス症候群(まろりーわいすしょうこうぐん) / Mallory-Weiss syndrome / 繰り返す激しい嘔吐のために食道に圧が加わり、食道胃接合部付近の粘膜が破れ出血する疾患。 激しい嘔吐を繰り返すと、急激に上昇した腹腔内圧が食道に加わり、食道胃接合部付近(食道下部から胃の入り口=噴門部)の粘膜に裂傷が起こります。この裂傷は粘膜下層まで生じ、粘膜下動脈から出血します。新鮮血の混じった吐血であり、通常は胸痛や腹痛を伴いません。吐血を主訴として来院する上部消化管出血の5%前後を占める頻度の高い疾患です。 誘因としては飲酒が最も多く、これはアルコールが下部食道括約圧(胃内容物が食道へ逆流するのを防ぐ筋肉の圧)を緩めるてしまうため、容易に胃から食道に圧が加わることによるものです。もちろん飲酒後でなくても激しい嘔吐の反復や咳・くしゃみ、排便、分娩後など、急激に腹腔内圧が上昇する状況
飲酒してアルコール血中濃度に応じた通常の酩酊を単純酩酊と言います。一方で血中濃度に対応しないような著しい興奮や幻覚などの精神症状を伴うような酔い方があり、異常酩酊として区別されます。一般的に酒乱と呼ばれる酔い方はこれに含まれます。 多くの人が経験しているように酔い方には個人差があります。笑い上戸・泣き上戸などの言葉で、古くより酔い方が様々であることは経験的に知られています。酔いは、アルコールが脳機能に作用することによってもたらされます。脳機能にどのように作用するかは個人差があるため、酔い方にも個人差が生じてきます。通常は体内のアルコール濃度が上昇するにつれて、爽快感のある状態⇒感情の抑制が無くなり多弁になったり大声で騒いだりする状態⇒意識朦朧となり会話が成り立たなくなる状態、といった経過を辿ることが多いのですが、なかには少量のアルコールで脱抑制が生じて多弁になる人もいますし、すぐにウトウト
フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)を含む歯磨剤です。幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で、世界で最も利用人口が多い方法です。 日常的に適量のフッ化物配合歯磨剤を使って歯みがきをすることにより、口腔内にフッ化物を供給し、むし歯を予防します。この歯磨剤は医薬部外品で、効能・効果として「むし歯の発生および進行の予防」の記載が、医薬品・医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律で認められています。 フッ化物配合歯磨剤の種類 剤型としてはペースト状が一般的ですが、その他にジェル状、泡状や液状があります。薬用歯みがき類製造販売承認基準によりフッ化物イオン濃度は1,500ppmF以下に定められており、1,450ppmF程度までのものが販売されています。フッ化物イオン濃度としては1,450ppmF・950ppmF
血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。動脈硬化性疾患にならないようにするためには、早期に脂質異常症を改善する必要があります。いずれの脂質も食事からの摂取だけでなく、肝臓でも作られて血液で全身に運ばれますから、摂取する栄養素の量と組み合わせを調整して対応しましょう。 血中LDLコレステロールを下げるためには、体重を適正にし、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール摂取量を制限し、不飽和脂肪酸を過不足なくとり、食物繊維を積極的に食べるようにします。トリグリセライドを下げてHDLコレステロール濃度を上げるためには、適正体重を目指す(維持する)よう総エネルギー摂取量に考慮します。そして、炭水化物エネルギー比率を50~60%の中で低めに設定し、アルコールを制限して、n-3系多価不飽和脂肪酸のEPAやDHAを確保します。高カイロミクロン血症の場合は中鎖脂肪酸の利用も考えまし
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腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維を十分にとって、同居人である腸内細菌と協同して健康を作ることが大切です。 ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。腸内細菌の中で一番数が多い菌は中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少数です。腸内細菌の種類は個人によって極めて多様で異なり、さらに食事・在住国などの要因によっても異なるとされています。また、菌の数は年齢によって増減は
健康づくりのための身体活動基準2013 »
思春期は周囲の影響を受けながら一人の大人として自分を確立する時期です。仲間集団の役割は大きく、この時期の仲間関係のトラブルは大きな影響を及ぼします。思春期に見られる様々な問題行動に対応するには、子どもにとっての目標と背景要因を理解する必要があります。「両価性」は思春期を理解するためのキーワードです。 思春期は、こころの発達の面からは小学校高学年から高校生年代の時期に当たり、中学生前半までを思春期前期、それ以後を思春期後期と呼びます。 思春期におけるこころの発達には多くの要因が関係していて、その関連を【図】に示します。 思春期には第二次性徴に始まる大きな身体的変化が生じ、性的エネルギーが増大します。そして精神的には、社会や学校・仲間集団・家族からの影響を受けながら一人の大人として自分を確立していきます。このことを「自我同一性を獲得する」といいます。 1. 自立と仲間関係 思春期では親から自立
血糖値(けっとうち) 血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。生体内ではエネルギー源としてのブドウ糖の供給と消費が繰り返されており、血糖値はある一定のレベルに維持されている。 血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。ブドウ糖は体内でエネルギー源として利用されています。ブドウ糖の原料は食物中の炭水化物などですが、炭水化物は消化管でブドウ糖に分解・吸収され血液によって全身に運ばれます。 食事を摂り血糖値が上昇すると、膵(すい)臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンの働きにより、ブドウ糖は身体の細胞に取り込まれ、そこでエネルギー源として使われます。ブドウ糖が過剰に存在する場合は、ブドウ糖からグリコーゲンが合成され、肝臓や筋肉に蓄えられます。そして、必要になると、膵臓から分泌される「グルカゴン」などのホルモンの働きにより、グ
イネイブリング(いねいぶりんぐ) / enabling / 依存症者を手助けすることでかえって依存症の回復を遅らせてしまう周囲の人間の行為のこと。 アルコール依存症では、それを取り巻く家族をはじめとする親しい人間が、様々な問題行動に巻き込まれます。早い段階では、依存症者の社会生活が損なわれないように、周囲の人間がアルコール問題を小さくするよう協力・援助してしまいます。例えば「飲酒問題の後始末」「尻拭いをする」などがあります。具体的には、飲酒による借金を肩代わりして支払ったり(親がすることが多い)、酔いつぶれているのを迎えに行ったり、酔って散らかしたり壊したものを片づけてきれいにしたり、二日酔いなどで欠勤する時に代わりに会社電話したり、などです。 このような援助を依存症者におこなっている者がイネイブラー(支え手)で、その行為をイネイブリングと言います。依存症の回復のためには依存症者本人が「ど
β-エンドルフィン(べーた-えんどるふぃん) / β-endorphin / ベータ・エンドルフィン / 脳内で働く神経伝達物質の一種。鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれる。 脳内で働く神経伝達物質「エンドルフィン」のひとつで、モルヒネと同じような作用をする物質です。 エンドルフィンは、子牛や豚の脳から発見されたもので「体内で分泌されるモルヒネ」を意味しています。モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、気分が高揚したり幸福感が得られるという作用があります。 エンドルフィンにはアルファ(α)・ベータ(β)・ガンマ(γ)の3つがあり、β-エンドルフィンはその中でも苦痛を取り除くときに最も多く分泌されます。 マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβ-エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚える「ランナーズ・ハイ」と呼ばれる
ストレッチングを実施する際に注意すべき原則は5つあります。「1. 時間は最低20秒」「2. 伸ばす筋や部位を意識する」「3. 痛くなく気持ち良い程度に伸ばす」「4. 呼吸を止めないように意識する」「5. 目的に応じて部位を選択する」ということです。 ストレッチングは実施方法によって4つに分類することが出来ます。関節の動きの有無により静的(スタティック)か動的(ダイナミック)かに分かれ、一人(セルフ)で行うか二人組(パートナー)で行うかによっても分かれます。柔軟体操とかつては言っていましたが、その概念と大きく違いはありません。また、最近人気が高いヨガ・ピラティスもストレッチングの範疇に入ります。 健康づくりの現場では安全第一で、傷害のリスクが少ないスタティックストレッチングが用いられることが多いようです。柔軟性の向上の効果に関してはスタティックストレッチングがダイナミックストレッチングに劣る
女性の一生のうちで妊娠中や出産後は、うつ病が起こりやすい時期です。その結果として子育てに自信がなくなり、お子さんも可愛く思えず「自分は母親失格」などと考えがちです。しかし、うつ病になった妊産婦の多くの方は適切な治療を受けていないのが現状です。治療法には薬以外にも心理療法や環境の調整も考えられます。ご本人・ご家族の十分な理解のもと、個々の患者さんにあった治療を選択できるように専門医とご相談されることをお勧めします。 妊産婦に起こるうつ病 うつ病はとてもよく起こる病気ですが、女性の場合約12人に1人が一生のうち一度はうつ病におちいります。女性は男性の2倍うつ病にかかりやすいのですが、一生の中でも妊娠中や産後はとりわけうつ病がよく起こります。 うつ病になると、自分自身や自分の置かれている状況を悪くとらえる傾向が強くなります。したがって妊産婦の方がうつ病におちいると「将来の子育てに自信が持てない」
不眠症 不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。 → 不眠症 記事詳細へ 昼間の眠気 -睡眠
非24時間睡眠覚醒症候群(ひにじゅうよじかんすいみんかくせいしょうこうぐん) / non-24-hour sleep-wake syndrome / 一定の時刻に入眠し起床することが著しく困難であり、睡眠の時間帯が毎日30~60分ずつ遅れていく症状。 非24時間睡眠覚醒症候群は、通常の外部環境のもとで、約25時間の睡眠・覚醒周期を示す障害です。一定の時刻に入眠し起床することが著しく困難であり、寝付く時刻が毎日30~60分ずつ遅れていきます。 そのため、夜間に眠れている時期と昼と夜とが逆転して昼間に眠ってしまう時期とが交互に出現します。このため、夜間の不眠と日中の過度の眠気、全身倦怠感により社会生活に支障をきたす時期が周期的に出現するのが特徴です。 高度の視覚障害者で比較的多く報告されており、光による体内時計の同調が行われないことが原因であると考えられています。視覚障害のない症例も報告されて
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