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アメリカ大統領選
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米国カーボンフリー発電企業のコンステレーションは9月20日、2019年に稼働停止していたペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所1号機を再稼働し、その全発電量(835メガワット)を20年間にわたってマイクロソフトに供給する、前例がない規模の契約を締結したと発表した。同社によると、1979年の事故で影響がなかった1号機の今後2028年までの改修費用は16億ドルかかる見込みだ。4年後の再稼働は、2022年に制定されたインフレ削減法(IRA)に基づく原子力発電向けの税優遇措置による助成金次第としている。なお、1979年に事故を起こした2号機は再稼働の対象とはなっていない。 今回の契約は、テクノロジー業界の急増するエネルギー需要への対応と、気候変動対策の両立を目指す新たな動きとして注目される。米国調査会社ロジウムグループの試算によると、自動車の電動化や人工知能(AI)の導入に伴うデータセンター
中国外交部は4月17日の定例記者会見で、米国やEUが指摘している中国製の電気自動車(EV)や太陽光パネルの過剰生産能力に関する質問に答え、「中国の過剰生産能力が世界市場に悪影響を及ぼすとの指摘は誤っている」と反論した。 外交部の林剣報道官は質問に対し、習近平国家主席は前日の16日に行われたドイツのオラフ・ショルツ首相との会談で「中国による電気自動車、リチウムイオンバッテリー、太陽光発電関連製品などの輸出は、グローバルな供給を豊富にし、インフレ圧力を緩和し、気候変動対策やグリーントランスフォーメーション(GX)に大きな貢献をしている」と指摘した(2024年4月18日記事参照)と回答した。 林報道官は、中国は、生産能力の問題は市場経済の原理に基づき、経済のグローバル化を背景にした国際分業と世界市場の文脈で分析されるべきと繰り返し強調してきたとした。その上で、新エネルギー産業での中国の優位性は補
米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は7月25日、ホームレスの路上生活者の拠点の早期撤去に向けた知事令を発令した。 知事令は、連邦最高裁判所が6月に、公共の場所での路上生活を禁止するオレゴン州グランツパス市の法令を容認したことを受け発表されたもの。州政府機関に対し、州所有地内のホームレスの拠点を早期に撤去するよう命じると同時に、ホームレスを援助・支援することを指示している。さらに、法的拘束力はないものの、州機関と同様の対応を市や郡にも求めている。 ニューサム知事は、「これまで裁判所は、州を含む自治体がホームレスの路上生活の拠点を撤去する権限を認めていなかった。カリフォルニア州は、かかる危機的状況に対処するために懸命に取り組んできた。もう言い訳はできない。今こそ、自分の役割を果たすときだ」と声明で述べた。 知事令に対して、ホームレスの支援を行う団体などからはシェルターがす
米国の2024年大統領選挙共和党予備選挙で首位を走るドナルド・トランプ前大統領の選挙陣営は1月31日、同氏が大統領になった際に、米国の労働者を守るために実施する10項目を発表した。その多くが、通商や自動車産業に関連する内容となっている。 トランプ氏の選挙陣営が発表した10項目は次のとおり。 中国の最恵国待遇(MFN)を撤回し、中国やその他の貿易乱用国に厳しい罰則を科す。米国外の自動車部品製造は、最初にターゲットとする分野の1つで、自動車部品製造を中国から米国に大規模に取り戻す。 「バイ・アメリカン(米国製品を買う)」と「ハイヤー・アメリカン(米国人を雇用する)」の促進により、米国の雇用と労働者を保護する。 政権発足初日に国境を封鎖し、何百万人もの不法な低賃金労働者を米国に流入させるジョー・バイデン大統領の無法な措置を阻止する。 政権発足初日にバイデン大統領による電気自動車(EV)普及命令を
ウクライナ・エネルギー省は1月26日、2023年11月および12月の同国の産業分野での電力消費量を発表した。2023年11月の同消費量は22億6,000万キロワット(kW)となり、前年同月の17億9,000万kWより26%増加した。同12月は23億4,000万kWで、前年同月の16億9,000万kWと比べ38%増とさらに大きな増加を記録した。2022年10月から2023年2月にかけて、ロシアによるウクライナへの電力インフラへの攻撃が行われた影響により、大きく落ち込んでいた同国の電力消費量が回復してきていることがうかがえる。 ヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー相はプレスリリースの中で、「産業分野での電力消費量が増加し、その結果として国民経済の成長が可能となったのは、電力システムの安定稼働の実現によるところが大きい。敵の攻撃にもかかわらず、2023年2月以来、われわれは産業分野と一般家庭の両
ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相は12月22日、中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)がハンガリー南東部の都市セゲドに欧州初のEV組立工場を建設すると発表した(2024年1月4日記事参照)。シーヤールトー外務貿易相は、同社の決定はハンガリー投資促進庁(HIPA)との224回にわたる交渉の結果だと述べた。 HIPAは同日付のプレスリリースの中で、ハンガリーはビジネスフレンドリーな環境、利用可能で整備されたインフラと物流網、競争力を有しかつ熟練した豊富な労働力、グリーンエネルギー移行への献身的な取り組みにより、BYDの欧州初のEV製造工場として最適な場所だとした。この投資により、数千人規模の高付加価値の雇用が創出されることになる。 シーヤールトー外務貿易相は、このプロジェクトはハンガリー経済史上で最大規模の投資の1つになると述べた(注)。政府はこの投資に対して財政支援を行
欧州自動車工業会(ACEA)は1月18日、EUの2023年の乗用車の新車登録台数(暫定値)は前年比13.9%増の1,054万7,716台だったと発表した(プレスリリース、添付資料表1、図参照)。新型コロナウイルス感染拡大以前の2019年の水準には達しなかったが、ハンガリーを除く全ての国で前年比プラスとなり、4年ぶりに1,000万台を超えた。最大市場のドイツは前年比7.3%増にとどまったが、イタリア(18.9%増)やスペイン(16.7%増)、フランス(16.1%増)など多くの国で2桁増となった。 主要メーカーグループ別の市場シェアは、フォルクスワーゲン(VW、26.1%)、ステランティス(17.8%)、ルノー(10.9%)、現代(8.4%)、トヨタ(6.9%)の順で、2022年と変わりなかった(添付資料表2参照)。 日本メーカーでは、レクサスの新車登録台数の伸びが前年比56.7%増の約4万台
国連の推計によると2023年、インドは中国を抜いて、人口世界一になった。筆者は現在、インド第3の都市圏、ベンガルールに居住するが、どこからともなく集まってくる人の多さには、毎日驚かされる。日本の10倍以上の人口を擁するため、当然と言えば当然だが。 しかしそんな中、インドの合計特殊出生率の低下に警鐘を鳴らす記事を当地メディアが掲載した。7月11日の世界人口デーに合わせてのことだった。そう聞くと、「インドで少子化?」と意外に思われる読者も多いかも知れない。 そこで本稿では、データを基に解説していく。 この先40年は人口増が見込まれる まずは、インドの人口推移を見てみよう。 図1のとおり、1960年時点で、人口は4億4,083万人だった。それが2023年に14億2,202万人に達し、現在も大きく増え続けている。国連の推計では、インドの人口は2064年に16億9,704万人でピークを迎える。そのた
EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会は12月9日、EU域内で一律に適用される人工知能(AI)の包括的な規制枠組み規則案(AI法案)に関して、暫定的な政治合意に達したと発表した(プレスリリース)。AIシステムの技術革新が急速に進む中、域内で提供されるAIシステムの安全性や基本的人権などEUの価値の保障を確保することが狙い。また、EUは世界初になるとみられるAI法案を、AI規制における世界標準にしたい考えだ。 欧州委員会が2021年4月にAI法案を発表して以降(2021年4月23日記事参照)、2022年末に提供を開始した米国オープンAIの生成型AI「ChatGPT」が大きな反響を呼ぶなど、AIへの投資は加速している(2023年9月26日付地域・分析レポート参照)。現地報道によると、世界的に開発競争が激化する中、域内での生成型AIへの過度な規制はEU企業を不利にするとして、ドイツやフランスなどの加
出所:インタビューを基にジェトロ作成 リーグを運営する企業としての「ベースボール・ユナイテッド」を創業したのは、起業家のカッシュ・シェイク氏だ。共同創始者・出資者に、バリー・ラーキン氏やマリアノ・リベラ氏、エイドリアン・ベルトレ氏など、有名な元メジャーリーガーが名を連ねている。資金の出どころがいわゆる「中東オイルマネー」とは異なるのも特徴だ。 創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)のシェイク氏に、中東でプロ野球リーグを発足した狙いやビジネスプランについて話を聞いた(2023年8月23日)。 創業者のカッシュ・シェイク氏(ジェトロ撮影) 質問: これまでのキャリアと、ベースボール・ユナイテッドを創業したきっかけは。 答え: 米国のテキサス州ヒューストンで生まれ育ち、小学校から大学まで野球をプレーした。その中で、野球が持つ古い歴史や、豊富なデータや統計を活用するスポーツということに魅了されてき
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米国でウイグル強制労働防止法(UFLPA)(注)に基づく輸入禁止措置が6月21日に施行されてから2カ月がたとうとしている。同法は、中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の米国への輸入を原則禁止している(2022年6月21日記事参照、注)。米国税関・国境警備局(CBP)は、既にUFLPAに基づいて複数貨物の輸入を差し止めたもようだ。 米国メディアによると、太陽光発電製品の差し止め事例が相次いでいる。「ウォールストリート・ジャーナル」紙(電子版8月9日)は業界幹部らの話として、いずれも中国の太陽光パネルメーカーのロンジ・グリーンエナジー・テクノロジー、ジンコソーラー、トリナ・ソーラーの3社の製品の輸入が差し止められた、と報じた。輸入差し止めを受け、ロンジ・グリーンエナジー・テクノロジーは、米国向けに太陽光パネルを製造するベトナムの工場の稼働を一時停止したという。太陽光発電製品の輸入差し止めにつ
米国ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所が8月24日に公表したレポートは、新型コロナウイルス感染症の後遺症によって職場に復帰できない者がフルタイム当量で約400万人いる可能性があると指摘した。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、後遺症が残る割合は18~64歳では5人に1人、65歳以上では4人に1人程度とされているが(2022年6月6日記事参照)、今回のレポートではさらに進んで、就労困難者の具体的人数にまでアプローチした。 具体的な算出方法は以下のとおり。CDCによると、米国人の70%が既に新型コロナウイルスに感染しており、うち24.1%が後遺症に苦しむとされ、生産年齢人口(15歳から64歳)に当てはめれば、3,400万人が該当するという。さらに、ミネアポリス連邦準備銀行の調査では、後遺症から回復したとの回答は50%で、残りの50%に当たる生産年齢人口の1,700万人がいま
家具・インテリア用品チェーンの「ニトリ」を展開するニトリホールディングス(以下、ニトリ)は11月4日、中国での58店舗目となる「NITORI北京銀座和諧広場店」(約1,370平方メートル)(11月3日プレオープン)、59店舗目となる「NITORI北京豊台永旺店」(約2,871平方メートル)を同日オープンした。 ニトリは、中国では既に湖北省、天津市、上海市、四川省、広東省、江蘇省、浙江省、山東省、湖南省など多くの都市で店舗を展開しているが、北京市への出店は今回が初となる。 「NITORI北京銀座和諧広場店」の開業式で、ニトリの現地法人である似鳥(中国)投資の杉浦栄総経理は「家の中のものはニトリに来ればすべてそろうことを目指す」と抱負を述べた。店内には家具だけでなく様々な日用品が取りそろえられており、同店はプレオープンからの2日間で、食器やソファーなどを中心に予想を大きく上回る売り上げを達成し
米国内国歳入庁(IRS)は10月18日、2023年の税額控除額を約7%増額すると発表した。10月13日には社会保障庁(SSA)が2023年の年金支給額を8.7%引き上げると発表しており、公的支援のインフレ調整は毎年行われているものの、11月8日の中間選挙前に物価上昇に対応する増額手当が相次いでいる。 IRSによると、2023年に適用する税額控除額は、標準的な夫婦で2022年から1,800ドル増の2万7,700ドル、個人で900ドル増の1万3,850ドルとなる。どちらも約7%の増加だ。月単位では75~150ドル軽減される計算となる。これにより、2023年の限界税率は、夫婦の年収が2万2,000ドル以下の場合は10%、2万2,001~8万9,450ドルは12%、8万9,451~19万750ドルは22%、19万751~36万4,200ドルは24%、36万4,201~46万2,500ドルは32%、
秋冬の新型コロナウイルス感染拡大に備え、感染防止策を定めた感染症予防法の改正案が9月8日、ドイツ連邦議会(下院)で可決された。9月16日の連邦参議院(上院)での承認を経て、施行となる見込みだ。 全国一律の主な規制は、長距離公共交通機関などでのマスク着用義務だ。都市封鎖(ロックダウン)、夜間外出禁止令、学校閉鎖などは行われない。このほかの追加措置は各州が定める。適用期間は、10月1日から2023年4月7日まで。 主な措置は以下のとおり。 【全国一律で適用される規制】 長距離公共交通機関:長距離鉄道やバスでのマスクの着用義務。着用するマスクは、14歳以上はFFP2マスク、6歳以上13歳以下は医療用マスク。5歳以下は着用義務なし。また飛行機内での着用義務なし。 医療機関・介護施設:FFP2マスク着用と新型コロナ検査の陰性証明の提示が義務。 【各州の権限で感染状況に応じて適用可能となる規制】 近距
ブラジル中央銀行は11月16日、同行が開発した即時決済システム「ピックス」(PIX)の運用を開始したことを発表した。このシステムは、スマートフォンなどによる支払い、振り込み、送金などを低コストで、24時間365日実施できるものだ。 利用者にサービスを提供するのは、商業銀行や金融サービスを提供するスタートアップ(フィンテック)などの金融機関。中銀がデータベースや決済システムを一元管理し、異なる金融機関間の決済手続きが迅速かつ低コストで可能になる。従来の決済方法と異なるのは、支払う側も受け取る側も、口座情報を相手方に教える必要がない点だ。ID、メールアドレス、携帯電話番号などから自ら選んだ暗号鍵(通称:ピックス・キー)を伝えることで取引が成立する。個人の場合は原則として手数料がかからない。企業に対する手数料は各金融機関が定めるが、今まで低くなると見込まれている。 中銀のロベルト・カンポス・ネト
フランス公衆衛生局の7月27日付発表によると、フランス国内のサル痘感染者数は前日の26日時点で1,837人となり、前回22日付発表(21日時点)の1,567人から約1週間で約300人増加した。パリ首都圏のイル・ド・フランス地域圏が781人で、居住地が判明している感染者の55%を占め、これにオクシタニー地域圏(151人)、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏(150人)が続いた。 フランソワ・ブローン保健・予防相は同日、公営ニュース専門局フランスアンフォに出演し、サル痘の感染拡大について「フランスは世界でも早期に予防ワクチンを承認した国の1つだ。パニックになる必要はない」と述べる一方、ワクチン接種の予約がすぐには取れないことを認め、対応人員の増強に向けてワクチン接種に係る人材を医学生などに広げる7月26日付アレテ(省令)を発布したと説明した。 ブローン保健・予防相によると、7月27日時点で国内
米国ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスは7月1日、ジョー・バイデン大統領の支持率などに関する世論調査の結果を公表した(注)。 この調査によると、2024年大統領選挙において、有権者の過半数がバイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の立候補を望んでいないことが分かった。「バイデン大統領は立候補すべきでない」と答えた割合は71%で、「トランプ前大統領は立候補すべきでない」と答えた割合も61%に上った。バイデン大統領が立候補しなかった場合、民主党内ではカマラ・ハリス副大統領(25%)の人気が最も高く、ヒラリー・クリントン元国務長官(15%)やバーニー・サンダース上院議員(12%)がこれに続いている。トランプ前大統領が立候補しなかった場合、共和党内ではロン・デサンティス・フロリダ州知事(36%)やマイク・ペンス前副大統領(17%)が有力候補に挙がっ
人口2,000万人強のスリランカが現在、経済危機に瀕している。直接の契機は、新型コロナ禍で外国人観光客の来訪が止まったことにある。しかし、問題の根幹には、長年続く赤字体質の国家財政、貿易構造に由来する貿易収支赤字がある。これらマクロ経済の構造上の問題は、長年放置されてきた。それが表面化した結果といえる。 スリランカ経済が持ち直すには外部からの支援が必要ながら、それは地政学的な環境変化にもつながる可能性がある。 生命線の観光業が大打撃 スリランカ経済は、2021年は3.7%成長と、前年の3.6%減から回復の動きをみせた(2022年4月8日付ビジネス短信参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、2020年の成長率は2001年以来のマイナス成長と大幅に落ち込んでいた。その反動増に加えて、経済活動の正常化やワクチン接種の進展が回復に寄与した。2021年の成長率は、新型コロナ前の2015年か
農業は、気温の上昇や気象の多様化、植生環境の変化、洪水や干ばつなどの異常気象の頻発化など、気候変動の影響を最も受けやすい産業と言われている。気候変動によって農業生産が不安定化する一方で、世界食糧機関(FAO)の2020年の報告によれば、世界で約6億9,000万人が飢餓状態(注1)にある。この数は1年間に1,000万人、5年間で6,000万人近く増加すると推計されている。人口増加圧力とともに食糧需要が増え続けており、気候変動による農業生産の不安定化が、食糧安全保障への懸念を増大させている。また世界銀行によれば、世界で生産された食糧の3分の1が廃棄または消失しているなど、食糧の流通管理にも課題がある。 イスラエルは1948年の建国以前から、開拓を嚆矢(こうし)として、農業開発を中心に発展した。1990年代以降のハイテク産業勃興期には、先進的な農業関連技術(アグリテック)を開発・提供する企業が多
ジョー・バイデン米国大統領は5月23日、米国および日本を含む13カ国(注1)とインド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity)の立ち上げを発表し(2022年5月24日記事参照)、その後、全参加国による共同声明〔英/日(仮訳)〕を公表した。共同声明では、参加国間で経済的関与を深めることが、成長、平和および繁栄の継続にとって極めて重要であることを共通認識するとした上で、IPEFを構成する4つの柱(注2)について将来の交渉に向けた議論を開始するとした。 貿易については、ハイ・スタンダードで、包摂的で、自由かつ公正な貿易に係るコミットメントの構築を追求するとして、デジタル経済における協力を含む、貿易・技術政策において新しく創造的なアプローチを発展するよう努めるとした。 サプライチェーンについては、強靭(きょうじん)で統
IMFは5月9日付のプレスリリースで、モザンビークに対する総額約4億5,600万ドルの拡大クレジットファシリティー(ECF)の適用を承認したと発表した。ECFの期間は3年となり、約9,100万ドルの即時給付が可能になっている。モザンビークへのECFは非開示債務問題発覚後の2017年10月に停止(2017年11月27日記事参照)していたが、2022年3月にIMFと同国政府のスタッフ間で再開について合意していた(2022年4月6日記事参照)。 本ECFは、モザンビーク政府による財政などのガバナンス改革、腐敗やマネーロンダリング防止枠組みの強化、ソブリン・ウェルス・ファンドの創設などの取り組みへの支援が主な対象範囲だ。モザンビーク経済団体連合会(CTA)のアゴスティーニョ・ブマ会長はメディアの取材に対し、ECFの再開は国際社会でのモザンビークの地位向上につながると歓迎し、同国の民間セクターにも恩
欧州委員会は5月5日、再生可能エネルギーを用いた水素(以下、再生可能な水素)の生産に必要な電解槽の製造業者など20社の最高経営責任者(CEO)とともに、EU域内の電解槽の製造能力の拡大に向けた共同宣言に署名したと発表(プレスリリース)した。この共同宣言では、製造業者は2025年までに欧州での電解槽の製造能力を現在の約10倍となる年間17.5ギガワット(GW)に引き上げ、2030年までには製造能力をさらに高めることを目標とし、欧州委も目標の実現に向けた多角的な支援を実施するとした。 欧州委はこれまでも、2050年までの気候中立の達成に向けた欧州グリーン・ディールに基づき、再生可能な水素の域内生産量の拡大に向けて、官民協働のためのプラットフォームである「欧州クリーン水素アライアンス」の立ち上げや、天然ガスから水素への移行に向けた法整備(2021年12月16日記事参照)などを実施していた。その後
新エネルギー・新素材関連のシンクタンクTrend Bankは4月21日、中国の水素ステーションに関するデータを発表した。発表によると、中国の水素ステーションは2022年4月19日までにチベット自治区、青海省、甘粛省以外の28省・直轄市・自治区に合計で264カ所建設されている。地域別では、広東省が50カ所、山東省が28カ所、江蘇省、浙江省が21カ所、上海市、湖北省が15カ所、北京市が14カ所、河北省が13カ所、遼寧省が10カ所などだった。石油大手の中国石化は2019年以降、水素ステーション建設を開始し、現在まで76カ所を建設、運営している。 水素をはじめ中国の新エネルギー産業動向に詳しい、インテグラルの中西豪総経理は、水素ステーションについて「70メガパスカル(MPa)の高圧仕様のステーションは、まだ全体の10%以下だが、既存のステーションにおいて70メガパスカル対応の高圧仕様化の傾向があり
出所:IEA、IRENAなどを基に作成 最も環境にやさしいのはグリーン水素だが、グリーン水素の価格はグレー水素に比べて高いことが難点だ(注2)。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、グリーン水素の生産拡大における課題は経済性であり、グリーン水素の生産価格がグレー水素や化石燃料と同水準まで達する必要がある、と指摘している(注3)。 グリーン水素の価格は、電解槽への投資コストや稼働時間、再生可能エネルギーによって発電された電力のコストなどに左右される。IRENAによれば、2020年時点では太陽光または風力由来の電気で作られたグリーン水素の価格はブルー水素の価格を上回っているが、今後10年で、グリーン水素の生産コストを1キログラムあたり2〜3ドルまで低下させることが可能になるという(注4)。 EU加盟国で水素戦略の策定が相次ぐ 水素の中でも、グリーン水素とブルー水素の生産・利活用について、
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