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質問の仕方で変わることがあるデザイナーにとって、プロダクトマネージャーやエンジニアとの効果的なコミュニケーションは、良いデジタルプロダクトを生み出すために欠かせません。ドキュメントや打ち合わせを通して施策への理解を深めていきますが、情報のインプットだけでは分からないことがあります。そこで、意図を明らかにするために質問をするわけですが、ただ「なぜですか?」と尋ねても望む返答が得られない場合があります。では、どのように質問すれば良いのでしょうか。 私自身、まだ完全にできているわけではありませんが、質問するときの秘訣がいくつかあります。 相手の見解に興味を示す良い質問をするために最も重要なのは、純粋な好奇心です。プロダクトマネージャーやエンジニアの見解に興味を持ち、もっと知りたいと思う気持ちが、良い質問を生み出します。抽象的に聞こえるかもしれませんが、形式的な質問を覚えるより、ずっと効果的です。
AppleとGoogleが見据える生成UIの世界AIを活用した今後のUIデザインを考察する上で、プラットフォームを開発するAppleとGoogleの動向は注目です。両社ともマルチモーダル大規模言語モデル(Multimodal Large Language Model / MLLM)の研究を進めており、その成果が公開されています。 Recent advancements in multimodal large language models (MLLMs) have been noteworthy, yet, these general-domain MLLMs often fall short in their ability to comprehend and interact effectively with user interface (UI) screens. In this p
見えにくいところの費用対効果デジタルプロダクトのデザインにおいて「Craftmanship」、つまり職人技を追求することは、ユーザー体験の向上やブランド価値の構築に欠かせない要素です。その重要性が広く認識されている一方で、現実には様々な制約から職人的なデザイン品質の追求が難しいのも事実。費用対効果や締め切りといった制約があるなかで、デザイン品質の追求は容易ではありません。 この記事を書くとき、「Craftmanship」をどう表現するか迷いました。 「職人技」という言葉を選んではみたものの、様々な意味が含まれていることから誤解が生まれやすい表現です。デジタルプロダクトデザインの文脈では、グリッドやタイポグラフィ、カラー、コンポジションなどを駆使した美しいビジュアルを作り上げることはもちろん、ユーザーの行動パターンや心理を理解したインタラクションを設計することも含まれます。コアとなるデザイン
前進するための『思い切り』ここ数年、人や組織がどう意思決定をしているのかについて、色々な方法を調べたり実際に試してみたりしています。多様なプロセスやフレームワークがあり、参考になるデータもたくさん手に入る今、意思決定は以前よりもスムーズになったかと思いきや、そうでもない場合があります。特に、コンセンサスを重視する組織では、意思決定に時間がかかり、議論が長引くこともしばしばです。全員が納得するまで議論を重ねたり、根回しを繰り返していると、時間がいくらあっても足りなくなります。 多様な背景を持つ人々が集まる大企業での対応について調べていたとき、「Disagree and commit」という言葉に出会いました。チームメンバーが自由に意見を交換し、建設的な議論を通してより良い意思決定を目指す手法です。たとえ意見が対立しても、最終的に下された決定には全員が コミット し、協力して実行します。日本語
どちらかというと優先順位は低めですデザインシステムの必要性を説く時代は終わりましたが、その利用促進や運用継続は容易ではありません。デザインシステムの構築者とプロダクト設計者が同じ人物であるような小規模組織では、ガバナンスの課題は些細なものばかりです。また、コミュニケーションが活発な小さな開発チームなら、メンバーのモチベーションが続く限り、維持・管理は比較的容易です。 組織が大きくなり、様々な体制やプロセスを持つ複数のプロダクトが存在する場合、全員一丸となってデザインシステムを取り組むのは難しくなります。その結果、「作る側」と「使う側」に分かれがちです。この問題を解決するため、各プロダクトから代表者を集めて議論する連邦制のような体制が考えられます。しかし、デザインシステムへのコミットメントを本業と両立させるのは容易ではありません。 プロダクトの開発と改善に集中しているチームにとって、デザイン
伝わらないと悩むところは多いUXデザイナーやUXリサーチャーから、ユーザーの課題を優先的に取り組めない、または課題を伝えても理解されないという相談を受けることがあります。デザイナーを含め、多くの人がユーザーに価値を提供したいと考えています。しかし、価値観の違いや事業の優先順位により、意図が伝わらないことがあります。特に大きな組織では、このような悩みを耳にすることが多いです。 デザイナーだけでなく、異なる分野の専門家も「大事に思っていることが周知されない」という悩みを持っています。例えば、気候変動に関するジャーナリズムの分野では、災害の報道だけでは読者の関心を引きにくく、報道の優先順位も低いことが課題とされています。 この問題に取り組む一環として、2022年1月に The Oxford Climate Journalism Network(OCJN)が設立されました。記者、編集者、写真家、フ
2023年はAIの年今年、話題から逃れられないほど、AIに関する話題が非常に盛り上がりました。画期的な革新は少なかったものの、既存の技術が徐々に洗練されているのが感じられます。洗練されてきたからこそ、私の働き方に影響を与えたのかもしれません。革新的な出来事は少なかったですが、多くの新しいモデルやサービスが発表されました。以下に挙げるのはその一部です。 テキストGoogle BardLlama 2GrokCustom Instruction for ChatGPTOverflow AI画像Adobe FireflyDALL·E 3Midjourney v6Stability AIShutterstock AI自分のイラストのテイストを基にFireflyで生成した例。ビデオGen-2 by RunwayPikaHeyGen今年の AI に関する政策や規制の動向を包括的に捉えるには、タイムライン
「アクティブ数が増えない」 「コンバージョン率が悪い」 「リリースした〇〇が使われない」 「オンボーディングがうまくできていない」 デジタルプロダクトの改善する際に取り上げられるフレーズたち。これらのフレーズが多くの会話やアイデア発散の起点となることがあります。しかし、これらはすべて課題ではなく、症状です。「アクティブ数が増えない」のは、開発陣の行動やステークホルダーの判断の結果(症状)であり、課題そのものではありません。真の課題を特定するためには、「なぜアクティブ数が増えなかったのか?」という深掘りする問いかけが必要となります。 単に「アクティブ数が増えない」という症状だけを見て対策を立てるのは、医者が具体的な診断をせずに治療を始めるのと似ています。このアプローチで一時的な改善が見られることもあるかもしれませんが、真の原因を突き止めずにアプローチをすると、その結果から学ぶことは少ないでし
2年前に一緒に働いてみたいと思うあなたへという自己紹介ページを作りました。プロフィールや経歴ではなく、自分の考え方や仕事への姿勢が書かれた内容。なかなか好評で、自分なりにアレンジして公開している方もいます。 私のこと | Aika KohamaHiroaki Nakano : Read meご依頼を検討されている方へ | majima DESIGN一緒に働いてみたいと思うあなたへ|Yohei Watanabe|noteデザイナーといっても千差万別ですし、作品集や経歴を見ただけでは「この人とうまく働けるだろうか」という不安を拭い去ることはできません。また、リモートワーク / ハイブリッドが主流になったことで、仕事仲間のはずなのに遠い存在に感じてしまうこともあると思います。お互い遠慮していたり、知らずのうちに自分ルールを相手に押し付けていることもあります。 私はアドバイザーのような立場で組織に
Node型ツールの真価個人向けナレッジマネージメント で Roam Research をはじめとした Node で情報を整理するのに慣れてくると、ページという枠組みが窮屈に感じることがあります。Node型ツールはキーワードをリンクして関係性を構築するのが特徴なので Wiki と同じように見えますが、少し違います。 Node の下に参照している別 Node が表示されている一見、アウトライン型のページに見えますが、リストアイテムひとつひとつにメタデータが割り振られた Node (Block と呼ばれることもある)になっています。上図スクリーンショットでは、 Node を参照している別の Node が分かるようになっています。ページとページをリンクするというより、Node と Node をリンクさせることができるのが大きな特徴です。 少し分かり難いコンセプトですが、Notion の同期ブロック
AI はリサーチに使える?ここ数年、インタビューをはじめとした定性調査のデータベース化やインサイトの整理の支援をしています。データベースはプロジェクト単位では見え難い、横断的な傾向が見える場合があるものの、運用コストがかかります。 短期的なメリットが見え難いだけでなく、運用負荷がかかるので片手間では続きません。インタビューのように文字起こしや要点をまとめるなど時間がかかる作業が多いのも長続きしない理由です。 こうした課題を解決するための自動化をいろいろ試していますが、昨年から AI(人工知能)をリサーチ分析に使えないか検証を始めています。例えば Google の Cloud Natural Language でテキストマイニングをし、ユーザーが使っている言葉の頻度を視覚化できないか試していました。ユーザーフィードバックをマイニングするだけでも、どの機能への要望があるのか見えて興味深い結果に
見えていなかった関係性が見えてくるもし「デザインシステム」について勉強するなら、どんなトピックを選びますか? 多くの方は UI コンポーネントや Figma をはじめとしたデザインツールでの管理方法を思い浮かべるはずです。これから勉強を始めたい方には良いトピックですが、「デザインジェネラリスト(幅広い知識とスキルをもったデザイナー)の定義」のようなトピックを思いつく方は少ないかもしれません。 一見、デザインシステムと関係ないように見えますが、デザインジェネラリストはデザインシステムを作り始める方に多い傾向です。スキルが高いのでひとりでいろいろ出来てしまう一方、タスクが多過ぎて目の前の作業しか見えなくなることがあります。優先順位を付けるなど戦略的にデザインシステムに取り組むような体制やコミュニケーション設計が重要です。 「デザインシステムを広く使ってもらうには、デザインジェネラリストの定義が
分かっている課題に取り組む危険性アメリカ国務長官ドナルド・ラムズフェルドが残した有名な言葉があります(下記はWikipediaの引用)を基に意訳したもの)。 何かが起こっていない報告は、いつ聞いても興味深い。なぜなら、我々が既に知っていると既知しているものと、十分に理解していないがあることに気付くからだ。しかし、未知の情報、つまり我々が知らないことすら知らない情報も含まれている。彼の言葉をタイトルにした「The Unknown Known 」というドキュメンタリーもあります。非常に哲学的ですが、定性・定量データを扱う人たちにとって重要なメッセージです。ドナルド・ラムズフェルド元国務長官は「Known Knowns」「Known Unknowns」「Unknown Unknowns」について話していますが、「Unknown Knowns」という組み合わせもあります。これらをリスク分類の一環で
デザインの推進は簡単なことではありません。デザインの定義が広がり過ぎてしまったことで人によって解釈や期待が異なりますし、デザイナーの責任範囲も様々です。あれこれ挑戦を続けても物事は思うように早く進まないですし、時には悲観的になるかもしれません。 物事が進むのが遅いのはごく自然なことです。何か実践するだけであれば、一週間あればできるかもしれません。ただ、そこで作ろうとしている価値を組織全体に浸透させるのは時間がかかります。組織が大きければ数年かかることもあります。長期戦だからこそ難しいですし、諦めてしまうこともありますが、うまく進める方法もあります。 中核へいくほど進みが緩やかですが、インパクトが大きくなります手段の目的化にある罠例えば UI ライブラリを作ることを目標とします。とりあえず作ることはできるかもしれませんが、作業コストに担う効果は得ることができるでしょうか。 UI ライブラリを
Company has been taking steps to change culture following scandals that appeared to demonstrate aggressive business practices and a toxic workplace 言葉には様々な意味が含まれていますし、自分の都合に合わせて解釈を変えることもできます。例えば「ユーザーファーストのプロダクトを作る」も下記のような解釈ができます。 ユーザーニーズを深く理解し、彼らへ価値提供することを優先しようユーザーファーストができるように、まず利益を上げることを優先しようユーザーファースト(お客様第一)とは何か? そのマインドセットを起点に物事を考えることなのか。そういう存在になれるよう成長することが先なのか。人によって解釈は様々です。 これは、どちらかが合っている / 間違っ
やる気が落ちる負のスパイラル新しい職場、新しい体制、新しいサービス。 気分をリフレッシュして新しい環境でデザイナーとして働くのはエキサイティングです。試したいアイデアもたくさんあるので、最初はやる気も高めです。しかし、戦略的に活動しないといつの間にか日々の作業に追わるだけで、周りへのインパクトも仕事のモチベーションも落ちていきます。 新しい環境で働き始めるデザイナーが陥る困難はいろいろありますが、例えば下記のようなパターンがあります。 「少しでも早く役に立たないと」と焦る気持ちが先走ってしまい、情報量と必要な知識が多過ぎて整理がつかなくなってしまう。「こうしたほうが使いやすいよ」と改善案を提案してみたものの採用されず、気づけば指示を受けて作業する人だけになってしまう。「これを機会に〇〇はじめよう、広めよう」と意気込むものの、他にやることがたくさんあるので次第にやる時間を失う。こうした状況に
使いこなすための前提を合わせる小さな組織では、デザインシステム を作る人と使う人が同じ場合がほとんどです。自分達の作り方を最適化することがゴールになるので、ガイドラインより UI コンポーネントを揃えたり、実装との連携を優先して進めるほうが効果的です。次第に関わる方が増えたとしても、考え方や作り方が合う有志を集めてボトムアップで少しずつ広げることも可能です。 こうしたアプローチは大きな組織になると次第に難しくなります。複数のプロダクトでデザインシステムが必要になるだけでなく、それぞれ作り方が異なります。外注していると、作り方がハッキリ分からない場合もあります。また、前線で活躍する方とスキルギャップがある方が、入社・異動することもあります。 デザインシステムのメリットのひとつに「効率化」が挙げられることがありますが、これは携わるメンバーに下記の知識やスキルが備わっているという前提に基づいてい
作り続けるだけだと小さくなるデザイナーがデジタルプロダクト(web サービスやアプリなど)に貢献できることは山ほどあります。しかし、デザイナーの視点で気になるところを改善しても組織からの評価は上がらないですし、ユーザーにも大して価値提供ができない場合があります。デザイナーのもつユニークな視点はプロダクトに多大な価値を提供できる可能性を秘めているものの、ただデザインしていれば自然とうまくいくわけではありません。 さらにやっかいなことに、デザインの依頼が次々とやってきます。「あれを作って欲しい」「これを試して欲しい」といった要望は絶えないので、ついつい受動的な動きになってしまいます(一概に悪いコトではないですが)。能動的なデザインの仕事をするために視座を変化させなければ、いつまでたっても、周りから来る依頼をさばく以上の活動ができません。そうした状態が続くと、少しずつデザイナーの仕事範囲は小さく
決める立場の難しさ最初は広義なデザインに関わるデザイナーも、組織が大きくなると仕事の範囲が小さくなる場合があります。課題の根本を理解した上で施策の方向性を決めるところに関わりながらデザインしたい方には辛い状況になります。そこで、プロダクトマネージャー(以下 PdM)へ転身を考えるデザイナーもいます。PdM が決裁権をもつ組織は少なくないですし、影響力もあります。また、IA (Information Architecutre) やリサーチなどデザイナーのスキルを活かす機会もたくさんあります。 自身が考えるキャリアパスや興味の変化で UX デザイナーから PdM の転身はアリだと思いますが、あえて言いたい「デザイナーとしてユーザーの守護神であって欲しい」と。 デザインは文脈や制約によって答えが流動的に変わります。ケースバイケースと言えるところが多々あり、決裁を PdM やステークホルダーに委ね
合意がとれないところに時間をかけるべきか会議などで時々「Consensus / コンセンサス」という言葉を耳にすることがあります。カタカナ表現によって意味が薄れてしまったのか、他の言葉を混同しているのか真意は定かではないですが、あまり多用したくない表現のひとつ。特にデザインプロセスにおいて、コンセンサスは足を引っ張る存在です。 コンセンサスの訳は「合意」。つまり、チーム全員が正しい判断した状態を指します。場合によっては合意していたほうが望ましいですし、合意をとるための議論を通して新たな視点が見つかる場合もあります。(カタカナ表現を使うかどうかはさておき)コンセンサスが悪いことではないものの、デザインにはあまり向いてません。 デザインは多くの場合、誰がどう考えても間違いない解決策は導くことができません。予算、時間、技術、人材、スキルはもちろん、利用者のニーズや文脈、プロダクトの成長ステージ、
がんばるだけでは続かないUX デザイナー / UI デザイナーであれば、UI コンポーネントや画面に表記されるラベルや文章の重要性を理解していると思います。良いライティングは利用者の行動を促すだけでなく、不安を和らげる役割も果たします。重要だから気になるところから少しずつ改善しようと行動に移す方もいますが、それではすぐに行き詰まります。 UXライティングとコンテンツ戦略の密接な関係でも触れましたが、気づいた人が少しずつ改善するといった『草の根活動』だけでは長続きしません。ライティングがプロダクト / web サイトにどのように貢献しているか分かるようにしないと、努力しているわりに評価されないことになります。また、皆が同じモチベーションで仕事をしているわけではないので『やる気』を周りに期待するのも無理があります。 書籍などを参考にしながらライティグを改善するだけでなく、やる気のある少人数が頑
自由だが孤立した仕事場COVID-19 によって変わった私たちの働き方。Zoom のようなビデオ会議だけでなく、非同期コミュニケーションも組み合わせて徐々に最適化されてきています。 移動の必要がなくなったおかげで仕事へ費やす時間は増えたものの、良くも悪くも仕事の質は変わったと思います。作業に没頭しやすくなった一方、誰かと一緒に時間を過ごすことが仕事との向き合い方にどれだけ影響するか痛感すると共に良い解が見つかっていません。 誰かと一緒に仕事できること(時間を共にできること)が、その組織で働く意味を与えてくれます。年収 / 報酬も大事ですが、一緒に働く人が組織と自分を繋ぎ止めるピンのような存在だと思います。 ビデオ会議だけだなく、Twitch や Slack にあるような音声通話を使って常に繋がっている状態は作れますし、Miro や Figma のような同時編集環境も便利なツールです。また、
ドキュメントが欠かせない理由欧米の企業とお仕事するときにいつも感心するのがドキュメントのボリュームと質。私も結構書く方だと思っていますが、それを容易に上回る情報量のドキュメントが共有されることがあります。ただ単に文字数が多いわけではなく、必要十分な情報が図なども交えて明文化されています。 エンジニアに限らず、デザイナーやプロダクトマネージャーもしっかりドキュメントを書く習慣が根付いているように見えます。恐らく下記の理由からしっかりドキュメントを書かざるを得ないのかもしれません。 皆が同じ時間帯で仕事をしているわけではない場所も違うので「ちょっと話してすり合わせ」とはいかない英語が第一言語ではない人たちとコミュニケーションをしている文化も違うのでお互いがもつ『当たり前』が通じない日本企業で日本語で通じ合える環境では馴染みがない状況です。ドキュメントを書かなくても、ちょっと話せば分かり合える場
良い感じに、が通じなくなるとき小さな組織だと肩書きや世間の定義に囚われることなく、周りとコミュニケーションをとりながら働くシーンがよくあります。そんな現場で働くデザイナーはプロダクトのあり方を深堀するフェイズから入ることが多いですし、実装にまで携わる方もいます。分野を絞ってスキルを伸ばしたい方には向いていませんが、課題発見と解決のための活動に第一線で関わりたいのであれば最高の仕事環境だと思います。 人数が少ないうちは良い感じの間合いをとってコラボレーションする働き方がしやすいです。誰が何をしているかも見えやすいですし、少し話すだけ物事が決まって進んでいきます。 こうした小さな規模で出来ていたことが、人数が増えると次第に難しくなっていきます。組織が大きくなると、様々な領域が重なる兼任業から、特定領域のスキルと経験が豊富な専門業が増えていきます。 小規模で出来ていた『空気を読んで良い感じにコラ
限定的な課題解決になる受身のデザインデザイナーは良くも悪くも、来た依頼に対して最大限の努力をする方が多いと思います。「〇〇の見た目を良くしてほしい」「△△を使いやすくしてほしい」といった課題を解決するには高いスキルと経験が必要ですから、専門家としての価値は出せるはずです。最初は来た依頼に対して解決策を提供する活動でも十分ですが、やることが決まった段階から始めるデザインは制約が多いだけでなく、限定的な解決にしかならない場合があります。 例えば、記事に紐づけるコメントリストをスレッド式に変えたいという要望が来たとします。やるコトが決まった状態からデザイナーが入ると、どうしても「見やすいスレッド」「返信しやすい UI」を考えて作ることが目的になります。 依頼に答えるデザイン活動も重要ですが、これを続けているとデザイナーの仕事が次第に限定的になり、付加価値を提供するという受身の立場になりがちです。
評価は文脈に左右されるこれらは Apple Notes とDrafts の起動後の画面です。 いずれも iOS で動作するノートアプリですが、見せ方や目的が大きく異なります。 Apple Notes はクラウドとデバイスに分けて、それぞれノートがフォルダに幾つ保管されているか分かる UI。一方 Drafts はノートが新規作成された状態でアプリが起動します。 ノートを整理したい方、どこに何があるか全体像を掴みたい方であれば Apple Notes は良いデザインと評価するでしょう。すぐにノート書き始めたい方であれば Drafts のほうが優れていると感じるはずです。Apple Notes でも画面右下にあるアイコンをタップすればフォルダ階層を辿ることなくノートを書き始めることができます。しかし、書き始めるための摩擦(Friction)を可能な限り除去したい方は Drafts を好むでしょう
アウトプット以外のフィードバックを記事や Twitter をはじめとしたソーシャルメディアで意見を発しているので、仕事現場でも口うるさい(怖いツッコミが多い)ように見えるかもしれません。ただ、実際は聞いたり観察している時間のほうが多く、細かな指示を出すこともありません。意見を出したほうが良いタイミングがなければ、そのままずっと静かにしていることもあります。 特に事業会社で働く UI デザイナーにいえることですが、単に見た目の良いものを作れば実装されるわけではありません。デザインの知識だけでなく、ユーザー、技術、ビジネスそれぞれ考慮する必要がありますし、周りになぜそのデザインが現時点における最適案なのか伝えなければ先へ進みません。 ときどき UI デザイナーから相談やフィードバックを求められることがありますが、下記 3 点を気をつけるようにしています。 黙って最後まで耳を傾ける当たり前のこと
制作業はコストでしかないWeb サイトを作るのは楽しいですし、たまたま作れる人が少なかったことから web デザイナーのキャリアをスタートしたのが 20 年ほど前。同じように作ることの楽しさからキャリアを始め、作れるスキルを『商材』として頑張っている方はいると思います。 World Wide Web に関わるデザインは今でも好きですし、個人で嗜む程度ですがコーディングも楽しかったりします。作ることの楽しさはとても共感できますが、残念ながら『作れる』だけだと価格競争に巻き込まれる恐れがあります。 Web に詳しい方であれば、web サイトひとつ作るにしても多大な知識とスキルが必要なのは分かります。ノーコードで表現力の高い web サイトが作れるとはいえ、ノーコードだからノースキルで済むわけではありません。時間と労力が必要なのは同業者であれば分かることですが、クライアントや事業主の視点だと少し
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