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アメリカ大統領選
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今回から半年の契約で連載をすることになった田中フミヤといいます。 サッカーに例えると、冬のマーケットでレンタル移籍してきた外国人選手という位置づけですが、おそらく期待通りの働きが出来ないお荷物助っ人としてここを去っていくのではないかと思います。 短い間になるかもしれませんが、お付き合い頂けると幸いです。 まずは今回の執筆経緯について少し触れておきたいと思います。 依頼があったのは在日ドイツ大使館の広報担当者からで、依頼内容にオンライン上でリサーチしたところ見つけたと書いてあります。 ドイツでアートや音楽活動をされている方を見つけるには、自分でも現在の状況を知ることが重要ではないかと思い、色んなキーワードで検索してみたところ、華々しい経歴や活動をされているアーティストやミュージシャンがいることを知ることができます。 目につくのはクラシック音楽や現代アートに特化した方々で、こういう方々がドイツ
前回なかなか言いにくいことについて書きましたが、 今回もまた似たようなお話です。・・・・そうです、言いにくいことについてです。 近年ニッポンはパンブームです。とくにコロナ禍では「お店の中に座らなくても、パッと買って帰れる」ということでパンの人気が更に高まった気がします。 うちの近所ではコロナ禍になってから新たにオープンしたパン屋さんが3軒もあります。 色んなこだわりを持ったパン屋さんが登場し、「高級」を謳ったパン屋さんも人気です。 ただ高級なパンを否定するわけではありませんが、ドイツの感覚だと「パン」はもっと「庶民的なもの」です。ドイツでは古くからパンが食べられていたので、パン屋さんはお肉屋さんと同じぐらい身近というか「日常」なわけです。 そして誤解を恐れずにいうと、ドイツでアビトゥアを持った人や、大学を卒業した人がパン屋さんの職に就くということはほぼありません。パン屋さんはakedemi
今週紹介するのは Drachenfutter ドラッヘンフッター です。 Drachen は 龍・ドラゴン Futter は エサ という意味です。 龍ってやっぱり怖いイメージがありませんか? 龍のエサ・・・と言われても龍を飼ったことがないので何を食べるのかわかりませんが、 きちんとしたものを用意しないと怒りそうですよね! そんな怖い怖い龍にあげるエサとは、 飲んで家に帰るのがとても遅くなったり朝帰りした時に、奥さん(や彼女)のご機嫌取りのために買って帰るお土産のことを言います。 大体は、お菓子やケーキだったり、お花だったり。貢物ですね!( ̄▽ ̄) 日本では、怖い奥さんのことを鬼に例えて「鬼嫁」というようですが、ドイツでは奥さんはドラゴンです。 どこの国も、奥さんが怖い・・・もとい、女性が強いのは共通のようですね! 男性の皆さん、奥さんを大切に。 ©ドイツ大使館 今週のドイツ語 ♢ 前
最近この連載はイベントリポートばかりだ!! とお嘆きの貴方に。 朗報です。今回はガチンコの小説レビューです。それも、『犯罪』『罪悪』に続きドイツ読書界にまたしても衝撃を与えたシーラッハの新作、彼の初の長編『コリーニ事件』なのですよ^^ …で、ネタバレ御免!! と言い切るからには、むしろその方が読書の食前酒として効果的だろうという読みと自信があるわけです。しかしもし、その当てが外れてあなたの感興を削ぐ結果になったとしたらゴメンナサイ。私にはひたすら謝ることしかできないから、それで許してください! (笑) 『コリーニ事件』は、ありていに言えば、 徹底的にナチを裁く良識とは何か!? を深く深く深く描いた小説です。敢えてミステリの流儀で分類するならばホワイダニットものということになるのでしょうけど、読んでいるうちにそんなことはどうでもよくなります。 確かにドイツ人の脳味噌から生まれた文章ではあるけ
©picture alliance / blickwinkel Schweinemett-豚肉を生で食す!? リョウちゃんからのメール ドイツ総領事館に居候しているリョウちゃんからメールが届いたよ♪ 今日の話題は・・・=^_^= ドイツにはたくさんの種類のハムやソーセージなどの食肉加工製品があって、中には「えっ!?」っていうのまであるけど、その中でも日本では絶対食べれないのがSchweinemett(Schweine:豚、Mett:脂身のないひき肉)。 ベルリンではHackepeterとも呼ばれてる。 これは生の豚ミンチに、塩やたまねぎ、ハーブなどを混ぜたもので、焼いてもいいんだけど、焼かずにそのままパンなどに塗っても食べるんだ。 生の豚肉! って聞くとびっくりするけど、ドイツにはひき肉に関する法律「Hackfleisch-Verordnung(ひき肉令)」というのがあって、それに従ったひ
みなさん、こんにちは。 昨年ほぼ引きこもって書いていた本「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)が本日2月19日(水)に発売されます。 内容ですが、タイトルどおり、ニッポンの学校や会社などでよく見られる「体育会系的な根性論」について書いています。 では、その「体育会系的な根性論」とはどういうものかというと、間単に言ってしまえば、「人間、どんなに周りの状況が悪くとも、本人にヤル気と根性さえあれば、がんばることができるんだ。何事も達成することができるんだ」というような思考のことです。 基本的に私は「やればできる」という発想は嫌いではありません。けど、それは「自分で自分に言い聞かせる場合」に限ってです。 上に立つ人、たとえば会社の上司が「体育会系的な根性論」の持ち主だと、それは部下のサービス残業などのブラックな働き方につながりやすいです。 というのも「眠い」だとか「寒い」だとか「熱っぽくて、だる
「ドイツの驚くべき(?!)食文化」 「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」に迫る! 第二弾 さて、前回一部地区で物議を醸した「フォークをぐっさり横腹に刺されたドイツのケーキ」。ドイツだけでなくいつしか世界へと影響を与えつつある風習……。今回は、「何故、なぜドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか」?その理由に迫る第二弾です! 「ドイツ人は合理的」 だからフォークはケーキに刺す? 「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」が広まった際に、数多くの方達から、「フォークをお皿にのっけて運ぶと落としやすいから」合理的に考えて、フォークを刺しているのであるーという「ドイツ人合理的説」が寄せられました。 確かにマーケットや屋台はフォーク刺し率がほぼ100%。すごいところではパンにスプーンが刺さって出てきたりすることからも(下写真参照)「フォークは落としやすいの
驚きのドイツ食文化(?)、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」に迫る! 第一弾 巷はハロウィン一色ですね〜! ドイツでは、ハロウィンに限らず、フォークをグッサリと刺して血まみれになった(?)ケーキが時々出てくるのですが、ご存知でしょうか? さて、今回はドイツ最大の謎(?) 「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」を掘り下げたいと思います! 2015年にはじめたハッシュタグ、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」。 最初はInstagramで、次にTwitterで発信してみたところ、この問題が顕在化されたためか、怒涛のようにドイツ各地から、衝撃の写真入りの目撃情報が集まりました。 さらには、ドイツだけでなくチェコやイタリア、遠くはニュージーランドなどでも、数は少ないもののフォーク(時にはスプーン)が刺さっているという報告が! アッ
ベルリンの壁崩壊から今年で30年。しかし、いまだ東ドイツと西ドイツには様々な違いがあり、そして残念なことに「心の壁」は消えていないような気もします。 ここ数年、その東と西の「みえない壁」「東と西の違い」がドイツのメディアでは大きく取り上げられることが増えました。 その理由は「右傾化」です。 「旧東ドイツが右傾化している」とメディアが騒ぎ始めたのは、メルケル首相が難民の受け入れを表明した2015年の頃。 2014年に結成された「PEGIDA ペギーダ(西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者)」のドレスデンのデモ。 そこでは、旧東独のデモで東西統一を求める時に叫ばれた「Wir sind das Volk(我々こそが人民だ)!」 という言葉が「俺たちこそが国民だろ(なんで外国人を助けなければいけないんだ)」という意味を含ませながら、叫ばれていました。 そして、2013年に反EUを打ち出して結成され
©2017 INDIANA PRODUCTION S.P.A., 3 MARYS ENTERTAINMENT S.R.L. なんと堂々たる二番煎じ!だがそれがいい!『帰ってきたムッソリーニ』 映画第二次世界大戦帰ってきたヒトラー帰ってきたムッソリーニファシズムドゥーチェ 『帰ってきたヒトラー』が評判になったとき、「これでイタリアが、柳の下のドジョウ狙いで『帰ってきたムッソリーニ』とかつくったらウケるよねー、でもまあ、やらないだろうねー」と、知人が軽口を叩いていたのですが、 それが現実化してしまった。 すごいぞイタリア映画界。どういうつもりなんだ? ということで『帰ってきたムッソリーニ』、ドイツ趣味業界、近現代史業界的に、内容が気になる方も多いことと思います。そこで実際に観てきました。まさに来た見た勝った! 実際に観ると予想を遥かに超えてスゴかった。まあその、『帰ってきたヒトラー』のストーリ
© 2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film 規律厳格な無法地帯の悪夢!『ちいさな独裁者』 第二次世界大戦ドイツ映画第三帝国ちいさな独裁者戦争犯罪 大戦最末期、ドイツ。 それは人間性の真価が極限に問われ、さらけ出される恐るべき舞台であり、これまでも数々の文芸・映画のテーマとなってきました。 そして今般ここに、注目すべき新たなる問題作が爆誕! 映画『ちいさな独裁者』は大戦末期、偶然にもエリート将校の軍服(ナルヴィク盾章つき)をゲットしてしまったドイツ脱走兵が展開する、 想像を絶するハッタリ+やりたい放題 の物語です。 この設定、アメリカ映画とかだったら痛快まるかじりな内容になるに違いないところ、ぜんぜんそうならないのがドイツ映画です。さすがです。しかも史実ベースだったりするのが凄い! この映画、おそらく多くのレビューにて、 【抑圧的な軍隊
日本では、待ちに待ったGWですね! 今年は最大で9連休という方もいらっしゃるとか。 皆さんどこへ出かけるのでしょうか。 今日紹介するのは Fernweh (フェルンヴェー) です。 この言葉もドイツ語独自の表現です。 ホームシック(ドイツ語でHeimweh ハイムヴェー)の反対語にあたります。 実はこれも分解できます。 Fern ・・・遠い、遠く (ドイツ語は形容詞と副詞が同形なのです) Weh ・・・痛み 遠くの痛み・・・ これはつまり、どこか遠くへ行きたい、遠い国へ出かけたい、という(強い)思いのことを指します。 「遠くへ行きたい病」ですね。 世界トップレベルで旅行好きなドイツ人らしい言葉。 ふと空を見上げて飛行機を見かけたとき、 テレビで知らない国の様子を見たとき、 旅行雑誌を読んだとき、 「あーーーーーーーーーーーー旅に出たい!遠くへ行きたい!!!」 と思ったら、 Fernweh
『ヒトラーと戦った22日間』は、ナチのソビボル収容所で1943年に起きた大反乱の「75周年記念」作品として、2018年にロシア政府の肝いりで製作された映画です。 この史実をめぐっては、名作『ブレードランナー』で主役(ハリソン・フォード)を完全に食うほどの伝説的敵役を好演したことで知られるルトガー・ハウアーが主演した『脱走戦線 ソビボーからの脱出』という英国・ユーゴ合作ドラマ(1987年)がもともと存在するので、それとは違う、21世紀仕様の心理的な深掘り演出などが施されているかと期待したのですが… 全然そんなことは無くて! わかりやすすぎる勧善懲悪ドラマでした。 極めて印象的なのは、最近のナチ系史劇ドラマと違い、「ナチズム」ではなく「ドイツ人」そのものを「悪辣で冷酷」だ、とする演出ポリシーが貫かれている点です。ヤツらは表面的にお上品な教養をひけらかしたりするが、油断するな、ドイツ人の本性は、
©ビターズ・エンド © 2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production,corazon international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH 崩壊する日常の果てに来るものは?:映画『女は二度決断する』 移民ドイツミステリファティ・アキン難民女は二度決断するAus dem Nichtsダイアン・クルーガー極右問題テロリズム 登場する人物、会話する人物の視線、目つき、眼差し。 その鮮烈さ、ブラックホールのような深い闇黒さが印象的な映画だ。 「迫真の演技」とそれを評することも可能だろう。しかし何か違う印象を受ける。これは演技を超えた何か、関係者の意識と製作現場に満ちていた問題意識が昇華した何かなのだ。私はそう思わずにい
年末にニッポンのある番組が「顔を黒く塗りたくったお笑い芸人」をテレビで放送し、これが黒人を馬鹿にする「#ブラックフェイス」だとして各方面で批難を浴びています。 最初に声を上げたのはBaye McNeilさんという日本在住のアメリカ人男性。Twitterで「#日本でブラックフエイス止めて」というハッシュタグで問題点を書き込んでいます。 この問題について報じたBBCの動画はこちら、そしてBBCの記事はこちら。 アメリカやヨーロッパでは「ブラックフェイス」は絶対にしてはいけないことという共通認識があるのですが、それは歴史に由来するところが大きいです。分かりやすく書かれたブログを見つけましたので、ご参考までにご覧ください。 「日本にはアメリカやヨーロッパのように『白人が黒人を差別してきた』というような歴史はないのだから、あの番組で顔を黒く塗ったのは差別に当たらない」という声も日本にはあるようですが
"Was haben Sie am Wochenende gemacht?"【異文化誤解あるある】会社編 一般的には、ドイツの会社のほうが日本の会社よりも公私の区別が白黒ハッキリしている印象があります。 ドイツ人というと仕事は仕事、そしてプライベートはプライベートときっかり分けている・・・というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。 けど、プライベートと仕事がそんなに切り離して考えられているかというと、意外とそうでもなかったりします@ドイツの会社。 たとえば挨拶。 はい、週末が明け、月曜の朝出社すれば、同僚や上司に“Guten Morgen. Na, und wie war Ihr Wochenende?“ (「おはようございます。週末はいかがでした?」)とか„Und, was haben Sie am Wochenende gemacht?“(「週末は何してましたか?」)と聞
ネレ・ノイハウスの『白雪姫には死んでもらう』は、昨今のドイツミステリの社会的ブレイクを決定づけたエポックメイキング的傑作です。 ノイハウスの何がどう凄いのか、という基本情報は前作『深い疵』のレビューで書きましたが、実質、この『白雪姫』によって彼女は「ドイツミステリの女王」の座を獲得したと見てよいでしょう。出版から3年たった今もなお、ドイツの書店店頭で平積みの地位を維持し続けている作品です。 実は、そもそも私は2010年に本作を読んで、「あ、ドイツミステリはついに世界に通じるクオリティを確保した!! これはご近所の皆様に知らせなければ!!」と思い立ったのです。そういう意味でも印象深いのですよ~^^ さて、『白雪姫には死んでもらう』の中身について。 田舎の村の閉鎖的コミュニティが箱根細工のようにがっちりと隠蔽する「罪業」をいかに暴くか、というのがメインテーマです。そして、ベルリン育ちで村に引っ
ハーフはよく「ハーフっていいなあ」「ハーフがうらやましい」「ハーフって2つの国を行ったり来たりできていいね」と言われるけど、ぶっちゃけハーフの人生はそんなに甘くありません。特に「子供ハーフ」や、思春期のハーフは大変です。理由は学校でハーフに対するイジメがあるから。日本の学校のイジメにも酷いものがありますが、まずはドイツの学校でのイジメの話をしたいと思います。 日本とドイツのハーフの子供がドイツの学校に通うと、「チン・チャン・チョン!」とはやしたてられたり、からかわれたりすることがあります。この「チン・チャン・チョン!」は、ハーフに限らず、ヨーロッパ、または白人の多い地域で子供時代を過ごした日本人、中国人、韓国人などその他のアジア人であれば必ず知っている言い草なのではないでしょうか。 でも、知らない方のために紹介すると、「チン・チャン・チョン」とは、要はアジアの言語をバカにした「からかい」な
お盆ですね。すでに各地の高速道路ではUターンラッシュの渋滞が起こっているようです。 渋滞って、嫌ですよね( ≖_≖)・・・ 子供は退屈して騒ぎ出し、トイレに行きたいと焦り、運転するお父さんは眠気との戦いでもある。 そんな「渋滞」、もちろんドイツの高速道路 アウトバーン (Autobahn)でもあります。そこで今日は、ドイツのどうでもいい「渋滞とアウトバーン事情」をお伝えします。 渋滞中の方は、ぜひ暇つぶしに(もちろん、助手席と後部座席の方のみですが)読んでみてください。 そもそもドイツのアウトバーンは全長何キロ? 日本で言う「高速道路」にあたるアウトバーンの総距離は、12,993km(2016年時点) 。 これは、中国、アメリカ、スペインについで世界第4位の長さです。 ちなみに日本の高速自動車国道の総延長距離は、2015年4月1日現在で9,265.8 kmだそうです。(出典:国土交通省)
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は2016年製作のチェコ映画で、歴史に名高いナチスのチェコ副総督、ラインハルト・ハイドリヒSS大将の暗殺(エンスラポイド作戦)を描く内容です。 映画にて描かれる暗殺作戦の経緯 1942年春、ナチス占領下のチェコ。 ハイドリヒSS大将は執念深い鬼畜であり、彼の暴虐かつ仮借ない攻撃により、チェコ市民の生活およびレジスタンス活動は壊滅寸前だった。そこに英国から飛来したチェコ人特殊部隊員ふたり。彼らの使命は英国の指示によるハイドリヒ暗殺。だが待て、と地元レジスタンスたちはたじろぐ。そんなことをしたらどんな苛烈な報復が来るかわからんぞ。やるべきなのか? …そう、確かに報復はあるだろう。だが、今だって地獄じゃないか。この状況で何もやらないままでいる姿勢が人として正しいといえるのか? かくして人間の尊厳を守る大義のため、特殊部隊員たちは禁断のラブロマンスを交え
Ⓒ Bernd Schuller 映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』:神の見えざる手に我々は何を見るべきか! ナチスドイツドイツ映画歴史ヒトラー暗殺、13分の誤算オリヴァー・ヒルシュビーゲルサスペンスゲオルク・エルザー 1939年11月8日、対ポーランド戦の圧勝に意気あがるナチスドイツ、ミュンヘン。ひとりの家具職人が製作した精巧で強力な時限爆弾が、演説会場のアドルフ・ヒトラーを狙っていた。事前に周到に調査したヒトラーの行動パターン、そして現場「ビュルガーブロイケラー」の構造からみて、この爆弾はまさに必殺の一撃となるはずであった… あの『ヒトラー~最期の12日間~』で全世界を震撼させたオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の最新作、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』は、ゲオルク・エルザーによるヒトラー暗殺未遂事件という史実をベースとした問題提起ドラマです。 本作のひとつの主軸をなすのが、逮捕後の取調べ
ベルリンの人にとって、スパイシーなケチャップをかけたカリーヴルストは、単なるファストフード以上のもの。 カリーヴルストは、生き抜くためのソウル・フードであり、伝統であり、郷土の名物なのです。 カリーヴルストの食べ方は、小型の丸パンまたはフライドポテトを添えたり、マヨネーズをつけたり、またはシンプルに何もつけずに、さらに皮つき、皮なし、カットしたもの、カットしていないものと、様々です。 カリーヴルストは、戦後ベルリンで考案されました。このほか、ハンブルクやルール地方の都市が起源だという説がありましたが、ベルリン起源説が優勢です。 カリーヴルストの基本材料は、加熱加工ソーセージをグリルしたもので、ソーセージの原材料は、豚肉を主体に牛肉または仔牛肉が加わります。 ソースの材料は、ケチャップ、カレーパウダーですが、このカレーパウダーに入れるスパイスに関して、人気のソーセージスタンドは、それぞれ秘密
なぜかドイツのケーキは、倒れて来る。見た目綺麗なのにもったいない。でも、とても美味しい。 こんにちは、T.Yです。そろそろ来る大学の最終テストや課題に戦々恐々としながら毎日を過ごしております。 石川君のところは、日本に興味のある学生が多くていいですね。バイロイトには日本のスタムティッシュはありますが、ドイツ人の数は日本人ほど多くはないです。ドイツ語を学ぶ場としてはいいのかもしれませんが、やはり日本に興味を持っている人といない人とでは付き合いやすさが格段に違うと思います。コミュ能力皆無(ドイツ語学科にいて留学しているくせに)の私は、純ドイツ人に下手くそなドイツ語で話しかけにいけるほどの豪胆さはないので、ドイツ人の知り合いがあまり増やせないでいます。それが今のところの問題点ですかね。 さて、そんなコミュ能力皆無(大事なことなので二回言いました)の私は、年明け早々トラブルを抱えて色々大変でした。
『帰ってきたヒトラー』、おかげさまで小説も映画も予想をはるかに超えるヒット作となりました。この展開には原作出版の河出書房新社さんも映画配給のギャガさんも心底驚いた、というのが正直なところです。それだけ、本当に時代が要求していた作品だったのだろうと思います。 今回私は、かなり積極的に本作の広報活動に関わりました。取材を受けたり映画公式HPに特設ページを追加したり、そしてネット/リアルの反響を分析したり。 ことに本作は世間全体からのリアクションが大きかったので、今ちょうどホットな話題になっている「歴史認識」や「民主主義」をめぐる社会的認識の「断面」を概観できた感があります。 『帰ってきたヒトラー』に対する反響でまず印象的だったのが、保守層もリベラル層も同様に前向きな興味を示した点です。普通はスパッとどちらかに偏りがちなのです。そして、特にオタク的素養を持った知識人・趣味人の皆様が、「ついに来る
「貞子vs伽椰子 恐怖の始球式!」など昨今はネタとしての展開が目立つものの、和製ホラー(Jホラー)作品は、日本独特のじっとりとした恐怖マインドを昇華させた文化媒体として世界的人気を誇っています。 一見ドイツとはまったく無関係ですが、この中で思わぬ発見に出会うこともあるのです。 『屍鬼』というサイコホラーの名作があります。漫画版、アニメ版も傑作として名高いですね。あまり興醒めにならない程度に概略を述べると… ①土葬の風習など一定の条件を満たした日本のある山村で、屍鬼(吸血ゾンビ)が密かに増殖を開始し、現代的な自治体システムや地域特性を踏まえた巧みな計略で村を乗っ取ってゆく。 ②屍鬼に斃されて土葬された村人のうち一定割合が屍鬼として復活する。屍鬼になっても元の記憶や良識や理性は継続しているが、通常の人血以外摂取できない体質になっているため、人を襲わないといけない。 ③村の医師と少年が「なんかお
©2015 Mythos Film Produktions GmbH & Co. 映画『帰ってきたヒトラー』:気になったらマスト観るべし! ナチスドイツドイツ映画河出書房新社帰ってきたヒトラーギャガ第三帝国民主主義クリストフ・マリア・ヘルプスト難民問題極右台頭戦後ドイツ 前回記事で少しご紹介した、映画版『帰ってきたヒトラー』。 観る前に原作小説を読むべきか、観てから読むべきか、あるいは読まなくてもおっけーか? 1945年、死の瞬間にタイムスリップして現代に蘇ったヒトラーが社会を侵食して行くという大筋では同じはずだが… と、そのあたりが気になる方もいらっしゃると思います。結論を言いますと、 片方でも大丈夫だが、両方味わえば滋養分4倍。順序は問わない! なのです。 原作小説は、基本的にヒトラーの内面描写、というか、「ヒトラーの主観フィルタを通した」一人称の世界描写の連なりで成立しています。そこ
「シャア! 謀ったな、シャアっ!」 「君はよい友人であったが、君のドイツ語がいけないのだよ」 …皆様いかがお過ごしでしょうか? ドイツ的職場と日本的住居の間を毎日高速移動する機動戦士マライです。 ガンダムといえば。 実はむかし、知人の付き合いでアキバの某巨大家電量販店のプラモ売り場に行った際、ガンプラ箱に書かれていた「ノイエ・ジール(Neue Ziel)」という、文法的にも発音的にも超アウトアウトアウト! スリーアウトチェンジ! なニセドイツ語と遭遇してしまったのが、なんと私とガンダムの最初の出会いでした。あまりハッピーとは言いかねるシチュエーションです。 ちなみに、「ノイエ・ジール」がいかにドイツ語としてヤバいかというのはWikipediaにも明記されているほどなので本稿では繰り返しませんが、これについてオタ系の知人に対し啓蒙を図ってみたところ、以下のような実に興味深い&勇気ある反応をい
全体的な傾向として、ドイツ語のほうが日本語よりも「ハッキリ」が似合う言語ですよね。実際に、ドイツ人のほうが日本人よりも物事をハッキリ言っている印象を受けますし。 ただし前回書いたようにテーマが「夫」になると、ドイツ人女性よりも日本人女性のほうがモノをハッキリ言っていたりします(笑) 思えば「結婚」というものについて、そう、たとえば婚活という場においても、日本人女性のほうが相手に求める条件が「はっきり」していて、それを口に出して言う事がドイツ人女性よりも多いですね。「結婚相手の男性に求めること」について、日本人女性のほうがドイツ人女性よりも「はっきりと」語る事が多い印象です。 たとえば、ドイツにおいては女性が堂々と「結婚相手の男性は安定した職業で安定した収入の人がいいです」(“Mein potentieller Ehemann sollte einen stabilen Job und ei
戦時下を舞台にした「第三帝国もの」本格サスペンス… といえば英米作家的にはひとつのドル箱ですが、ドイツ人エンタメ作家にとってなかなか踏み込みにくい分野でした。目に見えない自戒の壁があった感じです。ドイツ語圏全体をみればオーストリア人作家J・M・ジンメルの『白い国籍のスパイ』のような例もありますけど、あの作品の本質はどちらかといえばユーモア・ミステリですからね。 しかし質・量で着実に成長を続ける近年のドイツミステリは、ついにこの領域でひとつの画期的な作品を世に送るに至りました。それが今回のお題、ハラルト・ギルバースの『ゲルマニア』(原著出版2013年)です。 1944年、第三帝国首都ベルリン。ナチス親衛隊の関係者を巻き込む連続猟奇殺人事件が発生。親衛隊(当時、警察機能を吸収していた)による捜査は行き詰まり、窮余の一策として、なんと公職を追放されていたユダヤ人(妻がドイツ人であるため収容所送り
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